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お天気雨の日には。

BGM:人生のメリーゴーランド推奨。

暗闇からこぼれおちた音は、僕の前で立ち止まって形を成す。


「やっと…あえたね。」



そうやっと、君の大切さを知っていとしさを知って、やっとやっと会えた。思いは募って、体は気づけば勝手に動いていた。体全体に感じる君のぬくもり。



「もう離さない!」


自分でもびっくっくりするほどの大声。でも、そんなのどうでもいい。こんなに近くにいたのに、近すぎて気付けなかった君を離したくないから。



「うん、離さないで。」



背中に伝わる君の手からのぬくもり。もう君の顔を見ることは僕にはかなわない。けど、大丈夫。ああ、大丈夫さ。君の手から伝わるぬくもりが、心が僕をさみしくさせないから。



「あ、涙…」

小さく短くころがる言葉に、ほほに触れる君の手。光を宿さない僕の目から涙がこぼれおちていた。


なんで?僕は自分でもわからなかった。だって、気づかないうちに泣いていたから。でも、悲しくも哀しくも寂しくも淋しくもなくて、嬉しいのに何で……ああ、そうか。なんだもうわかってるんじゃないか。今は優しくすら感じる暗闇の中で、僕はすぐ答えを見つけた。


君のぬくもりの中に、心の光の中に。



ああ、そうか嬉しんだと。



「僕は…僕は、君にまた会えて嬉しいんだ。たまらなく愛しい君にまた会えたことが!だからね、これは涙じゃなくて僕の笑顔なんだよ!!」


そう言って、ぼくは初めて心から微笑んだんだ。


「ふふ、まるで、お天気雨みたいだね。」

君も君も、つられてカラカラとお陽さまみたいな声で笑って、僕の手を取って、くるりとダンス見たいに回る。


「うん、そうだね…ねえ、知ってる?お天気雨の日にはね、狐が嫁いりするんだよ?」


と、ちょっとはにかんで、ちょっと恥ずかしいセリフ。きっと今、僕の顔は今までにないくらい赤くなっていると思う。



「じゃあ、私も嫁入りしようかな。私のお天気雨さんのところに。」


そういって、抱きついてくる君。胸にあたる君のぬくもり。少し湿っているのはきっとお天気雨のせい。



『…ガガ、本日の天気は、晴れですが一部地域によってお天気雨が降るでしょう。また、雨があがった後虹が観測できるところもありそうです。』


そこに、近くのお店のラジオから聞こえてきた天気予報。確かにそうかもね…でも一つだけ間違ってるよ。




だって僕はもう虹を捕まえちゃったんだから!








人生のメリーゴーランド聞きながら勢いで描いた物語。


個人的に好きな、お天気雨を題材に自分の世界(妄想ともいうw)MAXですが、こんな感じの旅の終わりがあったらいいなと、思って曲聴きながら久々に手記で書き綴ったものをパソコンでもう一回書いてアップしました…共感共鳴してくれる方がいてくれしいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 初めましてP.Leaと申します。 読んでいてほんわかした気持ちになりました。 主人公の気持ちが読み手にも伝わってきて読んでいるだけで嬉しくなれる作品だと感じました。 次回作にも期待しています…
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