2話【魔法が存在するようです。】
第2話投稿します、毎日投稿をできる限り心がけたいです。まだまだ初心者ですけど..。
闇の中、俺は再度意識を取り戻した、本日二度目の起床である。
「ん...ここは..どこだろう病院か?」
先程までいたはずの紡神社前とは違う場所にいるようだ、て事はなんだ?救急車で俺は運ばれたのか..とりあえず誰かいないか探してみよう。
「あのー誰かいませんかー?」
「あら、起きたのね刀真君気分はどう?」
俺が呼びかけると椿さんがカーテンを開き入ってくる。
「ここはどこなんですか?」
「ここは私達の通う学校の保健室よ、刀真君急に倒れちゃうから仕方なく運んだの」
運んだ?俺を?こんな女子が?どうやら彼女は相当な筋肉を持っているのだろう。
そんな事を頭で考えてる内に倒れる前の事を思い出す、あの燃え上がった炎はなんだったんだろうか。
「あの!炎」
「炎がどうかしたの?」
「いやだから!さっき椿さんなんも持ってなかったのにいきなりブワァって!炎が」
彼女は俺が何をそんなに驚いてるのかわかっておらず、俺の発言を不可思議そうにただ聞いている、おいおいまさかこの女本気で枝から炎が突然立ち上がった事にたいして不思議に思ってないのか?
俺があらかた説明し終わると彼女は溜息をつき俺を馬鹿を見る目で見つめてきた、やめて、侮辱されてる気がしてならない。
「そりゃ当たり前じゃない、フレアを使ったんだもの」
「フ、フレア?」
そうだ、彼女は炎が起こる前手をかざしてそう言っていた、まるで漫画の中の世界のようだった事をしっかりと覚えている。
「いえ...あの、そういう事じゃなくてどうして炎が起こったのかを聞いてるんです、魔法でもあるまいし、現実でいきなり炎がボンなんて有り得るわけないじゃないですか」
俺がこう彼女に伝えると、彼女はまるで俺を違う世界の人間として扱うように俺の顔を見て先程よりさらに不思議そうな目で俺を見つめて来た。
「はぁ?何を言っているの?フレアはれっきとした魔法よ、魔法が現実じゃありえないなんてあなた何馬鹿げた事を言ってるの?」
理解するのに何秒、いや何十秒か掛かったのかもしれない今彼女はたしかにその口で、"フレアは魔法"と言ったのだ、まるであたかも魔法が普通に存在し、魔法が存在しない世界などありえないと言っているようだった。
俺は自分がおかしくなったのか思い戸惑いながらもゆっくり応答する。
「あー...そうですよね、魔法ですよね、魔法かそりゃそうだよな...あはは何言ってんだ俺」
驚いた現実世界に魔法が使える人がいるなんて...いやいやそんな訳が無いどうなってるんだマジで。
しかしそこで唐突に俺の中に階段から落ちる直前のあの声が脳を過ぎる。
【お前の願い、しかと聞き受けた】
そうだ、あの時俺はあの神社で異世界転移したいって言って、それであの声が聞こえて階段から落ちたんだ、それで今目の前の魔法を当たり前だと話す椿さんの様子から察するに...もし俺が夢を見ていると言う可能性を除けば、この状況にも説明がつく。
「俺、異世界転移したかもしれない」
「え?転移?異世界?」
「あぁいえなんでも...それよりここって日本で合ってますよね?」
「何を言いだすかと思えばまた変なこと、合ってるわ、ここは日本よ日本魔導国略して日本、これで満足?」
日本魔導国...それがこの世界での日本名前、帝国でも王国でも無いと言うことは少なくとも皇帝や王がいる訳ではなさそうだ、つまりおそらく総理大臣と、国の象徴である天皇がいる、俺の世界と同じと見て間違いないだろう、だが情報が少なすぎるもっと調べなければ。
「あの、階段から転げ落ちた時頭を打ってしまい、そのせいで記憶がかなり飛んでるかもしれません、この国...いや、この世界について教えて下さい。」
記憶を失ったフリをしてこの世界について調べよう、俺は転移して来た、この世の全てを1から10まで教えてくれとか言っても不審者扱いされるだけだろう。
「なるほどね..だからさっきから変な事ばかり、良いわ、教えてあげるわちゃんと聞きなさいよ?」
