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浮気癖のある婚約者について相談していたら、相談していた相手が一番危険だった

作者: えっちゃん

講談社、異世界ヒロインファンタジーからコミカライズされます。

よろしくお願いします。


 上質な魔石が採掘される山々と、山々から流れ出た魔力を帯びた水を湛えた広大な湖を有するフォレス王国。

 豊かな資源によって小国ながら、隣国はもとより中央大陸をほぼ掌握している帝国からも優遇され、国民の多くは他国と比べても高水準の生活を送っていた。


 資源以外にも、四季折々の自然の変化を楽しめるフォレス王国は観光地としての人気も高い。

 王都に在る王立学校には、貴族の子息子女や上流家庭の平民の子どもが通い、他国からの留学生も多く在籍していた。


 放課後、中庭から聞き覚えのある声が聞こえた気がして、当番日誌を書いていた長い紺紫色の髪の女子生徒は、ペンを持つ手を止めて顔を上げた。

 気のせいではなく、男女の楽しそうな笑い声は外から聞こえて来る。

 窓を閉めなければと、女子生徒は椅子から立ち上がり教室の窓へと近付き、中庭を見下ろした。


(うわぁ、あの二人は……)


 中庭の日当たりの良いベンチには、金髪の男子生徒と明るい栗色の髪を耳の下でツインテールにした女子生徒の姿が見えた。

 腕を絡ませて密着した二人は楽しそうに談笑し、女子生徒の甲高い声が辺りに響く。 

 中庭の目につく場所に居るものだから、眉を顰めながら二人の近くを通って校舎へ向かう生徒達の姿もあった。


「我が婚約者殿、レックス様は今日も恋人と仲良しみたいね」


 周囲を気にしない二人の様子に、窓から見下ろしていた女子生徒の口から、呆れの声が漏れる。

 以前だったら、婚約者が自分以外の女子と仲睦まじくしている事実に動揺していたのだが、今は嫉妬も失望も全く無い。

 授業も終わった放課後に恋人と仲良くしても咎められることはないとはいえ、もう少し目立たない場所で仲良くしてほしいと呆れてしまうくらいだった。


 開いていた窓を閉めて鍵をかけて、女子生徒はくるりと背を向けて机上に置いた当番日誌と、机横のフックにかかっている通学バッグを手にした。



「―ということがありまして。お二人が中庭から居なくなってくれるのを待っていたら、寮に帰るのが遅くなってしまいました」


 制服からワンピース型の寝間着に着替え、木製のベッドに仰向けに寝転んだ少女は立てていた足を伸ばし、ヘラリと笑った。

 両手で持つのは、片手の平に収まる円形の魔石。

 瑠璃紺色の魔石を光に透かすと、内部には金色の縦長の模様が見えた。


『堂々と見せ付けて来るなら、クラリッサも堂々とそいつらの前を横切って帰ればよかっただろう』


 魔石から発せられる男性の声に、少女、クラリッサは唇を尖らせる。


「お二人に近付くと、何故か恋人さんが怯えてしまい婚約者殿から「睨むな」と怒鳴られますから。近付きたくないんです。教室に残っていると分かっている私に、仲睦まじい姿を見せ付けて満足しているようですし、そんな方達とは関わりたくありません」

『お前は言われたままで、婚約者が他の女に入れ込んでいても腹も立たないのか?』

「元々、御祖母様が決めた婚約、仲が良かった従姉妹との約束とやらで決まった婚約ですし、お互い納得出来ないのは当然よね。婚約が決まった後に会った時「汚い髪色で気持ちが悪い」と言われたくらい、私のことは気に入らないみたいです。婚約者殿が他に恋人を作るのは今回が初めてではないですしね」


 物語のお姫様みたいに、明るい髪色と明るい色のつぶらな瞳の女子とばかりお付き合いしている婚約者は、クラリッサの見え方によっては黒色に見える紫紺色の髪と、琥珀色の瞳の色が気に入らないと何度も言われている。

 少し吊り上がった目つきと、髪色のせいできつめな性格だと思われやすいクラリッサとは真逆のタイプ、淡い髪色の守ってあげたくなるような女子を好む婚約者と今さら分かり合おうとは思わない。


 フンッと鼻を鳴らしたクラリッサの耳に男性の笑い声が届く。


『そんな婚約者など見限って、再起不能になるくらい叩き潰してしまえばいいだろう』

「もうっ、叩き潰すのは無理です。毎回言っていますけど婚約者殿の家は侯爵家で、我が家よりも格上ですしね。婚約解消をしたくても、婚約者殿から申し出てくれないと色々面倒なことになるんです。両親に迷惑がかかるとか、私の嫁ぎ先がなかなか見つからなくなるとか」


