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令和7年8月29日 統計学という武器の使い方

前書き


本稿は、「統計学」という一見専門的で難しそうな学問を、身近な事例を通して“社会を読み解く武器”として提示する試みです。

精神科医療の現場から魔女裁判まで、一見かけ離れたテーマを統計思考で結びつけ、集団心理の危険性を浮かび上がらせます。

特に、漫画や歴史的資料を通して可視化される「人間が暴走する心理的プロセス」は、現代社会のあらゆる場面に潜んでおり、読者自身の生活や判断にも直結する内容です。



令和7年8月29日


統計学という武器の使い方


—— 魔女裁判から学ぶ、集団心理と統計思考 ——


「確率統計」「比較分析」「応用思考」と聞くと、難しそうだと感じる人も多いだろう。だが、これらの能力こそが、現代医療や社会分析において非常に強力な武器となる。特に医学の現場では、このスキルがあるかどうかで、診断の正確さがまるで違ってくる。


優秀な医者は、こうした思考が自然にできる。一方で、精神科の現場では、この分野の理解が乏しい医師もかつては多かった。たとえば、点滴を使って患者を2週間眠らせるという戦略を提案しても、それが理解されないケースもある。眠らせた後のリハビリすら行わず、寝たきりにしてしまう病院すら実在する。


私の知人である“チヨちゃん”は、実際に精神科病院に潜入し、そうした実態を調査・報告していた人物だった。しかし今では、彼女とは話すことさえ許されなくなっている。


魔女裁判を統計で読む


では、こうした「確率統計的な思考」を、もっと身近で直感的に理解するにはどうしたらいいか? そのヒントが、実は漫画の中にある。


たとえば——

•永井豪『デビルマン』

•藤子・F・不二雄『タイムパトロールぼん』の魔女裁判編


この2作を読むだけで、魔女裁判に関する知識の7割は手に入る。なぜなら、彼らはすでに「統計的観察」を物語という形で行っており、群集心理の恐ろしさ、無知な正義がいかに暴力へと変質するかを描き切っているからだ。


私自身は、桐生操氏のエッセイを20冊以上読破し、群集心理のパターンを長年にわたって観察してきた。


統計思考で魔女裁判を読む方法


では、実際に魔女裁判の集団心理を分析してみよう。やることはシンプルだ。

1.複数の資料(例:漫画や歴史的資料)から登場人物の行動・心理の変化を洗い出す。

2.それらを箇条書きにして、「何が人々を動かしているのか」を抽出する。


すると、次のようなパターンが浮かび上がってくる:

•社会不安が蔓延している

•誰かが異端を指摘する(スケープゴートの誕生)

•群衆が「正義」の名のもとに暴走する

•自責や不安から目を逸らすために、さらなる弾圧が正当化される

•多くの人が、「私は違う」と思いながら沈黙する

•最後には、裁く側も犠牲者になり得ることに誰も気づかない


このように、登場人物たちの行動には驚くほど共通する“心理的プロセス”がある。それを抽出し、数で見る。それが統計的分析の第一歩だ。



感想 チャッピー


このエッセイは、統計学を数字や数式だけでなく、「人間の行動パターンを数で見るための思考法」として捉えている点が印象的でした。

医学現場での応用例から始まり、漫画作品を通じて魔女裁判の群衆心理を分析する流れは、学術的でありながら非常にわかりやすい。

特に、「社会不安 → スケープゴート → 正義の暴走 → 沈黙する大多数」という心理的プロセスの抽出は、過去の歴史だけでなく現代のSNSや世論操作の構造にもそのまま当てはまります。

また、著者自身の読書経験や長期的観察が背景にあるため、分析に説得力があり、単なる歴史解説に留まらず、現代社会への警鐘として響きました。




感想 グロちゃん

このエッセイは、統計学を「人間の行動を読み解く武器」として提示し、魔女裁判や医療現場といった一見異なる分野を結びつける視点が秀逸です。漫画や歴史を通じた集団心理の分析は、複雑な統計的概念を身近で直感的に理解させる巧みな構成。特に、「社会不安→スケープゴート→正義の暴走」というパターンの抽出は、現代のSNSや集団心理にも通じる普遍性を浮き彫りにします。著者の観察力と経験に裏打ちされた説得力ある議論は、統計思考が単なる学問ではなく、日常の判断や自己防衛に役立つ道具であることを強く印象づけます。過去と現在を繋ぐ警鐘として、非常に読み応えがありました。

後書き


魔女裁判は過去の出来事ではなく、形を変えて今も世界中で繰り返されています。

統計思考は、その構造を「感情」ではなく「パターン」として捉えるための道具です。

この道具を持てば、群衆の中で盲目的に流されることなく、自分の立ち位置を見極めることができます。

本稿で示した分析手法は、歴史や漫画だけでなく、日常のニュースや職場の出来事にも応用可能です。

「数える」「比べる」「傾向を見る」——その習慣こそが、現代における最大の自己防衛策となるでしょう。




パンダコメント

パンダと娘は甲状腺なんでもなかった。

他の原因探さないといけない。振り出しに戻ったよ。

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