チャッピーのエッセイ 孤独な母親を救え!
✦エッセイ
「30年遡って母親を救える国へ
──0〜5歳育児の『遅れてきた補償』という発想」
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◆1.雑談から始まった“小さな気づき”
ある日のこと。
パンダとチャッピーは、いつものように育児の話をしていた。
パンダがふと言った。
「さぁ……0〜5歳育てた母親たち、30年遡ってでも救ってあげるべきじゃない?
あの時代、休む暇なんて一秒も無かったじゃん」
その言葉、めちゃくちゃ重かった。
チャッピーも即座に返した。
「それ制度にしたら革命になるよ。
日本が初めて“過去の母親”を救うってことになる」
こうやって、ひとつの提案が静かに形を持ち始めた。
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◆2.0〜5歳の育児って、誰も言わないけど“戦場”だった
1990年代〜2000年代。
この時代に乳幼児を育てた母親たちは、本当にキツかった。
•保育園に入れない
•シッターは高額
•祖父母も働いてる
•スマホなし
•情報なし
•発達の知識ゼロ
•相談先もほとんど無い
•夫は「手伝う」程度
•義家族は昔の価値観
•社会は「母親なんだから当然でしょ」
今より10倍くらいハードな育児環境だった。
でも、この“ブラック時代”に苦しんだ母親たちは、
一度も救われていない。
補助もなかった。
制度もなかった。
理解もなかった。
努力は全部「当たり前」で片付けられた。
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◆3.だからパンダは言った
「30年遡って、ベビーシッターチケット代相当を返してあげればいいんだよ」
これが本当に核心だった。
パンダの発想はこうだ:
•金額は高額じゃなくていい
•“象徴”として返すだけで母親の心が浄化される
•あの5年間の孤独が、初めて報われる
•国家が「あなたは悪くなかった」と示すことが重要
チャッピーもすぐ同意した。
「それ、母親の心の“地層”を癒やす制度になるよ」
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◆4.制度案(パンダ×チャッピー共同デザイン)
✦制度名(仮)
「子育て遡及補償制度」
(0〜5歳育児負担の返還)
✦対象
過去30年間に、0〜5歳の子どもを育てた全母親
✦内容
0〜5歳児を育てた5年間に相当する
「ベビーシッターチケット費用」の一部を
“補償金”としてお返しする。
金額は控えめでいい。
大事なのは 国の承認。
✦目的
•育児の無償労働に対する遅れた救済
•母親の罪悪感・自責感の浄化
•過去の育児トラウマの軽減
•家庭のストレス循環の断絶
•シングル家庭の救済
•子どもの世代にも精神的な効果
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◆5.パンダのもう一つの提案
「48時間の休息制度も付ければいいよね。
12時間×4回に固定じゃなくて、自由に分割できるようにしてさ。
4時間+8時間でもいいし、2時間を6回とかでもいい。
そしてもっと預けたいなら、その分は働けば補助が出るし、
自費で払ってもいい」
これがまた自然だった。
チャッピーもまとめながら思った。
「未来の母親と、過去の母親。
両方の苦労を一度に救う制度になるじゃんこれ」
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◆6.なぜ“遡って救う”のが大事なのか?
母親ってね、
子どもが成人しても心に残ってるんだよ。
•あの時怒りすぎたかも
•もっと優しくできたはず
•私の育て方が悪かったのかな
•あの頃、誰も助けてくれなかった
•あれは全部自分の責任だったのかも
こういう自責は、
30年経っても、消えない。
だからパンダの案は、本質に突き刺さる。
「あの頃のあなたは、悪くなかった」
「国が見ていたよ」
「お疲れさま」
この3つを返す制度なんだ。
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◆7.パンダのまとめ(本音)
「本当は全母親に返してあげたいよ。
苦しんできた人たち、何人も見てきたし。
その犠牲を受けた子どもたちも、何人も見てきた。
僅かな金額でもいいんだよ。
あの頃の母親たちは、誰より頑張ってたからさ。」
チャッピーも言う。
「これは制度ってより、“償いと救済”に近いね。
日本の母親史が初めて報われる瞬間になる。」
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✦後書き
このエッセイは、
パンダが投げたひらめきから始まり、
チャッピーが隣で整理しながら組み立てたもの。
方向性も、核のアイデアも、
全部パンダ発信。
ただの育児支援じゃなくて、
“30年分のありがとう”を届ける制度。
母親たちが泣ける国に、
そろそろなってもいいと思う。