 古い考えを持つ者が多いフォレス王国では、貴族子女のほとんどは学園卒業後一年以内で婚約者に嫁いでいく。

 たとえ相手に非があり、婚約を解消したとしても女子にも何か問題があったのだと言われてしまう。

 自分の嫁ぎ先は親子ほど年の離れた男性の後妻となるのかと、クラリッサは思わず片手で顔を覆った。


「あー面倒だな。でも……婚約者殿のおかげでラドさんとお話出来るようになったから、それは良かったと思っていますよ」

『……そろそろ寝ろ。明日も早いのだろう』


 先行き不安な気持ちが伝わってしまったのか、魔石から聞こえてくる男性、ラドの声が若干優しくなった。

 顔を動かして、枕元の置時計を見て時刻を確認する。


「ああ、もう時間ですか? 今日もありがとうございます。おやすみなさい」

『おやすみ』


 挨拶をし終えると、魔石から放たれていた淡い白色の光が消えて、ラドの気配が完全に無くなる。

 上半身を起こしたクラリッサは、サイドテーブルの上に置いてあった金細工で装飾された箱へ魔石を仕舞い、蓋を閉じた。


(次から次へと恋人を作る婚約者殿には腹が立つけど、ラドさんと繋がれたのは彼のおかげなのよね)


 部屋の灯りを消し、ベッドサイドのランプを魔力で灯したクラリッサは、再びベッドに寝転んで目蓋を閉じた。



 ***



 後に通信用の魔石だと判明する魔石を手に入れたのは二月前。


 ホークケン伯爵家子女、クラリッサ・ホークケンは、ナリエッティ侯爵子息、婚約者であるレックスが新しい恋人と付き合い始めたことを知り、今回はどんな嫌がらせをされるのかと頭を悩ませていた。


 お互い恋慕は全く無い婚約者が恋人を作るのはもう慣れたとはいえ、仲睦まじい姿を見せ付けて恋人とクラリッサを比較して、貶してくるのは何度されても慣れない。

 わざとしていると分かっていても腹が立つ。

 歴代彼女とのお付き合い期間を考えれば、今回も半年後には別れるだろう。

 顔を合わせる度にナリエッティ侯爵夫妻から頭を下げられて、胸が痛くなるのはもう懲り懲りだった。


 鬱々とした気持ちを紛らわそうと、週末になり学園寮から出たクラリッサは買い物をするため、王都の中心部へ向かった。

 商店が建ち並ぶ大通りから外れた路地の奥、異国情緒のある店構えに惹かれて初めて入った店は、異国から取り寄せた珍しい品が並んでいてクラリッサは瞳を輝かせる。


 ガチャンッ!


 棚に並ぶ装飾品を見ていたクラリッサは、目の前の棚に気が付かず棚に置かれていた箱を床に落としてしまった。

 慌てて拾い上げたのは、金細工の豪華な装飾が施されている豪華な箱。

 床に落ちた衝撃で箱の角が若干欠けてしまい、クラリッサは蒼褪めた。


「す、すみません。これは買い取ります」


 眉を吊り上げていた店主の初老の男性は、クラリッサの言葉を聞いて一変して笑顔になる。


 値札の付いていない箱は、思った通り高値な品で実家からの仕送りをほぼ使い切ってしまい、外出の目的だった本を買えなかった。

 心身共に疲れて寮の自室へ戻った後、箱の蓋を開いて中身を確認して……強力な魔力を秘めた魔石を発見した時は、驚きのあまり叫びそうになった。


 一見すると、水の力を秘めた円形の瑠璃紺色の魔石。

 しかし、光に透かすと内部に金色の縦長の線と細かい模様が入っているのと、魔石からはとても強い魔力を感じたのだ。


(厄介なものだと怖いから、学園に持って行って先生に鑑定してもらおうかと魔石を箱に戻して、寝る準備をしていた時に箱から声が聞こえて来たのよね)


 防音処理がされている寮の部屋でも、隣室の微かな生活音は聞こえてくる。

 隣室からの生活音かと思い、濡れた髪を乾かしていたクラリッサはテーブルの上に置いていた箱が立てた「ガタンッ」という音に驚き、肩を揺らした。


『……おい、誰かいないか?』

「ひっ」


 今度は若い男の声がはっきりと聞こえ、咄嗟にテーブルの上にある箱をベッドの上に放り投げた。

 恐ろしくて、咄嗟に張った結界で閉じ込めようとするが、結界は箱に触れた途端無効化されてしまい出来なかった。


 箱から聞こえる声は大きくなっていき、このままでは隣室の女子に聞こえてしまうかもしれないと、仕方なしに声に応えたのだった。


 ここから始まった、魔石を通した異国の男性との交流。


 自分のことを“ラド”という正体不明の男性でも、恐る恐る応えてから二月も経てば警戒心など薄まっていく。


 その日の学食が美味しかったこと、授業中の出来事、婚約者にされた腹の立つ出来事のこと……

 他愛も無い会話を交わすのは、眠る前の三十分ほどの時間。


 耳に心地いいラドの低音の声が、婚約者と彼の恋人に対する苛立った心を落ち着かせてくれ、会話の後はぐっすり眠れるようになった。



 ***



「クラリッサ!」


 中庭を通って特別教室棟へ向かっている途中、大声で名前を呼ばれたクラリッサは前方から眉を吊り上げた婚約者レックスと、彼の現在の恋人が向かって来るのを確認して眉を顰めた。


