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1話 始まり
ー2012ー
「ドカンッ!」
車は大きな音を立てて家に突っ込んだ。家にいたのは父、母、5歳の少年だった。父と母は死亡し、少年は左腕を失ったが、幸い生きていた
ー2022ー
僕、西条陸は今年から晴れて高校生になる15歳だ。小さな頃に事故に巻き込まれて、両親を亡くしてしまったが、今は里親登録をしている方の家に住まわせて貰っている。元の姓は松本だが今は西条で落ち着いてる。
亡くした左腕は義手となっている。
「陸君、準備できた?」
1階から聞こえて来るこの声は僕のお母さんの西条幸絵さんだ。とても優しい方だ。僕はすぐに1階に行った。
「準備できてるよ。」
「陸、ネクタイが曲がってるぞ」
これはお父さんの西条淳さん。家族思いでとても良い人だ。ちなみにお父さんとお母さんは映画関係の仕事をしているらしい。
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「じゃあ行ってきます。」
「おう、後で行くからな、気をつけろよ」
「はい!」