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どうやら俺は異世界【線】に転移したらしい。  作者: 陸奥 彼方
第1章 始まりは常に到達に。
15/16

15話 【影山、遂に放つ。】

書くことがない。

 自分の手に握られた相棒の木刀を握りしめ自分が魔法を使える姿を想像する、するとみるみるうちに身体に力が込み上げ、遂に俺は超強力な魔法を放つことが出来た。

 なんて事は無いのである。

 俺達2人は俺の提案の元、本来なら放つことの出来ない魔法を椿の魔力供給を力として放つべく、闇笠操やみがさそう先生と組手?をした際の公園に訪れていた。


「いやぁ...でもなんかなぁ、失敗したら恥ずかしいしな..」

「何グズグズしているの?自分で力を借りれば魔法がぽんぽん放てると言ったんじゃなかったかしら?」

「そうだよな...頼む」


 俺が椿つばきに合図をする、椿は俺の背中に手を当て力を込めた。

 生まれて初めて味わうような、なんとも表せづらい感覚が体全体を走った。

 例えるなら...えーと、うーん...まあ大体察してくれ。


「今は炎の魔力を送っているわ」

「さあ燃え上がれ!俺のコスモ!」


 するとみるみる内に全身に滾る炎の力を感じ取ったような気がした。


「こい!」


 その言葉と同時に剣先から光が出てきて、5メートルほど先が爆発した。


「うわっ!びっくりしたぁ...でもすげぇ!出来たぞ俺!」

「ええ..でも少量の魔力しか送りこんで無いのにどうしてあんな爆発が?おそらくキャパが存在しないからかしら、とにかくあんな危険な事させられないわ、炎属性は却下ね」

「そうですよね..正直俺もあれは使いこなせる気がしない」


 大体?火とか別にライターありゃ使える汁むしろライターの方が便利と言えるし?うん別にいらないわ。

 かといってこれで諦めるほど簡単な男じゃあない。


「次は水だ、俺はクールな男だからなそっちの方が合うかもしれん」

「都合のいいように解釈しすぎじゃない?」


 戸惑い気味に再度椿は俺の背中に手を当て力を入れる。

 お、今度は何かさっきとは違い何か手応えがあるな、今度こそ成功するかもしれない。


「セイレーンよ俺に力を!」


 ポタ..と広げた掌に水滴が一滴落ちる、これは?まさか本当に成功したのか?

 俺は驚き咄嗟に真上を見上げる、そして大量の水が俺めがけてドバァっと降ってき...いいや、落ちてきた。


「え?グガッ!?...ゲホッ..オエッ..」

「ギリギリで離れて良かったわ...大丈夫刀真君?」

「ハァ...ハァ..これで大丈夫だと思うか?」

「そうね、ごめんなさい」


 どうやら俺には水魔法も向いていないらしい。

 その後も林、風、土、光と試していくものの一向に使いこなせる様子は無かった。


「くそ...どれもダメか..」

「いいえ、まだ残っているわ、その属性は闇よ」

「闇?」


 闇属性、それは操先生が使っている魔法と同じ魔法と言うだけでその他の情報はあまりよくわからない、調べれば済む話なのだが俺は生憎自分は魔法を使えないと思ってたので、調べる気にすらならなかった。


「闇魔法か...陰キャそうで嫌だな」

「実際陰キャでしょ?前は友達いたとか言ってたけど、信じていいのかしら」

「いやそれは本当だって信じろよ」


 にしても闇魔法...未知数すぎる、どっかの異世界ループだとデバフ効果みたいな仕様だったがな..いまいち発送しづらいよな、闇ってなんだよ闇って。


「いい?私闇属性の適性はほぼ無いの、少量しか送れないから、過度な期待はしないで」

「してねぇから大丈夫、お願いします」


 今までと同じように椿は俺の背中に手を当て

 力を込める、すると今度は今までとは違う、なんていうの違和感?ぞわぞわするというか、とにかく気持ち悪い感覚が俺を包んだ。

 恐怖心では無いが、震えが止まらない、するとみるみる内に身体が黒いもやの様なものに纏われていく、そうかこれが操先生の使っていた..。


「なんだこれ...何かが...滾ってくるような..ははは..今なら、1人くらい殺せるんじゃねぇか」

「あら、危険な状態のようね」


 椿は直ぐに手を離す、俺の身体からその違和感は消え、不思議と身体はグダッと地面に倒れた。


「相当危ない状態ね、なんでかしら?まあいいわやっぱり貴方に魔法は無理...」

「い..いいや待ってくれ、一番しっくりくるんだ、闇魔法」

「しっくりて、その状況で言う?」

「はは..それもそうか」


 軽くなった身体をゆっくり起こす、たしかに他の属性と比べ身体に影響は強いが、だが確実に何か他とは違う、気がする..ような感じがしなくも無い..。


「いいわ、じゃあこれからは少しずつ闇魔法に慣れていきましょう、下手すりゃ身体が勝手に魔法を覚えるかも、まあ私は魔力ない人なんて初めて見るから知らないけど」

「適当な事を言わないでもらいたいな」


 それから1週間が経過した今、俺は操先生と神代と椿の3人に闇魔法になれるように練習してもらっている。


「お前が俺と同じ闇魔法の適正者なんてな、面白い」

「刀真の為に僕頑張るよ!」

「私が見てあげてるの、早く覚えなさい」

「覚えるっつったってなぁ..」


 毎回倒れるし、操先生にふざけて大量の魔力を送られた時なんかガチで意識無くして保健室連れ込まれたし、まあでも花先生がいるからいいんだけど...。


 だがしかし、確実に俺の中で何か芽生えそうな、そんな予感が確かに存在していた。

みんなこういうのって何かくのさ。

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