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どうやら俺は異世界【線】に転移したらしい。  作者: 陸奥 彼方
第1章 始まりは常に到達に。
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4話 【卑怯者は最後に勝つ。】

えー、誰も見てないと思うけど、三日坊主にならずにすみました、飽き性なので、どうせ2日も書いたら飽きるんだろうなとは思ったけど、続いて良かったです。

 風が止み、聞こえるのは己の心臓が脈を打つ音、今から始まるのは俺の人生1の大一番、ここをミスれば道はない、何としてもたとえどんな汚く、姑息な手を使ってでもこの場だけは勝ち取らせてもらう。


 さかのぼるのは30分ほど前、俺が椿と花先生に連れて来られたのは、闘技場だろうか、俺は今からここで入学試験を受けるのだが、本来筆記か実技どちらで受けるか決められるところ、俺の場合この世界の一般常識が無いため、実技で受けることになってしまった。


「花先生、その内容ってのは?」

「ちょっと待ってねぇ、あ、来た来た、シルヴァ先生ー!」


 花先生が手を振った先には、一人の男性がこちらに向かって歩いて来ていた。


 長身でスリム、そして遠くから見てもわかる白い肌にダークレッドの髪の毛、周りの者全てを無に帰すような圧倒的な存在感、まるで人間では無いようだった。


「君が入学希望者の少年かね」

「はい、影山刀真です、よろしくおねがいします」

「うむ、私が試験管を務めるシルヴァ・ルージュだ、よろしくなのだね」


 出たよおきまりの謎語尾、いやまあその辺に関してはスルーするしかなさそうだな。


「早速始めたいところだが、その前に一つ、君には魔力が宿っている様には見えないのだがね」

「先生、それに関しては私から」


 すると椿が先程と同じようにあら方の説明をしてくれた、なんで当事者の俺より説明上手いんだよおかしいだろ。


「ほう、それは実に興味深い内容だ、転移?世界線?是非我が校に取りたいのだがね、しかしこれは試験、しっかりとやらせて貰うのだね、これを持ちたまえ」


 するとシルヴァ先生はまるで今そこにあったかの様にいとも簡単に木刀を出現させ、それを俺に渡してきた。


「えっとこれはどう言う?」

「今から君には私と決闘をして貰うのだね、安心した前、魔法は使わん、私に一発でもその木刀で攻撃を当てる事さえ出来れば晴れて君はこの県立魔導学園に入学出来るのだね」


 闘う?俺が?この人と?

 いやいや無理無理絶対勝てないだろ、いくら相手が魔法使わないからって年上でさらに明らかにこんな強そうな人に一撃でもって、だからさっき椿はあんな不安そうな顔を..。


「いやそれは流石に無理なんじゃ...」

「ならこのまま踵を返し、元の世界線を戻る手段を当てもなく探すのかね?」

「く...分かりました、やります」


 そうして、俺はグチグチ試験内容に文句を言いながら、木刀を構え、位置についた。


「刀真君、先生は強いわよ、慎重に焦らずやりなさい」


「ええ、わかったご忠告ありがとう椿」


「やっぱ貴方に呼び捨てされると気に食わないわね、まあいいわ、負けたら貴方をここまで運んできた私の労力と時間が無駄になるの、勝ちなさい必ずよ」


「それでは、試験を始めるわね、刀真君がシルヴァ先生に一発でも攻撃を当てれたら試験を合格とみなすわぁ、なお両者は、というか

 シルヴァ先生は魔法つかってはいけません、はい始め!」


 そして今に至る。


 俺は絶対に勝たないとだめなんだよ、ここで負けたら全てが振り出しだ、転移モノならここら辺でそろそろ来るぞ、さあ来い!目覚めろ俺の魔力!なんかでろ!なんかしら!


 出ません、何も出ません、まじかよふざけんなよここで負けたら始まんないぞ、俺まだ今日ここに来たばっかなのにもう追い返されるの?流石にないだろそれは。


「どうしたのかね、怖気付いてかかってこれのか?ならばこちらから行くのだがね」

「うぉっ!危ねぇ!」


 シルヴァ先生は躊躇なく俺に木刀を振ってくる、おい今【ヒュンッ!】て鳴ってたぞ、なんか縄跳びとか回してる時の音だぞあれ、こんなんまともに顔とかに食らったら流石にまずいぞ。


「せい!オラァッ!」


 負けじと俺も木刀を振り回す、しかしそれを難なくいなされる馬鹿り、こんなんじゃいつまでたっても当たんない、俺は部活もやってなかったし家に帰ってゲームしかしてこなかったんだよ!いきなり戦闘とかやってらんないぞ。


