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どうやら俺は異世界【線】に転移したらしい。  作者: 陸奥 彼方
第1章 始まりは常に到達に。
13/16

13話 【一期一会。】

 入学から約半月が経った、学園生活にもだいぶ慣れ、クラスにもだいぶ溶け込めて来たと言えるだろう、だが友達がいるかと言われればいないと答えるしかない。

 なにより魔法が使えないというのは非常に周りからしたら不可解でクラスに1人はいる浮いてる子みたいになるのは仕方ないだろう。


 相変わらず操先生の指導は続いており、部活の顧問をしてないからか、しょっちゅう帰り際に俺の部屋によっては酒飲んでタバコ吸って、言いたい放題俺に言って帰っていく、生徒の冷蔵庫にビール保管しとくのマジでやめてもらいたい。

 俺は教室右後ろの席で授業の始まりを待っていた、右後ろの席は良くある窓側一番後ろではなく、廊下側なのだが、この席の方が好都合だ。

 理由は明白、廊下側の席ということは当然扉も近い、扉が近いという事はそれ即ち帰宅がスムーズに行えるという事、これはかなりの利点だろう、まあ家すぐそこなんだけど。


「席につけ、みんな午後の授業で眠いとは思うが、これで最後だからな起きろよ、今日は自分の将来について班をつくり意見しあってほしい」

「え...嘘だろ」


 これは厳しい、そもそもこの半月適当に過ごしてきたが、よくよく考えれば本来俺が望んでいたのは魔法使って、美少女と出会い魔王を倒し一国の王になる、これが俺が異世界転移したらしたかった事だ。

 だが現実はそう甘くない、現状俺は今までと変わらない世界に魔法という概念が加わり、それでいて俺だけが取り残されている、そんな俺に将来なんてあるんだろうか、思えば思うほど不安は募るばかりだ。


 そして何より問題なのが俺の班なのだが...。


「えー何それぇ将来についてとか分かんなくなぁい?めんどくさいんだけど」


 俺の前の席の女子が文句の言葉を口にする。彼女の名前は天ノ 翼 (あまの つばさ)

 程よい褐色肌にピンクのグラデーションの入れた茶髪のいわゆるギャルの様な女子、普段は普通な女子の様に見えるが、さすがは異世界線という所だろう、登下校の際彼女はひびの入った輪っかと、黒い翼を出現させて自宅へと帰っていく...堕天使といったところか。


「まぁまぁ、いいじゃんカッケェッて、将来見据えてる女子とかさ!」


 天ノの不服そうな態度をみてその隣の男子がなだめる、こいつの名前は 涼気 霊 (すずきれい)青みがかった髪に普通にイケメン、性格には難ありだが、クラスをまとめる人間を1人挙げろと言われれば、確実にこいつを上げるだろう。


「な、お前らも俺の将来の夢聞いてくれるよな」


 そう言い彼は中に浮く複数の青白く光る飛行物体に話しかける、するとその光たちは霊の周りをふわふわ動き始めた、いわば精霊使いなのだろう、たまに霊が型に半透明のハムスターとか鳥とか戯れているのを見かける、おそらくそれも霊が精霊を具現化されたものなのだろう。


「文句を言っていても時間は過ぎない、ブレインストーミングで大事なのはお互いの意見を尊重しあう事だ、しっかり取り組んでいこう、さあ机を向けあってくれ」


 メガネをくいっとあげ、1人で手際の良い準備をこなす彼はクラスの委員長 導 学 (しるべまなぶ)彼は唯一の一般人なので何かと安心出来る相手だったりする、と言っても彼は頭脳明晰ずのうめいせきで頭の回転も早く魔法の腕もクラストップレベルと言えるだろう、是非勉強を教えてもらいたいものだ。


「話し合いは苦手です...」


 俺の隣でボソッと呟かれたその言葉の主は背のとても小さい少女 夢見ゆめみベル、俺が始めてこの席に座った時に自己紹介をしあったのだが、彼女はどうやらドワーフの端くれらしい、まだまだ自分にドワーフを名乗る資格はないだのなんの。

 休み時間や昼休憩の際、編み物をしていたりするし、まるでお手本の様なお弁当を持ってきたりしているので、だいぶ器用な子なんだろう。


「よし、ではまず僕から発表しよう」

「ウチは絶対イケメンでお金持ちの人と結婚するんだぁ」

「俺の将来はなぁ、沢山の友達を作ってだなぁ、それからそれからそれ...Zzz...」

「え、ええと私は立派な工芸品を」


 どうやら自分の主張が激しい奴ばっからしい、元気というかなんというか..てか少しは空気読めよ!?