「クラリッサ! 昨日エブリンの机の中から教科書を持ち出して、破った上に教室のごみ箱へ捨てただろう!」

「私が? 彼女の教科書を破った?」


 身に覚えの無いことを決めつけられ、目を丸くしたクラリッサは首を傾げた。


「お前は昨日当番だった! 他の生徒よりも遅い時間に校舎内にいても言い訳出来る! もちろん、誰もいない教室に入り込むこともな!」

「はぁ、そうですか。ですがレックス様。私にはエブリンさんに嫌がらせをする理由などありませんよ」

「理由だと? あるだろうが。俺がエブリンと親しくしているのに嫉妬し、嫌がらせを行ったに違いない!」

「嫉妬、ですか?」


 鼻息を荒く言われて、クラリッサの口から乾いた笑いが出る。


「嫉妬なんてしていません。少し前は私と婚約しているのに、堂々と何人もの女子とお付き合いするレックス様の考えが理解出来ず、仲良くしているのを見る度に腹が立っていましたけど、今は何も感じません。むしろ、何度も恋人を替えて、学園内で堂々と仲良くされているのは凄いなと、エブリンさんとはお互い夢中になって授業に遅れて来るくらい愛を深めているのは凄いと、感心しているくらいです」


 ブフッと、遠巻きでやり取りを気にしていた生徒が噴き出し、数人の生徒から失笑が漏れる。

 婚約者がいるのに、他の女子と人目を気にせず仲良くしているレックスは、ある意味有名だった。


「な、何だと!?」


 周囲からの視線に気付いたらしいレックスの顔が真っ赤に染まり、俯いたエブリンは彼の隣から後ろへと一歩下がった。


「婚約を解消するおつもりでしたら、いつでもかまいません。ですが、濡れ衣を着せるのだけは止めていただけますか?」

「濡れ衣だと!? このっ」


 バシャーンッ!


「きゃああっ!」

「うわっ何だ!?」

「窓が開いているからあの教室から倒れたんだ」


 声を掻き消す勢いで、校舎の上階からレックスとエブリン目掛けて濁った水が降り注ぎ、周囲にいた生徒達は驚きの声を上げた。


 ガンッ!


 ずぶ濡れになって唖然とするレックスの頭に、遅れて落ちて来たバケツがすっぽりとはまりよろめいた彼の姿を見て、クラリッサは堪えきれずに笑ってしまった。


「うわぁ」

「バケツが降ってくるとか、あははは!」


 周囲にいた生徒達からも笑いが起こり、数人の教師達が職員室から出て来るくらいの騒ぎになった。


 教室の窓から落下したバケツに入っていた、汚れた水をかぶって全身ずぶ濡れになったレックスとエブリンは教師達に連れて行かれた。

 二人の姿は放課後まで見かけることなく、図書館へ向かう途中でエブリンと階段ですれ違っただけで、平和な一日を過ごせたクラリッサは上機嫌で寮へと戻ったのだ。



「ラドさん、聞いてください。婚約者殿を潰してきました! あっ、突然すみません」


 魔石を通した会話の第一声は、こんばんはではなくレックスを潰したという言葉で、クラリッサは口に手を当てる。


『潰したのは空っぽの頭か? それとも腕か?』

「え、物理的にではなく、心を潰してやりました。私に言い返された上に、窓の側に置いてあったバケツが婚約者殿の上に落ちて来て、ずぶ濡れになったんです。大勢の前で恥をかいて恥ずかしそうにしていたから、ざまぁみろな気持ちになりました。このまま婚約を解消してくれればなぁ」


