純愛少年と容赦無き小林
掲載日:2016/01/07
胸と、顎を殴られた。
頭はクラクラ。
胸はキュンキュン。
脳震盪と不整脈である。
コンディションは最悪だ。
しかし、恋する中学生の矜持にかけて、俺は全力で求愛する。
「小林、好きだ!」
そう言いつつ、階段から跳躍。
踊り場の小林に躍り掛かる。
空中で、彼女の視線にとらわれる。
再度、キュンキュン。
トキメキである。
鳩尾に掌底を受ける。
三度、キュンキュン。
不整脈である。
「どぐうッ!」
と、呻きつつ、17号に腹を殴られたピッコロのポーズを披露。
そのまま、メゲずに、ウィンクを放つ。
すかさず、回し蹴りが跳んでくる。
これを、左のコメカミで受ける。
頭がクラクラ。
再度、脳震盪である。
薄れゆく意識の中で、確かな手応えを感じる。
――目つぶしされなかっただけ、昨日よりマシ。
――確実に、俺達の恋は発展している。
――外堀は、少しずつ、埋まっている。
――ああ、小林。
――愛してるぜ……。
コメカミに覚えた爪先の感触を反芻しつつ、
俺は意識を失っていく。




