8話 【お買い物は計画的に。】
買い物に付き合わされた方が何だかんだ言って色んなところ見てるってのはたまにある事だが、これは酷い俺と神代は自分の日用品を買いに来たはずが、椿の服の買い物に何故か付き合わされている、やはりどれだけクールぶっていても女は女だな。
「何かしら?そんなめんどくさそうな目で見ているけれど、私は付き合ってあげてるの、少しくらい良いじゃない」
「いや別に誰もダメとは言ってねぇよ」
しっかしこいつなんでも合いそうだよな服とか、あ、いや別にこれは客観的に見ての話であり、消して俺の個人的な意見ではなくなんだよな、うんそうだ。
「私今からこっからここまで試着するから貴方達自分達のもの見てていいわよ」
「そういうのはもっとさきに言ってくれ」
「まあまあ刀真、椿、買い終わったらここに戻ってくるよ」
こうして俺達はようやく自分達のお目当ての物を探すことが出来た、こっからは豪遊だぜ、なんてったって、こっちには金があるんだよ金が。
「とりあえず歯磨きブラシ、まくらとかの生活必需品と机と椅子か、いやてか学生寮に勉強机ないのおかしいでしょ...あ、無●だ、無●はいいな、なんでもあるし」
俺はとりあえず必要なものをざっと数十点無●商品で爆買いした、このシンプルなデザインが寧ろカッコいい。
「お客様、こちらの商品よろしければ5千円でご自宅までお届けしますが..いかが致しましょう?」
「え、ああはい!流石に持って帰れないんで..お願いします、千葉県立魔導学園の男子寮410号室で」
「申し訳ございませんお客様、AからE棟のどの棟でしょうか?」
え?何、AとかEとかあるの?俺知らないんだけど。
「E棟です、E棟の410号室にお願いします」
「かしこまりしました、ではそちらにお送りさせていただきます」
突然神代が背後からスッと出てきて店員にスマートに伝えた、いつからいたの君。
「うわびっくりした...てか知ってたのかお前」
「当たり前だよ、本当にあの棟だけに寮生が収まりきると思う?」
「まあ...それもそうか」
そんな事を2人で話していると突然店員がおもむろに紙に魔法陣と住所を書き始め、それを商品一つ一つに貼ったと思っていたら。
「転送魔法陣展開」
そう店員さんが言うと、紙に描かれた魔法陣が光だし、パッとその商品達は消えてしまった。
「え?!なんだそれ、おい神代見たか?いま消えたぞ商品全部」
「これも魔法の一種だよ、今時こう言うところや家具屋さんとかは何人かいるんだよ、こう言う魔法が使える人、じゃないと企業として生きてけないからね」
すげぇ...でも俺には使えないんでしょう?
まったく寂しい世界になったもんだぜ、俺だけ置いてけぼりにしやがって。
「そ..そうか、そういや神代お前は良いのか?買わなくて」
「あぁ、僕はもう済ませたからねそれより早く次のところ見ようよ」
それから俺たちは色々なところを回った、神代が欲しがっていたので本屋にいって様々な小説を買った、この世界線にも太宰治や芥川龍之介の作品があることが分かった、それだけではなくラノベも置いてあった、この世界のラノベとか逆に魔法がない世界の話とかばっかなんだろうな。
ゲーム売り場にも行った、お金が有り余っていていたのでついつい買いすぎてしまった任●堂とか最高だよな、あの赤い帽子のおっさんはこの世界線でも健在らしい。
「いやぁ、買いすぎたな...いくらなんでも結構使ったぞ」
「そうだね...そろそろ椿の所に戻ろうか」
重い荷物を持ちながら椿の所へ戻ると、なんと椿は気に入った服を見つけたのか、何故か着替えていた、そしてはたまた何故数人の男共に絡まれていた、さてはナンパか?
「お嬢ちゃん綺麗だね〜、1人?おら兄さん達と遊ぼうよ」
「いえ、私いま待ってる人達いるので」
「でもぉ、さっきからずっと服見てみてるよね?帰っちゃったんじゃない?いいから遊ぼうぜ」
男の1人が椿の腰に手を回した時だった、椿は溜息をつき、次の瞬間男は10メートルほど吹き飛んで、泡を吹いていた。
「ナンパするならもっとうまい仕方を学んできなさい、猿共」
「てめぇ!調子乗ってんじゃねぇぞ!おらこっち来い」
男達が椿を無理やり引っ張りどこかへ連れて行こうとした、周りの人間達は男達が怖いのか見て見ぬ振りをして通り過ぎていく、俺も神代も、無意識のうちに荷物を放り投げ、椿の所へ駆け寄って行った。
「あ、あの!そそそそいつは!俺たちの友達、いや友達じゃないか、知り合いなんです..けど!話してもらって..い、いいすか?」
「貴方達僕らの友人に何してるんですか?今すぐ離してください」
2人で男共に詰め寄る、いくら俺が魔法も使えないゴミだって、知り合いの1人守ろうともせずに何が主人公だ俺だってやるときはやるぞ。
「あ?お前らなんだ?こいつのツレってこいつらかよ」
「ハッ、根暗野郎にイケメン紳士君ね、反吐がでるな」
「大人に逆らったらどうなるか教えてやるよ」
男達は一斉に殴りかかってきた、しかしそれを全てかわし男達を投げ飛ばしてしまった、上代が、いや俺は何もしなかったんじゃなくて出来なかっただけだからな、こいつが強すぎた。
「これでわかってくれますかね?」
「て、てめぇ!ふざけてんじゃねぇ!」
男は懐から拳銃を取り出し、おもむろに発砲する、神代は反応が遅れる、俺は完全にああこれ死んだなとそう思っていた、しかしその時一瞬、ほんの一瞬だけこの建物一帯が暗闇に包まれたと思いきや、次に光を見たときに、倒れていたのは男達の方だった。