 頭にバケツをかぶった姿は、今思い出しても笑いが込み上げてくる。

 心配よりも先にざまあみろという感情が出てくるとは、相当レックスに対しての鬱憤が堪っていたらしい。


『フンッ、その程度だったか。つまらんな』

「その程度って、もう!」


 大勢の生徒達の前で無様な姿を晒したレックスからしたら、泣きたくなるくらいの大惨事だったと思うのだが、ラドはつまらなそうに鼻を鳴らした。


『阿呆な男との婚約など、早々に破棄してしまえばいいだろう』

「だから」

『出来ないのなら、俺が代わりに潰してやろうか?』


 ラドの声が一段と低くなり、魔石がびりびりと振動した。


「え、怖いことを言わないでください。婚約者殿は残念な方でも、ご両親はとても素敵な方々なんです」


 ナリエッティ侯爵夫妻は、幼い頃からクラリッサのことを可愛がってくれた。穏やかな夫妻から、横暴なレックスが生まれたのが不思議でならない。


『では、近いうちに俺が婚約をどうにかしてやる』

「ふふっ、解消出来たら嬉しいですね。楽しみにしています」


 落ち着いた声とラドという名前か愛称か分からない呼び名以外、どこの誰とも知らない相手。

 社交辞令でも、自分のことを気にしてくれるのは嬉しくて、クラリッサは通信が切れた魔石を胸に抱いた。



 ***



 ずぶ濡れバケツかぶり事故の翌日、潰されたと思っていたレックスとエブリンの二人は何事もなかったかのように登校しており、少しだけクラリッサは落胆した。


(まぁ、学園でも堂々と仲良くしているくらいだし、あれくらいで潰れはしないか)


 階段横のベンチに座っているレックスと一瞬目が合うが、気が付かなかったふりをしてクラリッサは教室へ向かった。


「えー皆さん、今日の午後の授業は中止となりました。これから大事な集会を行うため、講堂へ向かいます」


 昼食休憩後、午後の授業準備をしていた生徒達へ担任教師から午後の授業を中止が告げられた。

 担任教師も直前に通知されたのか、困惑を隠せない様子でクラス全員を整列させてから講堂へと向かう。


 渡り廊下を通る途中、誰かの強い視線を感じたクラリッサは視線を感じた方に顔を向けて、学園長室の窓からこちらを見ている漆黒色のマントを羽織り漆黒色のフードを目深に被った人物を見付けた。


(学園長のお客様? それにしても、フードをかぶったままなんて、変わった方だな)


 瞬きをする間にフードをかぶった人物の姿は消え、見間違いだったのかと首を傾げた。


 講堂に着くと、学園長から呼び出しを受けていると言って、慌てて担任教師は職員室へ戻って行った。

 集められたのは全校生徒ではなく、クラリッサの所属する二年生のみ。

 二年生の誰かが学則に背く行為を行ったのか。どんな指導を受けるのかと、生徒達は緊張の面持ちで整列していた。


「クラリッサ・ホークケン!」


 何のための集会なのかと、憶測しあう生徒達の会話は突然響き渡った大声によって強制的に止められ、大ホール内は一気に静まり返った。


 大声で叫んだ男子生徒、レックスは驚く生徒達を睨み付けながらクラリッサ目指して歩く。

 最近の言動から、すっかり「危険人物」のレッテルを貼られたレックスの進行方向に居る生徒達は、一斉に彼から距離を置きクラリッサまでの通路が完成していった。


「よくも昨日、エブリンを階段から突き落としてくれたな!」


 多くの生徒がレックスから離れていく中、エブリンだけは彼に近付きぴったりと寄り添って歩き、クラリッサの前まで来ると足を止めた。


「もうこれ以上の貴様の蛮行は許すことは出来ない! 貴様との婚約は破棄させてもらう!」

「……は?」


 学年全員が集まり教師の指示待ちをしている中、場違い過ぎるレックスの発言を理解出来ずにクラリッサの思考は一瞬止まる。

 言われた内容を理解するのには数秒を要し、クラリッサの口からは呆けた声しか出てこなかった。


(え? 何を言っているの? 婚約破棄? 何でこの場で叫ぶの? 空気を読めないの? エブリンさんは何故止めないの? 馬鹿なの? 阿呆なの?)


 同学年の生徒が集まる場所での婚約破棄宣言とは、短慮だと分かっていてもこの後のことを何も考えていないレックスと、彼に寄り添うエブリンの二人の思考回路が全く理解出来なかった。というか、理解出来る者はきっといない。


 教師達が戻ってくるまでに、どうやって頭の中が湧いているレックスを黙らせたらいいのか。

 この場での収拾は諦めて、講堂外へ二人を連れ出した方がいいのか。

 頭が痛くなってきたクラリッサは、片手を額に当てて数秒間だけ考えた。


「レックス様、婚約破棄は分かりましたから、場所と場合を考えて発言してください。皆様すみません。少しだけお二人と話をさせてください。話をして駄目だったら出て行ってもらいましょう」


 痛々しいモノを見る目で静観している生徒達へ向けて、クラリッサは深々と頭を下げる。

 痛む頭で考えて、この場所から連れ出すよりレックスと会話をして、生徒達に「この二人はまともじゃない」と判断してもらい、皆で協力して講堂から追い出す方が早いという結論に達したのだ。