「どうした、その程度かね?」

「なっ...グハッ!」


 振り掛かった瞬間腹に回し蹴りを入れられそのまんま俺は激しい衝撃と痛みと共に後方へと吹っ飛ばされる。


「が..いくらなんでも子供相手にやり過ぎじゃないんですかね...」

「敵と対峙するとき、年の差や性別、種族によって手を抜くというのは全くもって無いのいのだね、寧ろ相手に対する無礼というものなのだがね」


 足が震えているのを感じる、怖さですくんで立ち上がる事すら許され無い。


「動けええええ!」


 必死の思いで身体を起こし、構えている先生に剣先だけでも与えられないかと木刀を構え、一気に相手の懐に潜り込む様に走り出す、これなら行ける、そう思い振りかざした。


「遅いのだよ」

「うっ!?」


 だが無残にもその一撃は放つ直前にして、たったの一振りで俺の身体は再度吹き飛ばされね、俺の身体は地面へと叩きつけられる、痛い、地面に擦ったせいで擦り傷が出来ている非力な俺には充分な痛さだ、やばい半泣きなんだが。


「魔力も無ければ知恵も力も無い、正直この学園に通う資格は君には無いと思うのだがね」

「はぁ..はぁ..資格とかそういう問題じゃ無いんですよ...今ここでじゃあ帰りますで帰る訳にはいかないんです、せっかくここまで来れた、絶対に負けませんよ俺は」


 考えろ、知恵を絞れ、馬鹿は馬鹿なりに考えて考え抜くしかこの場を突破できやしない、どうすれば良い...いや、そうか、当てるだけ良いのか..刀身を相手に当てるだけ、なら俺にだって出来るはずだろスマ○ラガチ勢をなめるなよ。


「まだ立つのかね」

「立ちますよ、今俺は初めて諦めない事を覚えました」

「もう少し根性のある人生を送るべきなのだね...それじゃあ終わりにするのかね!」


 きた、俺は先生の一振りをギリギリの所でバックステップで回避するそして同時に。


「くらえ!超姑息粉塵!」

「くっ...砂かね」

「そうさ砂だよ、さっき倒れた時に手に握っておいたのさ、さらにくらえ、靴」


 俺は砂を撒き散らし顔を隠す様にしたシルヴァ先生の手元めがけて全力で靴を蹴り飛ばす、小学校の頃靴飛ばしのプロと呼ばれていた俺からすればこの程度造作も無いわ。

 飛ばされた靴は見事先生の手元にあたり、木刀を落とした。


「な!?まずいのだね」

「今しか無い!うおおお」


 今だ、これが最初で最期のチャンスここで当たらなきゃ俺の異世界線生活は終わりを告げる、そして俺は自らの木刀を先生に向かってぶん投げた、剣は投げるものって昔親父に教わったからな。


「あたれぇぇぇぇ!」


 刀身はまっすぐ先生の方へと飛んでいきそして遂に先生に当たる、とその瞬間。


「竜の加護!」


 そう先生が叫ぶと同時に何故か刀身は先生に当たる直前何かに弾かれ地面へと落ちてしまった。


「...終わった、俺の...異世界線生活は..今ここに終わりを告げた」

「すとーっぷ!シルヴァ先生!今の反則ですよ〜?魔法使ったでしょ?これは先生の反則負けです、だから勝者 刀真君!」


 突然花先生が試合を中断し、シルヴァ先生に文句を言っている。


「す、すまないのだよついとっさに反応してしまい...」


 え?反則負け?俺の勝ち?て事は...?


「俺?合格?」

「半分合格、半分不合格よ、攻撃当てて無いじゃない、それに貴方姑息ね、卑怯者、最低、クズ、人間の恥」

「いやそこまで言わなくて良いでしょ...でも、入学できて何よりだよ、しゃっ!」


 俺が一人喜びの舞を踊っていると、シルヴァ先生が歩み寄って来た。


「すまなかったのだよ、教師という立場でありながら、ルールを破ってしまうとは..これもまだ私が未熟であると言う証なのかもしれないのだよ」

「いえ、正直とっさに思いついたクソみたいな案でしたから、あんなんされたら誰だってルール無視しちゃうと思います、こちらこそすみませんでした。」


 怖ぇ..なんかぶん殴られるのかと思ったぁ、流石に卑怯すぎたからな、よかった死ななくて。


「おめでとう刀真君〜」

「おめでとうなのだよ」

「はぁ..おめでとう」


 いやなんか既視感あるな...まあ、いいか。

 ようやくここから始まるぜ、俺の異世界線生活は。






書いてて思ったんですけど、とうま、とうやとや、意外とその手の名前多かったですね、とうまなんて主人公あんまいないなとか思ってたけど、上条がいたのを思いつきました、もっと個性的な名前にすればよかった、子鷹とか八幡とか

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