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Attention!!
この話には、薄い殺人描写とものすごく薄い性描写があったりなかったりします。
ご注意ください。
また、1ドル=100円換算です。
今すぐXXXホテルに来て。
それが彼からのメールだった。
私はのんびりと彼から指定されたホテルへ向かった。
一時間ほどして、彼が滞在しているらしいホテルへ着いた。
ロビーを見回すと、彼の姿があった。
彼は歩いてきてこう言った。
『僕の部屋に来て』
『何の用?』
『うーん。仕事、かなあ』
彼にしては珍しく口を濁す。
彼と一緒にエレベーターに乗った。
会話はない。
スイートなんてなんだかむかつく。
『今日ねえ、僕のお友達とお別れしたんだよね』
部屋に着くと、彼は唐突にそう言った。
『それで?』
『とりあえず鎮まらないから君としようと思って。はい、前金』
そこで渡された金額が、暗殺よりも少しだけ多くて。
『………………OK』
まあ別にいいや、痛いわけじゃないし。
明日の仕事に響くわけでもなさそうだし。
と安易に承諾して。
『振られたんだ』
『まあ、そういうこと』
『ご愁傷様』
ベッドに沈んだ。
『また来てくれる?』
『気が向けばね』
ピロートークなんてものはない。
やることやったらさっさと帰る。
少しだけ痛む腰に手を置いて、彼を見下ろした。
『じゃあこっちから行くよ』
『来なくていい』
それだけの会話で、私たちは別れた。
それまではギブアンドテイクだった私たちが、彼が私を抱くようになってから、少しずつ変わってきた。
彼が私を抱くたびに渡す金額は、暗殺の時よりも多くて。
そのうえ気持ちよくなってるのは私の方だからなんだか申し訳なくて。
ただ彼が私のホテルに来る回数が増えて、彼の匂いとかが部屋に染み付いたような気がして、私は定期的にホテルを変えるようになった。
『また変えたの?』
『何か不都合がある?』
彼は子供のように笑った。
『僕のホテルから遠い』
『それだけ?』
『それからここは、僕のお友達がいるところでもあるし』
『ああ、そういうこと』
彼は、そのお友達は嫉妬深く、自分の部屋ではなく違う部屋に行っていることが知られたら大変だと言う。
なんともお盛んなことだ。
『なかなか若いんだね』
『そうだねぇ。でも年齢を言えば君の方が若いよね』
『そうなるね』
彼に何人お友達がいても、私のところへ来る回数は決まっていた。
彼が血まみれで、恍惚とした表情で来ることもあった。
かと思えば、ずぶ濡れで来ることもあった。
私はこれも仕事だと思うようにした。
いつもの仕事より、少しだけ割りのいい。