3話【告白します。】
第3話、ほかの人の作品見てたら以外と短い人もいて驚きました、少なくとも続けることって大切なんだなって。
学校も家も無い、その発言に椿さんは俺が何を言っているのかわからない様子だった、そりゃそうだ倒れてる人間助けて身元聞いたら無いなんて言われたら困惑するだろうな。
「どういう事なの?ちゃんと説明しなさい、じゃ無いといくら怪我人とは言え警察に突き出すわよ?取り敢えず住所を言いなさい」
そう椿さんに問い詰められ仕方なく俺は自分の住所を話した、するとさらに椿さんは戸惑い、というか距離を取り身体を若干震わせてこちらを睨んでくる様子はまるで俺に怯えてるようだった、急にどうしたんだろうか。
「え..俺なんか変な事言いました?」
「いや...だって今言った貴方の住所、私の実家なんだけど、貴方まさか本当に警察に突き出した方がいいのかしら...」
言葉が詰まり何も言えなくなる、やはりか歴史が変わった事により本来代々住んでいた筈の影山の家系ではなく椿さんの家族、要は日川一家が住んでいるという事になったんだろう。
しかしこれは...本当に警察に突き出されたら俺はおじゃんだぞ、せっかく異世界線転移してきたんだ、こんな所で捕まってたまるか、これは腹をくくって本当の事を話すしか無さそうだな、運よ味方しておくれ。
「ちょ、ちょっとまってください!110番しないで!椿さん、今から僕がいう事は全て嘘偽りない真実です、お願いします話を聞いてください」
「...そこまで言うなら、仕方ないわ聞いてあげる、ただし怪しい事したら本当に警察に突き出すからね」
「はい、それで構いません」
もしかしたらダメかも知れない...その時はどうにかして元の世界に戻る方法を探すしかないな..警察から逃げつつ。
「俺は、この世界...いえ、この世界線の人間じゃありません、魔法のない世界線から転移してきたんです!!」
「は?魔法がない世界?そんなの信じられるわけ」
「信じてくださいお願いします、昨晩僕はあそこの神社で転移したいと願ったあと、帰り際に階段から転落してしまい...それで気づいたらこの世界に...」
「なるほど、一応辻褄は合ってるわね、わかった信じるわその話」
くそ、やっぱりダメか、こんな馬鹿馬鹿しい話し誰に言ったって嘘だと思われるに決まってる、俺はどうしたら...って、え?今信じるって言わなかったかこの人、嘘だろ物分かり良すぎるだろ。
「信じてくれるんですか⁈今の話でこんな馬鹿げた話」
「そりゃまだ疑問はあるわよ、ただこの世には魔法があるの、私がやったように空気中に突然炎を生み出したり、物を浮かしたりしたりする事も出来る、そんな非科学的な事ばかりな世界の人間が別の世界からきたって話し信じられなくてどうするのよ」
椿さんはため息混じりにそう話してくれた、やはり若干まだ信じきってはいない部分もあるようだが、なんとかこの場は乗り切ったな、まじで神様仏様に感謝だな。
「そういえば、あの神社にはこの世界では誰が建てたんですか?俺の世界ではうちの先祖が建てたと言われてました」
「あら、奇遇ね、私もその事を聞こうと思っていたわ、この世界だのあの紡神社は私の祖先が建てたと母から聞いてるわ」
椿さんの祖先が、それでいて住所も同じ...もしかしたら俺の世界では影山の家の物や建造物はそのまんまこっちでは日川の名が継いでるのかも知れないな。
となるとやはり俺の家族もこの世界には存在しないと見て間違い無いだろう、つまり俺は完全な不審者と言う訳か...。
「しかし困ったわね、その話が本当であれば貴方は戸籍が存在しないはずだし、病院とかにも行けないんじゃない?」
「あ、確かに」
言われて初めて気づいた、そうか俺はこの世に存在しないはずの人間、それにここは中世ヨーロッパでもなんでもない、現代日本なんだぞ、戸籍無いとか色々まずいんじゃないだろうか、てかまずいだろ。
「遅くなってごめんなさい日川さん、その怪我人てのは誰なのかしら〜」
俺と椿さんが二人でどうにかして話し合っていると、扉を開けて背の低い白衣をまとった女性が入ってきた、茶髪の髪が美しい、好き、おそらく先生だろう。
「先生この子です、彼は影山刀真君、今朝方紡神社の下で倒れてたのを発見しました」
「あらあら、どうもこんにちは、私はこの学校の保険の先生をしています、優希 花です、よろしくおねがいします」
「あ、影山ですおねがいします」
「先生、それで彼について少しお話が」
それから椿さんは俺の代わりに今の俺の身体の状況や異世界転移の事までわかりやすく説明してくれた、花先生も戸惑いながらもなんとか理解してくれたようだ。
家も家族もない怪我人の言葉なんて俺の世界で誰がそう簡単に聞いてくれるだろうか、俺転移して良かったありがとう謎の声。
「なるほどね、分かりました、先生じゃあ提案があります!刀真君はー、うちの学校に入学しちゃえばいいんじゃないかしら〜」
出た、おきまりの奴そうだよねここまで来てじゃあ病院には色々連絡しておくので後は自力で頑張ってね!みたいな展開なったらどうしようかと内心ゾクゾクとしてたけどそりゃそうだよな。
「先生、しかし彼の話が本当であれば彼に魔力はありませんよ」
「いいじゃないの日川さん、彼は家も身寄りもないんでしょ?だったらいいじゃない寮に入れれば、刀真君何歳なの?」
「え、今年で17です」
「なら尚更いいじゃないの、日川さん同い年じゃない、これから仲良くするのよ」
寮があるのか、ならなんとかなりそうだ、だが何か椿さん浮かない表情をしている、そんなに俺と同じ学校嫌なのかよ、流石に泣きたくなってくるんだが。
「椿さんどうかしたんですか?どこか不安げな感じですけど」
「あ、いえ何でもないわ、あとこれからは椿で構わない下手にさんづけされても変な気分だもの、先生お願いします」
「ええ、本当はこういうのは病院でやってもらうのが1番なんだけどねぇ、今回は特別よ」
そういうと花先生は俺の身体に手を当て、何かを集めるかのように目を瞑った、すると花先生の周りに何か光が纏うように現れみるみるその光は俺の身体までを包み込んだ、その光を見た俺はこれが一目で魔法だという事が理解できてしまった。
「妖精よ、私に力を貸して、生命の息吹」
花先生がそう唱えると俺の周りに優しい風が吹き、そして風が過ぎ去ると共に光も消えていってしまった。
「今のは?それも魔法ですか」
「そうよぉ、ほら立ってみて?」
そう言われベッドから身体を下ろすと先程までの痛みは無くなっており、すんなりと立つことが出来た魔法と言うものは案外この世界ではあくまで生活の一部として使われてるようなので、恐らくこのように様々な公共機関においても、魔法と機械は共存して使われて来ているんだろう。
「それじゃあ刀真君、君には入学試験を受けてもらいます」
「でやがったな入学試験...」
前書きにもあったけど、文章は短くてもいいからちゃんと更新した方がいいってわかりました。