9話
お久しぶりです!
かなり遅くなってしまいました、すみません!
始まります!
1人で背負うには重すぎる。
世界観があまりにも違うのだと言う事を思いしる。
正直、話がデカすぎて既に八割分かっていない。
頭は抱えたが、このまま家に帰って引きこもりたくなってきた。
無理だとは、分かっているが。
だが、そんな俺の状況など露知らずいった風に彼女は屋敷の正面扉・・・玄関の扉の前まで歩くと振り向きもせず、声を上げた。
「行くわよ?」
叫んだわけでもない声が何故かよく通る。
美形補正だ、絶対。
若干ひがんだことを考えながらその隣へ歩み出る。
「どこへだ?中へは入れるのか?」
傍らの少女へなんとなく目を向ける事もせず話しかける。
すると、あからさまに呆れた様な調子の声が返ってきた。
勿論、俺の方など見向きもしていないんだろうな。
「入るのよ。廃屋だし、所有者も打ち捨ててるから。」
いいのかよ?
内心タジタジになり、思わずアーシアの顔を軽く睨む。
「大丈夫だから言っているんじゃない?私だって犯罪はごめんなの。」
分かる?と指差して大きなドアの取っ手に手をかけ引くと、巨大な扉は軋みながらも風を起こしながら開いた。
「施錠は?」
「してたみたいだけど。さっき寄った役場で借りたのよ、鍵。」
この屋敷は廃屋ではあるが、美術品としての価値があるらしい。
たいした財産というではないが、ここを聞きつけた設計や建築関係者がたまに見学を申し出てくるらしい。
なので、アーシア言ったようにこの地域を担当する役場で鍵等が管理されており、鍵の貸し出しが行われているのであった。
勿論、俺名義だ。
俺がそういうのにマニアックな趣味を抱いているとか何とか・・・。
まあ、変な趣味ではないからいいんだが。
屋敷の中は思ったよりは荒れておらず綺麗なものだった。
見学者が来るから役場の職員が掃除でもしているのだろうか?
傍らに配置されている小さなテーブルの上に手を置くとさすがにほこりの白が肌を覆ったが。
「何もないな。」
調度品は一切置かれていない。
まあ、置いてあったら大変だ。
美術館じゃないんだ。
見学者がいるとはいえ、普段は無人なのだから高価なものなど置いておけるはずはない。
数歩先に立っているアーシアに歩み寄りながら辺りを見回す。
「・・・?」
何だ?耳鳴り?
「良かったわね?」
耳を押さえているところへ彼女の声がしたので、とっさに返事する。
「何?」
一体何の話だと、眉をひそめる。
「ここの『アーチ』は地上にあるみたいよ?」
俺たちの探すもの。
世界に襲い掛かっている『夢』を撃退する方法。
それが地上にあって良かった?
「地上にはない物なのか?」
遺跡の様な物だとは聞いていたのだが、発掘が必要だったりするのだろうか?
だったら大事だ。
とてもじゃないが2人ではどうする事も出来ない。
「発掘とかあり得ないから、とぼけた顔してんじゃないわよ。」
辛辣な台詞が飛んできた。
ああ、しなくていいんだな。
まあ、それでなくても『現実の子』は少ないのだし、そんな大掛かりな事が出来るわけもないのだろうが。
「多分、地上にあるわ。」
「地上って言われても・・・。」
無限ではないが、馬鹿みたいに広い屋敷である。
見取り図でもあれば話は別だが、残念ながらそんなものは手元にはない。
ようやく、屋敷へ。
ちなみに、アーチは基本地下にあり大体洞窟の様な場所にある為、発掘しなくて大丈夫です!
どこも埃っぽいですが。