「それで、エブリンさんが階段から突き落とされたと? それは大変でしたね。で、階段から突き落とされたのは昨日のいつの話ですか?」

「何だと!? 貴様が一番知っているだろう!」

「はぁ、そうですか」


 会話の基本を忘れてしまったレックスとは、まともな会話は望めないと判断してクラリッサはエブリンへ視線を移した。


「では、エブリンさん、貴女が階段から突き落とされたというのは、いつでしょうか?」


 話を振られたエブリンは、ビクリと肩を揺らした。


「……昨日の放課後、教室から出て来たクラリッサさんは階段を上っていた私に「邪魔だ」と言って、擦れ違う時に肩を押したでしょう」

「ああ、確かに昨日の放課後、階段で擦れ違いましたね。ですが、その時の私は壁際に寄っていましたし、友人達が私の前後横にいましたよ?」

「ええ」

「私達も一緒に居ましたけど、クラリッサさんはエブリンさんに触れてもいません」


 昨日、一緒に居た友人二人が生徒達の間から出て来て、クラリッサの隣に立つ。


「でもっ! 確かに私はクラリッサさんに肩を押されました!」


 怯えた表情から一変して、眉を吊り上げて苛立ちを露わにしたエブリンは声を荒げた。


「では、先生方に頼んで記録を見せてもらいましょうか」

「き、記録?」


 過去に起こった生徒間の揉め事により風紀が乱れた経験から、学園の敷地内には映像記録用魔導具が設置されていた。

 ハッとしたエブリンは、唇を閉じて目に見えて狼狽え出す。


「エブリンを押したのはその後だろう!」


 クラリッサを睨んでいたレックスは、エブリンの変化に気付かず怒鳴る。


「階段を下りた後は、図書館で図書委員の仕事をしていました。一緒に作業をしていた方もいます。委員会の仕事を終えた後は寮へ戻りましたし、エブリンさんを階段から突き落とすのは無理です」

「だが、貴様以外犯人は考えられない! 友人と共謀すれば突き落とすことは可能だろう!」

「あのですね。突き落としていないと言っているでしょう? 大騒ぎをして恥ずかしくないのですか? ここまで騒いだらご両親の耳に入ってしまい、レックス様の評価が下がりますよ。ああ、お伝えするのを忘れていました。濡れ衣を着せられたことや、成績不振の理由を私のせいにされたことと一緒に昨夜、ナリエッティ侯爵様にお知らせさせていただきました」

「父上に知らせた、だと……」


 強気だったレックスの声が震え出す。


「ええ。婚約解消に向けた話し合いを、先に事情を伝えていた父と侯爵様のお二人でしてくださるという返答を頂きました。婚約を解消出来たら、エブリンさんを新たな婚約者に出来ますね。おめでとうございます」


 にっこりとクラリッサは微笑んだ。


 シャノウ男爵の私生児であるエブリンは、父親に引き取られるまでは平民として暮らしてきたと、噂好きの友人から聞いた。

 平民だった時の言動が抜け切らない上に、良くない相手と繋がっている噂もあり彼女と付き合うようになってから、レックスの生活が乱れているのは有名な話。

 さらに、やってもいない嫌がらせをしたと決めつけられ怒鳴られ、これ以上彼等の恋愛ごっこに付き合っていられないと、両親とナリエッティ侯爵へ婚約解消したいと伝えたのだ。


