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Sorry Sorry I ...  ~ Cold War ~  作者: Ψ蒼龍Ψ
2/5


Attention!!

この話には、残酷描写(殺人描写)があります。

ご注意ください。

また、1ドル100円換算として考えてくだされば幸いです。



最初に彼と出会ったのは、……たぶん、仕事場(・・・)だった。


『君も……なの?』

『そうなるかな』


血まみれの彼は、自社製品の試し撃ちに来たと言っていた。

つくづく不気味だと思った。


『この会社、うざったいんだよねぇ』

『そう』


気まぐれで殺したのか。

私は足早にそこから立ち去ろうとした。


『ねえ。君の用事は?』

『……私の標的(ターゲット)はあなたが殺してくれた。だからもう用はない』

『ちょっと待ってよ』


彼は私の背後に立って言った。

殺気。


『あなたの方こそ、私に用でも?』

『ううん。でも遊びたいなあと思って』


こんな気狂いと遊ぶ(・・)なんて命がいくつあっても無理だ。

死ぬ。


『ごめん。今からもう一件仕事があるんだ』


適当な理由を述べて、仕事場から立ち去った。








一週間後。


『………………』

『やあ。また会ったね』


彼はまた、血まみれで私の前に現れた。

ビルの裏で。


『また仕事?』

『そうなるかな』


彼はにやりと笑った。


『君の標的はこの人かな』

『そうだけど』


彼の足元の人間を一瞥した。

後頭部に大穴が開いている。

彼が試作品で殺したに違いない。


『じゃあ、君はもう帰るんだね』

『そうだね』







また一週間後。

今度は私が止まっているホテルのドアマンを殺したらしい彼は、血糊がついたままの姿で私の前に現れた。


『ねえ、僕から君にお願いがあるんだけど』

『何かな。とりあえず綺麗にしてから来てよ』


インターホン越しに言うと、彼は三十分後にまた現れた。


『これでいい? 中に入れてよ』

『いいよ』


ホテルに招き入れると、彼は何時も通りのスーツを着ていた。

薄い茶髪をオールバックにして。


『君にお願いがあるんだ』

『何かな。簡潔に言って』


彼はアタッシュケースを机の上に置いた。


『五十万ドル。僕の会社でインサイダーをやっている幹部を十人、殺してきてよ』

『あなたがすればいい』


できないわけじゃないだろうと訊くと、彼は不気味に笑って答えた。


『やだなあ、それじゃあ僕が怪しまれる。部外者が殺したってことにしたほうが都合がいいんだ』

『ひとつだけ聞くね。それは前金だよね』


彼は笑った。


『当たり前じゃないか、人を殺すリスクは大きいからねぇ』

『いいよ。前金五十万ドル、受け取った。いつ殺せばいい?』

『時間はいつでも。ただし、三日後までに殺してね』


そう言って、彼はホテルから出て行った。

私は言われたとおり十人を殺した。

できるだけ血が飛び散らない方法で。


彼はその夜、二百万ドルを持って現れた。

満面の笑みで。


『君は手際がいいね』

『そうかな』


そうして彼は、次の殺しの依頼者となった。



私は彼に頼まれて、彼の政敵とも言うべき人物を殺した。

何十人も。

彼はたまに私と一緒に仕事場へ出向いて、私が暗殺をするところを笑いながら見ていた。









ある日。

彼から珍しくメールが届いた。






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