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うってつけた詩はみどり  作者: はたらかはやらた
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金蓮花

黄金の雨が昨日まで降り

争いまでの一刻を楽しみ

生魚店は無理に売りつけることはなく

言語論者も高笑いしていた

解放された奴隷達は言う

「あの金ピカを片付けずに済む」と

子供達だけが知っていたのだった

こんな大事でも空を見上げたんだ

西日を片づける若者が泣き

兵隊さんは人参を齧った

カリスマの演説家が言う

「世界中ではこれが当たり前」と

子供達だけが知っていたのだった

そんなこと耳も傾けずに駆け回った


僕はどこに含まれる

僕はいったいどこに含まれる?

道に現れたのは土

踏み締める感触はある

親指と人差し指の間に

滑り込む土はひんやりと冷たい

全身を噛み締める

足先が躍る

ステップ音が弾んで聴こえる

あぁ、確かに聴こえている


黄金の雨は降ることを忘れ

色が鮮やかに町を染め上げた

青、赤、スイカの緑

教会の上部もグレーで綺麗で

あちこちに散らばる金ピカの破片は

真っ黒い洞穴に捨てられていた

世界中のコレクター

世界中の有識者

世界中の成金

こぞって言った

「捨てるのなら有効活用」と


僕はどこに含まれる

僕はいったいどこに含まれる?

肌色の肌

荒れ果てた顔面

真っ白い心なんて持ち合わせてやいないのに

茶色の瞳であそこを覗く

あの子の唇はほんのりと赤く

それでも握った

その握られた手には

未だに黄金がこべりついて

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