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平行世界の自分へ

作者: スラッシュ

久しぶりに帰ってきました。


「退屈だ。」


ブラジルに住んでいる俺は日本語でそう言った。









ある日、家で電話を手に入れた。

その電話は平行世界の自分が作った、別世界で繋がる電話らしい。

他の世界にも同じ物を送ったらしい。


「試したい。」


「言うと思ったよ。」


もう何個かの世界の電話は調整が済んでいるらしい。


早速、日本にいる俺に電話してみた。


「だ、誰?」


自分と同じ声が震えながらそう言った。


「き、君はどんな世界に住んでるの?」


かけた先は日本に棲んでいる俺。

何でも、ブラジルに行く1週間前で弟が大怪我をして、そのまま行かなかったらしい。


「君は残らなくてよかったよ。だって」


イジメ。


……話してる相手が本当に自分なのかと疑った。


「俺はそこまで弱虫じゃない。」


「小学生の頃、僕等がそう思い込んでただけだよ。中学、高校ではっきりした。

少なくとも僕の世界はそうだよ。」


でも、平行世界は無限にある。

きっと幸せな奴がいるだろ。


俺は違う世界に電話かけた。

何でも憧れのヒーローになった世界らしい。


「平和な日常がほしい。青春を楽しみたい。お前が羨ましい。」


よく面倒臭がりなヒーローがいう台詞だった。

でも本当に嫌そうだった。


「授業は途中で早退しなきゃいけないし、敵さんは空気を読まないんだよ。

カラオケの途中やら、クリスマス会やらデートの30分前とか…」


彼女持ちらしいが、リアルは充実していないらしい。


「それでも、助けに行かなきゃ後悔するしな…」


それでもやはりヒーロー気質らしい。


そんな電話を手に入れて数日後。


ふと違和感を感じて止まってみた。


すると俺の体から何かが出てきた。


「これは…俺?」


俺の前を半透明の俺が歩いていた。


俺は急いで科学者の俺に電話した。


「え?平行世界の自分が見える?

…あの電話の副作用かな?調べてみるけどそっちでもいろいろ試してみて。」


そう言われたから試しに話しかけてみた。


「「「えっ!?俺?」」」


何人かが同時に答えた。


まさか……


「お前等3人も自分が重なってるぞ?」


「「「えっ?」」」


わかった事は、こいつらに話しかけれる。

それと、未来を予言できる力をもった別人おれ

ポルトガル語が完璧な別人おれ

姉がいる別人おれ

この三人に話しかけたらしい。


その後も、勤勉な奴に臆病な奴にも出会った。

どうやら他の俺は俺以外の俺が見えないらしい。


さらに、一人に話しかけるなら、頭で考えるだけで話せる上、話したくない事と分けれるみたいだ。


「君は希望的特異点だ。」


……何のこちゃい?

それが科学者の俺が出した結論だった。


「あらゆる世界の希望が詰まっているだ。」


平凡でブラジルに住んでる事が?


「そうだよ。そして、その特異点からさらに現れた平行世界の自分が、限定的だが見えているみたいだね。」


マジですか。


「まあ、特に害はないと思うけど、下手したら一生そのままかもね?」


え~ぇ?


「まあそのうち慣れるよ?」


そんな事を言われたので、有効活用してみようと思う。


取りあえず、自分の名前の太郎の太の部分にほかの文字入れて読んでみることにした。


「予郎、今日は何持ってけばいい?」


「帰りに雨が降るから傘が必要だ。」


予言できるって便利だな。

しかも、好都合な事に世界の状態はほとんど一緒だ。


「語郎、O que e mito grega?(ギリシャ神話って何?)」


「Um mito da grega.(ギリシャの神話だ。)」


「お前は天才だ!だが、答えはそれじゃねえからな。」


ポルトガル語を覚えてるお前を尊敬するよ!

あ、ナルシストじゃないからね!


「姉郎、姉さんがいるってどんな感じ?」


「簡単に言えば、楽しいな。つーか、俺だけ語呂が悪い。」


姉さんか…

何時か話してみたいな…


「臆郎?」


「な、何かな!?」


いや、自分にビビられるとか嫌なんですけど…


「勉郎、ブラジルの独立記念日って何時だけ?」


「………9月7日だ。もっと勉強しろ。」


「すまん。」


テストが楽になったが、休みの日に1時間程勉強の時間と煩い奴が増えた。


「「デュエル!」」


カードゲームを一人で遊べるようになった。(カード見えないけど)

しかし、ミラーマッチをすると必ず同じなんだよな…やる事が。





「俺の存在は他の希望なんだよな?」


「そうだよ。」


「お前の希望はなんだよ?」


「……つい此間までは、




             平行世界の自分を見る事だったよ。」



もし評価が良ければ、続編を出すかもしれません。

これからまた、スラッシュをよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 久々の更新だ~ これは、いわゆる自分の願望ですか…? いいと思いますけど
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