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どうやら俺は異世界【線】に転移したらしい。  作者: 陸奥 彼方
第1章 始まりは常に到達に。
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16話 【清楚とギャルの特異点。】

「いいか?魔法ってのは、イメージなんだよ、必ず頭の中でイメージしろ、すりゃ思いのまま出せる」


操先生にそう言われ、俺は心中でイメージする。

闇..暗い...影...自分が魔法を使う姿をイメージする..。

目を瞑り静かに呼吸をする、何も感じない、周りの声も心臓の鼓動の音も呼吸する音さえも聞こえない、それほどまでに全神経を脳に集中させる。


「はぁぁぁ...」


また、あの気持ち悪い感覚が身体を包む、俺はその違和感を無視して込み上げてくる何かを両手に集める、手の震えがスッと治っていく、その事に気付き目を開けると、黒いもやまとう木刀と、その靄を放つ俺の両手がそこにはあった。


「これが..俺のイメージ」

「ほぉ...初めてにしちゃ上出来か」


操先生、椿つばき神代かみしろが魔力の供給を止める、すると暫くは黒い靄は残留していたが、そのうちスッと消え去っていった。


「凄いね刀真、よく出来てるよ」

「私達が協力しているもの、当たり前よ」

「そりゃどうも...」


どうやら俺は魔法を放つ事に成功したようだ、本当はもっと嬉しむ場面なんだろうが俺からすれば三人から力を借りてようやく放てるようになっているし、身体に残る違和感はなんとも気持ち悪い感じで、喜ぶに喜べなかった。

それにもしこれから例えば俺達の生活を壊すような外敵が現れ、闘うとなった際俺は一ミリも役に立つ事が出来そうにない、どうにかして自分一人で魔法を扱えるようにならなければ。


「なぁ、何か人の力を借りずに魔法を放つ方法は無いのか?」

「人の力を借りずに...ね、先生どうですか」

「さあな、俺は別に魔法使えるからな」

「..あ、魔導石、なんてのはどうかな」

「魔導石?なんだそりゃ」

「はぁ...いちいちめんどくさいわね刀真君は本当に、魔導石は魔力の篭った宝石のことよ」

「....え、終わり?」

「終わり」


ざっくりしてんなぁ、仕方なくスマホを取り出しみんな大好きグーグル大先生に頼る事にした。

魔導石、一般の宝石と違い、一定の条件下のもと魔力が宝石に篭りそれを研磨したもの。

だいたい合ってた、案外この世界は思ったほど複雑ではないのかも知れない。


「それって、ショッピングモールとかに売ってるもんなの」

「そうね、宝石店とかにそこそこのなら売ってるけど」

「えー、安いの?なんかいやだな」

「文句言わないの、行くわよ」



椿に無理やり腕を引っ張られ部屋を後にする、いやまって俺いないのに残り2人は俺の部屋に居座るの?なんか色々イタズラされてそうで普通にいやなんだけど。


「わかった!ついてくから、離せ一旦」

「それで良いわ、さあ早く行きましょう」

「なんだこいつ」


結局俺は椿についていき、ショッピングモールまで来てしまった、いや待てよ女の子2人で出かけるとか最早はそれはデートと言っても過言では無いのでは?

いやでもなぁ..別に嬉しくないと言うわけでもないが今隣にいる女子の顔をみて、なんとなくだがやる気が失せてしまった、いやうんなんとなくな。


「なぁ、一応聞いとくけどこれって..」

「違うわ、さあ行くわよ」

「まだ何も言ってねぇよ」


平日の夕方だと言うのに人は多い、確かにここらで何かを買うならここに来るしかないのだがそれにしても人が多過ぎる、基本的に人混みは避けて通りタイプなのだが、それを気にすることもなく椿はズケズケと先に進んでいってしまう。

