33話
(注)この物語には流血、いじめ、殺人等の残酷な描写を含みます。苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。
また、犯罪行為を助長する意図はございませんのでご理解いただけますようお願い申し上げます。また、この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実際のモノとは関係ありません。
『王様だーれだ!』
そんな掛け声とともにくじを引いて、みんな自分の番号を確認する。すると真っ先に声を上げたのは伊織だった。
「あ、僕が王様だ」
「伊織かー、じゃあ命令なににすんだ?」
「……そうですね。冬木先輩、5番は腹筋・背筋・スクワット共に50回とかどうですか」
「っげぇ!!伊織テメェぜってぇー番号見ただろ!!」
「何のことでしょうか、別に冬木先輩に王様ゲームとかいう絶対権力を使って苦痛を与えようなんてこと考えてませんから。というか僕がそんなことするわけないじゃないですか」
如一は見事に自分の番号を見事に言い当てられ如一は、叫びながら見ただろ、と叫ぶ。千里はその事を既に予想していたかのように耳を塞いでいた。伊織はしれっとしながら、言い放つと少しニヤリと笑った。如一は「ちくしょう……!!」と若干悔しがりながら、それぞれ50回始める。
「マジでやるんか……」
「やる。ムカつくけど俺言い出しっぺだし……」
「あれ意外ですね、先輩のことですから、”お前の命令なんか死んでもやるか!!”とか言いそうなのに」
「お前ほんっと失礼だな!!俺だってルールくらい守りますぅー!……てかお前これ筋トレだろ!!きっついんだよ!」
「……なんか話しながらされるのは癪に障りますね。まだまだ余裕そうじゃないですか。もう100回ぐらいプラスしますか?」
「キツいって言ってんだろ?!」
千里の呟きに如一がむくれたかのようにしながら答えると、伊織が小馬鹿にしたような口調でおちょくる。……一応敬語で。しかし、当然如一は会話しながら、伊織からの命令をこなしているわけで。伊織は若干こいつ人間じゃないのかも、とか思いながら次憂ある機会があれば倍にしようとか今日の部活の時は4倍2しようかな、とか考えていた。
「あー、終わった終わった!次俺が命令する側になったらぜってぇーお前に同じことさせるからな!」
「ガキかよ……」
「うっさい!!お前にしちゃうぞ!!」
「やりたきゃやれよ……」
終わると同時、如一が声を上げた。千里はその発言を聞いて確実呆れたような声を上げながら千里に突っかかる。千里ははいはい、という態度で再び始めるために棒を集めると、手の中でくるくると軽く混ぜて、何がどこにあるかわからなくしてから、みんなの前に差し出した。因みに如一はいじけたかのように机に突っ伏していた。
「……ほら、如一。もう一回やるんだろ?その口振りだと。くじ引かなきゃなんだから、早くしろよ」
「やる!!」
そんな様子の彼女に千里が声をかけるとものすごい勢いで顔を上げるとやる、と声を上げた。
『王様だーれだ』
「あー……。俺かどーしよっかな……」
今回の王様は千里で、特にしてほしいこともなかったし、やらせたいことも無かった。そこで思いついたのは過去の失敗談や喧嘩したこと、でその中でもやばい菜と思う事だった。
「……んじゃあ5番は過去にやったことある失敗や怒られたことや喧嘩したことでこれはやばいなって思うことを包み隠さず話せ。その事についての質問には嘘偽りなく話すこと。この場にいる当事者がいるなら底で嘘をついたことが分かったらそうだな、んー、じゃあ4番に羽交い締めにされること」
「……5番俺です」
「へぇー、翔太かぁ、伊織ちゃんに対してたっくさん怒られるようなことしてるよねぇー。話してみなよぉ」
