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百合香る死闘(後編)

舞台裏での相談にて。


ソウジ:今更だけど『吸血鬼』の効果ってソウジにとって天敵以外のなにものでもない。当たるしがつっと食らうし、ワンチャンロストあるで。ブラッドサッカー化して。

カレン:なんですよねー!だからもう怖くて怖くて……。ダメージロールが怖すぎー。

ソウジ:これ……逃げもあり?

ルース:まあ頑張ってみよう。いけないことはない。はず……。相手のMPも削れてきたしね。

ソウジ:せやな……頑張るか。

カレン:もーちょっと頑張ろう!

GM:耐え切れたら(ヴァンパイアリリィ側が)ジリ貧だと思うな。

ルース:1ラウンド目でがつがつ減らせたんだし、耐えるべし。耐え切った時用にMPは温存。

ソウジ:あと5ラウンド過ぎてからが勝負か……。

GM:インスタント・ブランデッドが効いてる間はきついね。

ルース:まあ、効いてても相手の魔法乱舞がなくなればちょっとはいける……。

ソウジ:とりあえず勝った時のソウジの酒飲む理由は今決めた。何も理由なしにのんだらルースちゃんに止められるなぁって思って!

ルース:もったいないから杯買ってからにしなさい。(PL側の意見)

カレン:(笑)

ソウジ:穢れの杯たっかいなぁ。(笑)

ルース:とりあえず、ルースがこのターン動けなかったら結構望みはないと思います。

カレン:そう思います。

ソウジ:運命のダイスロールだね。


ソウジは倒れランケは操られ、インスタントブランデッドに苦しみ。

それでも諦めずにいざ挑む、運命の5ラウンド目!

◆5ラウンド表、プレイヤーターン◆


ソウジ:そしてこのターン、ランケさん敵なんですよねぇ……。

ルース:ランケ何するのかな。

GMランケ:何するんだよこの状況で。(ヴァンパイアリリィはHPMAXだった)

カレン:まさかのやることない状態?(笑)

ソウジ:トランスファー・マナポイント。(ぼそっ)……くらいしか思いつかないなぁ。

GMランケ:それはしようか悩んだ。最大限有効に支援する、だもんなぁ。

カレン:やるの?やるの?(震え声)

GMランケ:これやったらもう勝ち目無いよね。まだMP60残ることになる。……でもそれしかなさそうだ。他の支援は効果が薄いし。

ルース:あー、私が動けるかどうかで決めたら?ランケがどう動こうがやること変わらないし先にやってみる。

GMランケ:OK。

ルース:だめだったら逃げるしかないかもしれない。(ころころ。出目1)……だめだった。

ソウジ:終わったかもしれんね。

カレン:全滅が見えます。

GMランケ:見えるな。……忌憚なきご意見をお願いしたい。ブレスかトランスファー・マナポイント。どっちがこの場面にふさわしいかな。

ソウジ:トランスファー・マナポイントかな……?

ルース:らしいのはトランスファー・マナポイント。

カレン:トランスファー・マナポイントだろうなぁ……。


全滅したくはないが手を抜かれて勝ちたくもない。満場一致だった。


GMランケ:……あ。ごめん気づいちゃいけないことに気づいた。

カレン:へ?

ルース:なんだなんだ。

GMランケ:ヴォーパルウエポンSをリリィに。

ソウジ:あっ。

ルース:あっ。

カレン:ランケがやべえー!

GMランケ:こいつ敵に回したら心底ダメなやつだ。で、トランスファー・マナポイント。

ルース:「ら、ランケのばかーー!誘惑されすぎーー!」メディテーションとれ!!

GMランケ:次の成長で取るわー。……あったら。

ルース:全滅が見えるぅ……。

GMランケ:(ころころ。魔法行使)うん。ピンゾロじゃない。残ってたMPは全部リリィに。

ルース:くう……。


MP枯渇を狙って耐え切る戦法もこれで崩れ、一気に絶望的になった。


カレン:良心はログアウトしました……。(最初からなかった気がする)判定いきまーす。(ころころ)へい。(出目2)

GM:へいへい。

ルース:あかーん!