宝石店にたどり着き中を2人で見て回る、どれも前の世界で見たことのあるようなものばかりで、どうもこの宝石達に魔力なんて思えないんだがな..。


「それにしてもこの店前来た時より何か違うって言うか、視線を感じると言うか」

「気のせいだろ、とにかく見ようぜ」

「ええ...そうね」

「あ、影山じゃん」


突然声をかけられ俺も椿を声の主の方に振り向く、するとそこには俺のクラスメイトでもある 天ノ 翼 (あまのつばさ)が立っていた。


「お、おう天ノ、買い物か?」

「うんまあね、そっちは?お隣にいるのは日川さんだよね、彼女?」


「違うわ」

「だそうだ」


「ウチの名前は天ノ翼、日川さんはウチの事知らないだろうから一応言っとく、よろしくね」

「ええ、よろしく天ノさん」


よくある展開で、真面目キャラ女子とギャル系女子が反発しあうみたいなのがあるが、どうやらこの2人に限ってはそうでもないらしい、まぁ実際あんなにばちばちやりあうなんて現実で起こり得るわけないもんな..今の現状自体現実では無いような気がするけど。


「ウチはたまたま通りかかってぇ、たまたま見かけたから声かけたけど、2人はカップルじゃないなら何してたの?」

「刀真君が魔導石をどうしても欲しいと言うから付き合っていたの」

「は?椿が無理やり連れてきたんでは?」

「名前呼びとか仲いいんだね」

「影山君、早く決めましょう」

「おいまて露骨にかえるな、悲しいだろ」

「ちょー面白いんですけど」


こんな茶番で面白いと思えるなら天ノの頭の中は相当楽しいんだろうな。


「何の魔導石を探してるの?」

「闇よ、刀真君は闇属性しか身体に合わないようなの不気味よね」

「不気味っていうなカッコイイだろ」

「うーん..闇ならこれなんてどうかなぁ?」


天ノはショーケースの中でも最も目立たない黒色の宝石の指輪を指差した。

まさかこんな露骨に黒い宝石が、闇の魔導石とでも言うのか?言うんだろうな。


「これは...ブラックダイヤモンドね」

「ブラック..?ダイヤに黒とか白とかあるのか?」

「まーいいじゃん!その辺は置いといてさ、ブラックダイヤはさぁ、普通のダイヤより貴重なんだよ、よくわかんないけど」

「よくわかんないのかよ」


まあどうせ俺が調べたところでちんぷんかんぷんだからな、とりあえず値段はっと..。


「に、20万?20万って、一万円札20枚の事か?」

「当たり前でしょ?頭がおかしくなったの?」

「いやちょっとまてよ、俺は手持ち10万しかないぞ」

「逆になんで影山そんなに持ってんのぉ?」

「...大体察したわ」

「まあその通りだと思う、神代と操先生がしょっちゅう家に来るからな、金は危ないから持ち歩いてる」


大体あの人達はなんなんだよ、神代はわかるけどさ、操先生本当に仕事してるのか?たまに俺より先に部屋の前に立って神代と話したりしてるけど。


「え?神代って神代シュウ君?マジで?!」

「そうだが、お前も神代狙いか?」

「いやそうじゃないけどさぁ、やっぱカッコイイじゃん」


多分それはそうじゃなく無いと思うぞ天ノ。

やっぱり顔かぁ、そう思いつつお金が足り無いことを忘れて、店員さんのおっさんに声をかけてしまう。


「これ20万円だけどいいかい?」

「あ、そういや金ないんだった..」

「5万、5万にしてくんない?おっさん」

「なんだい君、いつも来てるギャルの子じゃないか流石に5万は無理だよ」

「ウチがいつも来てるってわかってんだ?じゃあこのショーケースの下に置いてあるカメラ何?前まで無かったよね?」


天ノはそう言って、ショーケースの下から小型のカメラを取り出した。

「それは...貴方、盗撮していたの?」

「そ、それはそうだ..監視カメラが落ちて転がったんじゃないか?」

「ふーん、普通のカメラ全部設置されてるけどぉ、いつも来てるって自分で言ったのにウチがカメラの位置気づいてないとでも思ってんの?ウケないんですけど、でどうする?」

「わかった、わかった5万でいい、持ってけ、だがこの事は警察には」

「わかってるって、これからもこれをネタに揺すれるしね、じゃあ行こう2人とも!」

「お、おう...行こうぜ椿」

「そうね、行きましょう」


天ノはカメラを握り潰し店を出て行った、怖いなギャル、これはまた別の話だが後日その店に再度椿と2人で立ち寄った際、店の人は若い女の人に変わっていた、さらばだおっさん。

かくして俺は闇魔導石のブラックダイヤモンドの指輪を手に入れたのであった。


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