千里が、命令を下すと翔太が気まずそうに手を挙げた。それを見た楔はニコニコと笑いながら、口を開く。翔太は笑顔の裏に隠されている感情に気がついてたし、もちろん千里もすぐに気がついた。軽く服の裾を引っ張ってから、翔太に話すように目で合図を送った。
「……まぁ、うん。俺1回だけさマジで伊織のこと怒らせたことあるんだわ」
「は?伊織さん怒らせたの?翔太くん何やったの?相当やばいことしたんでしょ」
「……猛省しております。……まぁそん時がさ伊織との約束忘れてさ、破ったことあるんだよね」
「あー、そりゃお前が悪いよ。てか多分俺それ知ってるかも。とんでもない殺気が隣のクラスからしてたからなんだと思って暇だったのとどんなやつなのかなって思って暇だし、見に行ったんだよね。話の内容は聞こえなかったけどよ、こそこそ話で橘さんに翔太君が怒られてるって。あれ何があった?」
千里はあの時のことを少し思い出しながら何があったのか、と聞き出す。
「そ、それがわすれちゃってさぁ……あははは……」
「へぇ……翔太忘れちゃったんだぁ……。僕はまだ意外と覚えてるんだけどなぁ……。そんなに羽交い締めにされたかったりする?」
「……!!ごめんなさい今すぐ言います。……実は、伊織との約束ってのはマジで忘れちゃったんだけど、その日なんで約束破ったかって聞かれると耐久ゲーム大会にクラスのやつに誘われてさ……。断りきれず……」
「はい、翔太ダウト〜。僕ねぇ、翔太から誘ってるの見たよぉ」
「あ、ちょ楔ばかやろう!」
千里の質問にはぐらかすかのように口を開くと伊織から睨まれ、まさにライオンに睨まれたネズミのごとくぴゃっと萎縮するとシドロモドロになりながら話し始める。が、途中で嘘をついていたことをあっさりと楔にバラされる。翔太はその瞬間に子犬のようになる。が、やはりそこは千里。慈悲はなかった。
「……よし4番。羽交い締め」
「翔太、覚悟しててね?」
「楔の裏切り者!!」
「僕は伊織ちゃんの味方だから〜、翔太の味方にはなりませんー。そもそもなった覚えないし〜」
それが最後でその後は、一人の男の謝罪が学校に響いたのだった……。
「うう、痛い……」
翔太は体をさすりながら棒に手を伸ばした。ちさとはその言葉を一蹴にすると、棒に手を伸ばした。
「自業自得。じゃあ第三回やるかー」
「なんか千里ノリノリになってきたねー」
「うーん、まぁ久々にこうしてみんなと話せたし、楽しめてるから?」
「楽しんでたんだ……。まぁ、僕も楽しいよ。冬木先輩の案ってのは凄いむかつきますけど」
「お前もかよ。俺もなんかこう如一の案で楽しめてんの腹立つ」
伊織の言葉に千里が返すと、意外そうな顔をしながら、自分も楽しい、ということを伝えつつも如一の案で楽しめているのは腹立つ、と言うと千里は真顔で返す。その二人の掛け合いに如一が声を上げた。
「ほんっと俺の後輩が可愛くない!!」
「「は?」」
如一の言葉に声を揃えては?と返す。お互い声のトーンや、言い方がそっくりで少し笑う。その様子を見ていた翔太は呆れた声でこちらに声をかけてきた
「つかお前ら変な茶番やってないで早くやるぞ」
「「「うわ翔太に命令されたのむかつく」」」
「お前ら実は仲良しだろ!!」
「誰が冬木先輩なんかと。千里とは……」
「俺も誰が如一と仲いいって?まぁ……うん。伊織はな」
「ほんとお前ら嫌い!!」
翔太のことばに3人は声をそろえ、反論をした。しかし、伊織と千里はお互いのことを微妙な関係だ、とでも言いたげに言葉を濁す。
それも当たり前だろう。千里と伊織は昔、諍いがあった。中学の頃だった。その事が千里はずっと気にかかっていた。
「ほら伊織ちゃんも如一も、くじ引こう?千里ちゃんも笑って笑って」
二人の顔が少し暗くなったことに気がついた蒼は三人に声を掛け、早く始めようとそう促す。