「はい、お願いします」
「さっきも言ったけどここは日本魔導国、略して日本、今私達が居るところは47都道府県のうちの右下の千葉、最近は日本にも海外からの移住者が多いわね、日本には四季があるから様々な魔法が適応しやすいし、自然豊かで植物や動物の繁殖も多く、島国だから外敵も少ないしね、これがざっくりとした日本の概要よ、思い出した?」
なるほど大体俺の世界と同じか、恐らく日本とほぼ変わらないがそこに魔法という予想が追加された世界いや、世界線なんだろう。
「外敵というのは?」
「そりゃ外から攻めてくる敵のことよ、魔法や科学今まで大きく進歩してるわ、それを利用したテロも多いの、まあ多くは宗教的なものや種族間での争いね」
「種族間?人間以外にも居るんですか?!」
「そりゃそうじゃない魔族だったり、エルフだったり、獣人族だったり色々よ、とは言っても世界人口の半分以上は人間だと思うけど、それに多種族といってもみんな人間とさほど見た目は変わらないしみんな普通に溶け込んで暮らしてる」
種族間での争いか...魔族にエルフ、そこはよくある異世界ファンタジーみたいな感じ何だろうか、さて、次に気になる事は。
「この世界の魔法について教えてもらって良いですか?」
「ええ、とは言ってもさっきから私喋りすぎて少し疲れたわ、これを見たら?」
すると椿さんはポケットからスマホを取り出し取り出し何かを打ち込み始めた、スマホとか電子機器はふつうにあるっぽいな..。
「はい、これを見なさい」
「これ?」
どうやらネットでこの世界の魔法について書いてあるサイトを探していたようだ。
すげえな魔法の世界の調べ物ってなんか本とか石版みたいなものかと思ってた。
俺がスマホをスワイプすると魔法というものについて長々と丁寧に書かれてあった。
魔法、それは我々生命に宿る魔力を浪費し詠唱、儀式、またはそれに類似したような言動による起こる科学的に不可能な事を起こす超常現象の事である。
我々人間、およびその他種族たちは魔法と科学の発展によりその双方を上手く利用した生活を営んできた。
科学では及ばない次元を魔法で、逆に魔力の浪費を防ぐ為、生活を支えるのを科学で、そのようにして科学と魔法は進歩して来ているのである。
魔法には基本的にその人それぞれ適応したものがあり【炎】【水】【林】【風】【土】の基本属性5つに分かれておりその他の属性として【闇】と【光】が存在する、なお適応数や強度は人によって違う為、一概にこの7つだけが属性とは言い切れない。
「なるほどな...大体わかった、という事は、俺の傷口が治ったのも、ここまで椿さんが一人で運んだってのもおそらくは」
「そう、魔法ね治癒魔法と風魔法で貴方を浮かしてバスまだ運んだ、あと火炎魔法ね、私優秀そうに見えるでしょ?そのページには属性云々あるけど私優秀なのよ、主な属性は光だけども、他の属性にも適応あるようなの、そのおかげで習ったことある魔法なら練習を繰り返せば多少はできるようになるのよ」
と、椿は俺に先程起こった超常現象の概要を丁寧に教えてくれた、優秀て普通自分で言わないんだけどな、まあなんとも便利なもんだな魔法って。
「そういう事だったのか...」
「そういう事よ、さあもう良いかしら流石にあなたの親御さんに連絡しないと、学校もあるはずよね?学校は?家はどこにあるの」
そうだ、学校はどうした、ここは俺の学校の保健室では無いし、そして椿なんて奴も俺の学校にもうちの近くにも居なかったし、おそらく魔法という要素が世界に追加された事により、歴史が多少なり変動した事で本来いたはずの人達はここに居ないんだろう。
いくら世界線が違うだけとは言っても俺の世界にポンと魔法があるようになった、というわけではなくそれによって人々の動きや地域の雰囲気までもが全く別物なんだ、となると恐らく...
「えーと、学校と家多分なんだけどさ...無いんですけど」
「え?」
読んでいただきありがとうございます。
異世界ものあるある見たいになっちゃったかも知れません、ただでさえ文は負けてるからもっと研究していきたいです