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どうやら俺は異世界【線】に転移したらしい。  作者: 陸奥 彼方
第1章 始まりは常に到達に。
6/16

6話【友達が出来ました。】

 主人公交代はまずいだろ、いやでもなそもそも俺があくまで転移してきただけでこの世界でも俺は普通の学生なわけだし、いや普通どころか魔法が使えないから底辺中の底辺まである、それに比べてなんだこいつの漂うオーラ、人ならざるもののオーラだよこれ。


「よ、よろしく...」


 目の前の鼻につく優男イケメン 神代シュウに手を差し伸べられしぶしぶ手を出す、眩しいよ、陰キャにこの明るさは眩しすぎるよ!


「君達二人は特待生として我が学園に迎え入れよう、制服や学生証等は後で済ませよう」

「え、あいや学園長俺はそんな大層なもんじゃないんですけど...」

「だが君はあのシルヴァに勝ったのだろう?彼はな、竜人族と人間のハーフなんだよ、相当な手練れだ、たとえどんな手を使おうと勝ったことに変わりは無い、そうだろ?」


 偉い人に自分を肯定されると否定したいのに否定できなくてなんとも言えない気持ちになるんだよな。


「まあとりあえず、今日は休みたまえ、明日からの生活に備えてしっかり休息を取って置くように、私からは以上だ」

「はい、失礼しました学園長」

「し、失礼しました..」


 俺と神代は一礼をして校長室を後にした、緊張しすぎてまた倒れるかと思ったわ。


「いやぁ緊張したなぁ、行こうか刀真」

「え、いやどこに、てか神代俺にあまり近づくな、存在感がのまれちゃうだろ」

「勿論僕達の寮だろ?それと僕の事はシュウとよんでくれて構わないよ」

「そうか、じゃあ神代行くぞ俺は早く風呂に入りたいんだ」


 俺は神代の優男オーラをガン無視して早歩き気味で寮に帰ってきた。


「ところでなんだが、なんでお前も俺の部屋の前までついてきてんの?ストーカー?」

「いやそれは刀真の隣の部屋が僕だからだよ、これからお隣どうし仲良くしよう」


 まじかよ最悪だ、こんなキラキラした奴の隣の部屋なんかいたら俺のキラキラ成分が全部持ってかれちゃうぞ、まあ元からキラキラ要素0だから関係ないけど。


「そうか、じゃあ俺はこっちだから、おつかれまたな」

「ああ、お疲れ様、また明日」


 神代とわかれ部屋に入る、あーやっぱり自分の部屋ともなると最高だ、しかも1LDK困難普通の高校生せいじゃ到底味わえだろ。


「でも流石に家電だけ他が流石に何もなさすぎやしないか、とりあえず風呂貯めるか」


 お風呂をため、俺はバックの中身の整理をはじめる、何か役立つものが入ってるかもしれない。

 バックの中身を漁ると出てきたのはジャージ、お茶、カロリーメイトの3つ、流石何も持たなすぎでしょ俺。

 カロリーメイトとお茶を貪りながら、ほぼ使い物にならないスマホを確認すると現在時刻は午後の3時、わりとまだ早い時間だったりする。


【お風呂が沸きました♪】


「ようやく風呂だよ...半日放置されて、ボコボコにされて..まじやってらんないな..」


 2日ぶりのシャワーを浴びる、自分では気づかなかったが、さっきまで相当臭かった可能性あるな、ああ死にたくなってきた。


「この後どうするかだな...部屋にはなんもないし、かといって学校探索とか死んでもやりたくないしな...ほんと疲れた...転移してきた意味がないぞこれ、そうだ!軍資金が貰えるのなんの言ってたな...金が入るのか、それで家具揃えるかぁ、ニ●リあるかなこの世界」


 湯船浸かると身体が今日の疲れをほぐすかのようにグニャリと崩れた、あぁいつの時代も風呂は一人静かに入るのが1番だな。


「にしても..まあ本当に異世界に飛んだら飛んだで太平洋なんだろうな、いきなり知らん街なかで一人きりでチンピラに絡まれたり、金がないから馬小屋で生活したり..そんなん相当根性のある奴じゃないと心おれるだろ絶対、よかった中世ヨーロッパじゃなくて、俺だったら生きてけないわ」


 これからの予定やこの世界線について1時間ほど風呂で長考したので、そろそろ風呂から上がる事にしよう。


「この制服は...ところどころ切れてるし汚いからなぁ、とりあえず洗濯機にぶち込んどくけど厳しいか...」


 俺は洗面所収納に入っていたタオルを取り出す、ほんとホテルみたいなサービス精神だなここ、下着も何着かあるし。


「とりあえずジャージ着て、街でも探索するか」


 服を着替え一度部屋を後にする、すると丁度同じタイミングで隣の部屋から出てきた奴と遭遇する。


「おや?刀真、どこかへ出かけるかい?僕も丁度出るところだったんだ、一緒にどうだい?」

「どうせ断ってもついてくるんだろ?勝手にしろよ」

「そうさせてもらうよ、それにしても凄いねここの施設は、洗濯機にエアコン、テレビに冷蔵庫、最新式家電を網羅しているよ」

「金かけてんだろうなって思ったよ..こんな馬鹿でかい学校だしな」


 神代と話しながら寮を後にする、なんで俺こんなカップルみたいな事してんの?男同士で、普通こういうのって女とのイベントなんじゃないのかよ。

 二人で学園内を歩いていると、椿が一人で歩いていた、丁度いい誘おう、二人よかましだろ、あれなんか椿こっちに近づいてきてないか?


「丁度よかったは、刀真君貴方に学園長から渡しものが、お隣は神代シュウ君かしら、私は日川椿、椿でいいわ、よろしく」

「僕の事を知っていてくれていたとは、光栄です、こちらこそよろしくお願いします」

「おい...俺を置いてけぼりにするなよ、可哀想だろ」

「全然?まあいいわ、二人とも揃っていて丁度よかった、はいこれ」


 なんだなんだ、渡しものって、まさか学園で秘密裏に捕獲していた古代の武器とか?はたまた誰にも扱えなかった魔導書とか。

 椿が渡してきたのは、なんと札束だった、しかもとても厚い。


「え、か...金じゃんこれ」

「ええ、軍資金100万円よ」


 あぁはいはい、100万ね100万、まあそんなもんだよなぁ...て100万!?


「おいおいなんだよこの金、闇金か?闇金だろ知ってるぞ俺」

「これは驚いたね、なんともざっくりとした額だ」

「いやそこじゃないだろ驚く所、てかこの金お前ら二人のどっちかで2倍に増やせないのか?」


 今世紀発の名案だな、しかし二人は黙ったままため息をついた、ため息は幸せが逃げてくからダメなんだぞ。


「刀真..良くないよそういう事は」

「つくづく屑ね、だいたいバレたら私達全員退学案件よ、責任とれるの?」

「あ..いや...あの、すみませんでした」


 魔法が使えるからといってなんでもやって言い訳ではないのが異世界線です、ああやっぱり中世ヨーロッパに転移したかったなぁ。

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