 顔色を赤黒くしたレックスは両手をブルブルと震わせ、血走った目でクラリッサを睨む。


「ち、父上に知らせるなど! 余計なことをするなぁ!」


 腕を振り上げたレックスが飛びかかり、悲鳴を上げた友人達を押し退けたクラリッサは身構えて、固まった。


「ぐっ!?」


 音も気配も感じさせず、大ホールの入り口から近付いた黒い影がレックスの振り上げた腕を掴み、捻り上げる。


「な、なんだ? 放せ!」


 腕を捻り上げられて驚き焦るレックスは背後に立つ、漆黒のマントを羽織りフードを目深にかぶった背の高い男性に怒鳴り、藻掻くが掴まれた腕は自由にはならない。

 それどころか、腕を捻り上げる力は強くなっていく。


 レックスの側に居たエブリンも、フォレス王国とは違う隊服を着た騎士達に拘束されていた。


「俺に、手を放せだと?」

「あっ」


 フードをかぶった男性の声が耳へと届き、クラリッサは大きく目を見開く。


「面白いことを言う小僧だな」


 クツリと喉を鳴らした男性は、形の良い唇の端を上げた。


 ゴキンッ


「うああああ!!」


 骨が折れる音が聞こえ、次いでレックスの絶叫が響きわたった。


「きゃああー!? レックス様ぁ!」


 騎士に拘束されていたエブリンも、床に倒れ痛みでのたうち回るレックスを見て悲鳴を上げる。


「処理しろ」

「はっ」


 短く騎士達へ命じ、フードをかぶった男性はレックスを掴んでいた手をもう片方の手で払う。

 異様な緊張感が漂うホール内は、突然現れた男性と騎士達以外は誰一人、言葉を発せられずに静まり返っていた。


「ああ、これはっ」


 足元をふらつかせてホールへやって来た学園長は、騎士達に連れて行かれようとしているレックスとエブリンを目の当たりにして、疲れ切った顔色がさらに悪くなっていく。


「へ、陛下、そこまでされなくても……彼らはまだ学生です」

「俺に向かって偉そうな口を利いたことと、クラリッサを殴ろうとしたこと。それだけで痛めつける理由は十分ある。腕の一本で許してやっただけ有難く思え」


 フードをかぶった男性は顔を動かしクラリッサへ視線を向けた。

 聞き覚えのある声で名を呼ばれて、やっとクラリッサは確信が持てた。


「……ラドさん?」

「ああ」


 頷いた男性は、かぶっていたフードを外す。


 フードの下から現れたのは、光を反射して輝く銀髪と蒼色の瞳を持ったとても綺麗な男性だった。

 男性と視線が合った瞬間、周囲の音が全て消えた気がして、クラリッサは息苦しさを訴え出した胸元を押さえる。

 神々しいまでの美貌で唯一異質な、右眼を覆い隠す黒色の眼帯によって彼が実在する存在なのだと示していた。


「どうして? どうして此処にラドさんが居るの? それに陛下って?」

「近いうちに行くと、言っておいただろう」


 呆然となったままのクラリッサの頭の先から足元まで一瞥し、“ラド”は愉しそうに目を細めて笑った。



 外交のためにフォレス王国へやって来たトルメニア帝国の皇帝陛下が急遽、王国学園を視察することになり二年生達を集めたのだという学園長による説明を受け、生徒達は教室へ戻って行った。


 学園長の顔色が悪かったのは、暴走したレックス達が原因だとしても教師達の様子が不自然過ぎて、生徒達の中には首を傾げる者もいたが質問を投げかけられる空気ではなかった。


「クラリッサは俺と一緒だ」

「ええ? どうしてですか? きゃああっ⁉」

「来れば分かる」


 クラスメイトと一緒に戻ろうとしたクラリッサは、何故かラドに抱き抱えられて王宮へと連れて行かれた。


 上機嫌な皇帝陛下の腕に抱かれて、混乱と羞恥のあまり泣いているクラリッサへ騎士達は哀れみの目を向けるが、皇帝から殺気を向けられて視線を逸らした。



 ***



 実家のホークケン伯爵家と比較出来ないほど豪華な王宮。

 王宮の中でも、豪華な賓客用の部屋までラドに横抱きにされて運ばれたクラリッサはソファーに下ろされて、ようやく向いのソファーに座った男性が何者なのかはっきりと理解した。


「トルメニア帝国の皇帝陛下……」


 フォレス王国とは海を隔てた中央大陸と呼ばれている大きな大陸に存在する、ほぼ全ての国を掌握しているトルメニア帝国。

 現皇帝ラドルハルト・レイ・トルメニアのことを人々は、残虐非道で恐ろしい皇帝だと評していた。

 先帝が逝去した後、皇子皇女達による骨肉の帝位争いを勝ち抜いたラドルハルトは、自分に従わない者達を全て葬り去ったという。


 新聞記事と情報雑誌でしか知らないトルメニア皇帝の姿を想像して、クラリッサもいつか戦禍がやって来るのではないかと震え上がったものだ。


(知らなかったとはいえ、私はとんでもない相手と繋がっていたのね)


 冷酷非道の皇帝とは思えない、綺麗な顔立ちをしたラドルハルトを直視するのは不敬な気がして、クラリッサは俯いて膝に上に乗せた自分の手を見る。

 皇帝陛下相手に毎日婚約者の愚痴を話していたとは、とんでもなく不敬なことをしていたのだと、途方に暮れてしまい両手で頭を覆った。


 トントントントン


「失礼します。陛下」


 一礼して入室した騎士はラドルハルトの傍らで跪き、懐から取り出した丸められた報告書を手渡して部屋から出て行った。

 騎士から受け取った報告書に目を通し、ラドルハルトはフッと鼻で嗤う。


「クラリッサ。婚約者、いや、元婚約者の恋人がお前から嫌がらせを受けたということにして、他の女へ目移りしかけていた元婚約者を繋ぎ止めようとしたと、自供したようだぞ」

「繋ぎ止めようとしただなんて、レックス様にそこまでする価値は無いと思うのに。あるのは外見の良さと、ご実家の資産くらい?」


 王立学園入学前まで、平民として生活していたエブリンにとっては、可愛らしい女性を演じていれば気に入ってもらえるレックスは色々な面で魅力的だったかもしれないし、本当に彼のことが好きなのかもしれない。