 まだ読み取るには早い気もするするが、うちのクラスは決して個人がバラバラという訳でもなく、比較的に他のクラスより全体の仲はいいように見えるが...個性のぶつかり合いが激しいクラスでもある。


「ストップ、ストップだみんな一度順番をだな、というか寝るな涼気」

「ハッ..寝ていた、危ねぇサンキュなまなぶん」

「まなぶんって呼ばないでくれるか..」


「いんちょー、めんどくさいわ内やんなくて良いよね」

「いいやダメだ、ちゃんと参加してもらう」

「えー」


「夢見さんに影山君達もだ、ちゃんとにやろう」

「いやまだ俺は何も言ってねぇよ...」


 なんで俺までなんかうるさい扱いされてるんだ癪に触るな。

 とは言え、委員長のお陰で話は円滑に進んで言った。


「僕の夢は勿論政治家だ、難しいとみんなが思うのは当然だろう、だが僕は子供の頃から夢みていたのさ、自分で国を変えたいとね、そして自分達、そして自分達の次の世代が生きやすい様な世の中にしていきたいんだよ」


 素晴らしい意見だな、と素直に関心をした正直政治家になるなんて馬鹿げてるなとは思うが、それでも自分のやりたい事を明白にしそれを成し遂げる程の力量を委員長はおそらく持っているでろう、でなければこんな堂々と政治家になるなんて言えたもんじゃない、恥ずかしくて俺なら無理。


「無理っしょ」

「む、無理ではない」

「まなぶん、夢はでっかけりゃ良いってもんじゃねえぜ」

「政治家って難しそうです...」

「頑張れよー」


「いやみんなブレインストーミングは他人の意見を否定しては..」

「じゃあ次ウチね」


 どうやら委員長の必死の抵抗は虚しく天ノのターンに入ってしまったらしい、あ、委員長ちょっと涙出てる、可哀想になってきたな。


「ウチは絶対にイケメンでぇ、金がある人と結婚する、自分でも言うのはなんだけどウチ美少女じゃん?それに魔法も色々使えるからそれを活かして海外に移住するの」

「はん、それこそ天ノさん君の意見こそ無理に等しいじゃないか」

「あ?」

「い、いやなんでもない」


 弱い!委員長弱いよ確実に、今クラスの表面上ではなく裏の権力者を見つけてしまったよ俺は、ああ怖い怖い。

 にしても天ノの海外移住というのは少し賛成だ、いくら自然環境云々言っても、結局日本である事には変わりないからな、海外に出てみればこことは違った魔法との出会いもあるだろう。


「す、すごいですね海外移住とか..ベルには無理そうです」

「んー!!大丈夫だよベルにはベルの良いところあるし海外でも役立つって!どうせなら一緒に移住しちゃおっかぁ!」


 ぱっと見性格がきつそうな天ノも夢見やその他可愛い系女子にはこんな態度だ、意外ととっつきにくくないのかもしれないな。


「次は俺かぁ、俺はねぇかなー、正直まだ将来の事とか考えられないわ、色々あるじゃん?選択肢ってさ、だからまだ模索中というかなんというかって感じか」


「え、あぁ!良い意見じゃないか!涼気そういうのだよそう、別に何も無理やり出せっていうわけじゃないんだ、そういう意見も大事なんだよ、そこで他の僕達が、《ならこういうのはどうだい?こんな道に進むのが良いんじゃないのかな?》と意見を出し合うのがブレインストーミングなんだよ!」


 一番まともな意見をしなさそうな涼気がちゃんと意見を出した事に対して驚いて委員長は慌てて褒めてる、頑張ったぞ涼気。


「ごめんな、まなぶんちょっと熱すぎて引く、まあでもそうだよな、こういう意見も必要だよな流石俺」

「自惚れんなしぃ」

「うっせうっせ」


 しかし、涼気の意見は俺と似ているな、俺の場合その理由が違うが、正直取り柄もあるわけではなく何になるかなんて未来のこと考えてる暇はないというのが自分の中で結論づけた答えだ、魔法も使えないしな。


「わ、私は..立派な職人さんになりたい..かな..でもやっぱベルには無理かな」


 夢見が恥ずかしいそうに言う、すると他の3人が、一斉にフォローを入れ始める。


「大丈夫だ、君は器用な人じゃないか、夢は必ず叶うよ」

「大丈夫っしょベルちん、精霊たちもそう言ってるし」

「なれる絶対なれる、なんか作ったら私それ100個くらい買っちゃう!」

「なれるんじゃないか?夢見なら」


 一応俺もフォローを入れる、あまり話した事はないが、隣の席にいるのにフォローしないってのは人として最低だろう。


「あ、ありがとうございます..刀真君の夢はなんなんですか?」

「俺?...俺は涼気と同じかな、俺って魔力無いだろ?だから役立つことなんて無理なんじゃ無いかって思ってさ」


 グループ内で沈黙が走る、原因は俺の発言だろう今までみんな気づいてはいたがあえて言わないでいてくれた事を俺が話してしまったから、なんて反応すればいいのかわかってないようだ、マジごめんみんな。


「あ、いやごめん別に空気を悪くしようとしたわけじゃ無くて」

「そうだな、人は魔法だけじゃ無い何、むしろそれが功をそうす道も必ずあるはずさ」

「そーそー、気負わなくていんじゃね?」

「人生ノリだぜ刀真っち」

「いい人だから...大丈夫です!」


 あぁ...異世界転移してきてよかったなぁ、こんなにも優しい人達と出会えるなんて。

 みんなから励ましをもらった俺の目からは自然に涙が零れ落ちていた。




新キャラ4人!

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