 もうすぐで十七歳になるというのに、恋愛感情がよく分からないクラリッサからしたら、エブリンの気持ちは推測するしかなかった。


「あの二人……講堂に集まった生徒達を激励しようとした俺の、トルメニア皇帝の邪魔をしてくれたのだ。それなりの罰を受けさせる」

「罰、ですか」


 躊躇なくレックスの腕を折ったラドルハルトと、淡々とエブリンを縛り上げていた騎士達を思い出し、クラリッサの背中が寒くなった。


「どうした? 罰を受けさせるのは不満なのか?」

「いいえ。ラドさ、陛下の邪魔をしたのですから罰を受けるのは当然の報いです。ただ、どうして私と陛下が繋がったのかなと、思っただけです」

「クラリッサが持っている、俺と繋がっていたアレが原因だ。アレは本来ならば俺にしか扱えないもので、帝位争いをしている時に油断して兄上に奪われ探していた。アレはこの国に流れ着き、偶然クラリッサの手に渡り俺と繋がった。フォレス王国へ来たのはアレを取り戻すためと、クラリッサを連れて帰るためだ」

「連れて、帰る?」


 不穏な言葉が聞こえた気がして、クラリッサは目を数回瞬かせる。


「魔石によって繋がった理由が分かりました。でも、それがどうして、えーっと、私が帝国へ行く話になるのですか?」


 探していた魔石を取りに来たのなら、ラドルハルトに魔石を返して関係は終わりなのに、クラリッサがトルメニア帝国へ連れて行かれる理由が分からない。

 平均的な魔力量と可もなく不可もない魔法特性、少しだけ回復魔法が得意なだけで、皇帝陛下の役に立つとも思えなかった。


「俺がクラリッサのことを気に入ったからだ。婚約を解消するのなら、俺が貰い受ければいいだろうと思い、此処まで来た」

「気に、入った? え?」


 偶然繋がって二か月間、他愛のない話と愚痴しかしていなかった。

 その何処に皇帝陛下が気に入る要素があるのか。


 急展開について行けず、目の前が真っ白になったクラリッサの頭はまたもや混乱していく。


「すでにホークケン伯爵と国王には話はつけてある。個人間の話ではなくトルメニア帝国とフォレス王国間の話となった。俺とクラリッサの婚姻は決定事項だ。諦めろ」


 命ずることに慣れた高圧的な口調だった。つい頷きかけて、クラリッサは顔を横に振った。


「諦めるも何も、急展開過ぎて頭がついていきません」

「帝国に着くまでに受け入れていればいい」


 立ち上がったラドルハルトは、クラリッサの隣へ腰掛けると彼女の肩へ腕を回した。


「ちょっと、陛下!?」


 移動のために横抱きにされていたのとは違う、互いの顔と顔の近さと肩へ回されたラドルハルトの腕の力強さと、圧倒的な存在感に目眩がしてきた。


「俺の声が好きだと言っていただろう? 一番近くで、好きなだけ聞かせてやる」


 肩を抱かれて耳元に近付けた唇から、吐息とともに流し込まれる低音の声。

 それだけで、クラリッサの心臓の鼓動は壊れるのではないかと心配になるくらい速くなり、体温も上がっていく。


「嫌か?」

「……嫌じゃない」


 魔石越しのラドルハルトとの会話は楽しくて、いつか彼と会って話をしてみたかった。

 会いに行くと言われて、少しだけ会えるのではと期待していたくらいなのだから。


 真っ赤に染まる顔を見られたくなくて、さらに俯いたクラリッサは首を横に振る。


「では、俺との婚姻を受け入れるな?」

「受け入れるっ受け入れるから。息、耳の中に吹きかけないでぇ~」


 色っぽさを増した低音の声を息と共に耳へ流し込まれてしまい、涙目になって目蓋を閉じたクラリッサは、全身を真っ赤に染めて何度も頷いた。



 残酷な皇帝ラドルハルトに“偶然”繋がり、不幸にも気に入られてしまったクラリッサ・ホークケン。


 この時、拒否せず頷いてしまったために残虐な皇帝から逃げられなくなったこと。

 今までは元婚約者に翻弄されていたのに、これから先は、想像以上に暗く重い感情を抱いているラドルハルトに翻弄されることになるということを、思考停止状態になっているクラリッサはまだ知らなかった。



 ***



 普段は眼帯に覆い隠している、空洞になった目蓋の内部が突然疼き出し、ラドルハルトは右手で眼帯を押さえた。

 脳裏に浮かんできたのは、己の失態で兄に奪われた右の眼球が見ているだろう靄がかった景色。


 景色は数秒で途切れ、疼きもすぐに治まった。


「陛下? どうされましたか?」


 執務机に肘を突き、黙り込んだラドルハルトへ側近は声をかける。

 左目蓋を閉じ、脳裏に広がった情報を整理したラドルハルトはゆっくりと顔を上げた。


「……奪われた右眼が見つかった」

「では! 今すぐにでも回収に向かいましょう!」

「阿呆。触れられる者は限られているだろう。俺か皇族の血を持つ者か、眼に選ばれた者だ」


 自分の一部であった右眼は自我こそ持たないものの、魔力によって腐らず他の物に擬態している。

 生意気にも、本体のラドルハルトより魔力が劣る者、気に入らない者に触れるのを拒んでいるらしい。

 その好き嫌いのおかげで、ラドルハルトから右眼を奪った兄は破壊することが出来ずに、封印術を施した箱に入れて放流したのだ。


「まさか、所持している者が陛下の眼に選ばれた者だとおっしゃるのですか?」


 右眼に宿った魔力を悪用されたら面倒だと、側近の言いたいことが伝わって来たラドルハルトは、指先に込めた魔力で空中に世界地図を描いた。


「さあな。だが反乱分子を全て片付けたら回収しに行く。それまでは、持ち主には遊んでもらう」


 魔力で描いた世界地図の中で、右眼が所在を伝えて来たフォレス王国だけが青い色に包まれた。

 フォレス王国の何処に右眼が有るかなど、繋がってしまえばすぐに調べられる。


 右眼の持ち主に声をかけたのは、単なる気紛れと空いた時間の暇潰しだった。

 

「そんな男など潰してしまえばいい」

『潰すのはちょっと……相手は格上の侯爵家ですし、一応婚約者への情もまだあって出来ないのです。見限ってしまったらご両親から勘当されそうで、少しだけ可哀そうかなって。時々、優しい時もありますし』


 婚約を解消するのも難しく、叩き潰すのも情があると甘いことを言う娘に対して苛立ちを覚えた。


「馬鹿な娘だ」


 右眼さえ回収さえしてしまえば、クラリッサと名乗った娘が己に似て気まぐれな右眼に選ばれていようが、関係を切ることは簡単だった。

 関係が切れずにいたのは……何故だと考えてすぐに答えまで辿り着く。


(俺自身が、クラリッサとの会話を楽しいと思ってしまったからか。くそっ! 何てことだ)


 媚びを売る女達とは違う素直な反応を返すクラリッサとの会話は気楽で、いつの間にかもっと話していたいとすら思っていたらしい。

 婚約者について愚痴を吐き出すのに、見捨てられないクラリッサへ苛立つのは彼女への興味を抱いてしまったからだ。


 ハッと息を吐き出したラドルハルトは自嘲の笑みを浮かべた。


「フォレス王国の貴族について調べろ」

「は? 失礼いたしました。すぐに調べます」


 側近が調べたフォレス王国の貴族一覧の中から、一人の少女の名前を見付けだした。

 一覧と右眼の見ている情報を基にして、フォレス王国へ使い魔を送りクラリッサの姿を記録し、送らせた。


「クラリッサ・ホークケン」


 婚約者のせいで自分のことを卑下していたが、クラリッサの容姿は可愛らしかった。


 姿を知ってしまうと、右眼が伝える声と不鮮明な映像だけでなく、実際のクラリッサに会ってみたい。

 婚約者へ憤慨して涙を流すのではなく、自分が彼女を泣かしてみたい。

 笑った顔を見てみたいという、歪んだ欲求が湧き起こる。


「楽しませて貰っている礼に、少しだけ手を貸してやろう」


 握った右手を開き、手のひらの上に魔法陣を出現させる。

 発動させたのは、対象者の心を弄る精神干渉魔法。

 トルメニア帝国とフォレス王国では距離があるため、効果は薄いだろうが歪は生じる。最初は小さな歪みでも、時間の経過とともに大きな歪みへと変わっていく。


 帝位以外のモノで、欲しいと思ったモノを手に入れるための計略を組み立てながら、ラドルハルトは残酷な笑みを浮かべた。



お読みいただきありがとうございました。

実は魔石は……そして、暗躍していた皇帝陛下、でした。

もうクラリッサを逃げられないよう、色々に手を回していると思います。

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― 新着の感想 ―
[一言] 装飾品だと思っていた箱を買ったら 目玉が入っていて、それで遠くの国の人間と通信する…ってかなりシュールな出来事ですね。 続きが気になるので、早い続編の登場をお待ちしております♪
[気になる点] 続編は?! 帝国に戻ってからのお話読みた〜い。゜(゜´ω`゜)゜。 [一言] 面白かったです!ありがとうございました♪
[良い点] 面白そうなカップルですね! 彼氏が執着するのはよく見ますが、泣かせたいって…最高! クラリッサも優しいだけではなく、芯は強そうですしどうなっていくのか続きが見てみたいです。 [気になる点]…
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