◆5ラウンド裏、エネミーターン◆


百合の香気は、ランケ以外が抵抗成功。


ソウジ:ランケーーーー!

カレン:ランケが……こうなるとは……。

GM:まぁ、もうする事無いよ。立ってるだけ立ってるだけ。

ルース:MP0だからな……(笑)正気に戻ったらびっくりだ。

GM:これはもう物理か。ランケを狙って、(ころころ。ころころ)おっと、6ゾロで回避。ではマルチアクション分、ブラスト。

ルース:ランケ潰しにきたか。このラウンド耐えたらもっちょいがんばるか……?回復できるかにもよるけど。

GM:抵抗されて、13点。インスタントブランデッドの追加行動はなし。



◆6ラウンド表、プレイヤーターン◆


ルース:とりあえず動く。(ころころ。出目3)だめだったーーー!もーーーー!

ソウジ:あああああああああ。

カレン:動けたらいいなー。(ころころ。出目1)へい。

ルース:だめだ。

GMランケ:ランケは特にすることなし。



◆6ラウンド裏、エネミーターン◆


ここにきて、全員百合の香気に抵抗成功。


カレン:おおおお!ランケぇー!

ルース:やっとかよ!

ソウジ:やっとか!

GMランケ:ほんとだよ!

ソウジ:でも倒れそう……。(回復もしばらくなかったため、ランケのHPは随分削られていた)

ルース:「ううー……ランケぇ……(半泣き)」

GMランケ:「悪い。まじで」

ルース:だがまだ敵のターン。

ソウジ:絶対にリリィさんこのターンでランケ倒すじゃないですかーーー!

ルース:出目悪くない限り倒すだろうな……。

GM:マルチアクションの宣言、物理から。ランケに(ころころ。ころころ)命中、『双爪』を選択。防護点引いて12点と16点。倒れた。生死判定は(ころころ)成功。

ソウジ:ランケーーーーー!

ルース:「ら、ランケが倒れるなんて……!」あんまりなさそう。

GMランケ:今まではなかったんじゃないかな。

ソウジ:あんまりないと思う。

カレン:珍しい。

GM:「つまんないわね。じゃあ」ショックをルースに。(ころころ)行使は成功。抵抗:必中なので物理ダメージをHPとMPに与える。28点ずつ。

ソウジ:ここで4以上出たら……。

GM:(ころころ。出目5)追加行動、あり。

ソウジ:あっ。

カレン:あっ。

ルース:くっそうー。「私も倒れたら、カレンおねーさんだけでも逃げて……!」

カレン:「逃がしてくれそうにないけどね……」

GM:ブリザードにするか。

ルース:両方倒れそうだな……。

GM:がんばれ。

カレン:がんばる。(白目)


二人とも出目が悪く、抵抗失敗。だが続くダメージダイスは運良く出目が奮わず、生き残ることに。


GM:マルチアクション分は何も出来ないし、どうぞ?



◆7ラウンド表、プレイヤーターン◆


ソウジ:といってもどうするの……?

ルース:このターンからインスタントブランデッド消えるっけ?

GM:これが最後の発動ターンだよ。

ルース:まだ残ってるか……。運命のだいすろーっる!(ころころ。出目4)っしゃああああああ!

ソウジ:おおおおおお。

GM:おおっと。ここで4が出る辺りが渋い。

ルース:あ、でも後で動いたらよかったな。じゃないとアウェイクンしても……。うーーーむ、ちょっと待って。……ああ、レベル12だったらエスケープが使えた。レベル上げてないのがここで響くとは。


逃げることも考えたが、二人を置いていけない。

ランケとソウジを起こしても、次の攻撃に耐え切れないかもしれない。

回復してからカレンがアウェイクポーションを使いに行く、という意見も出たのだが。


ルース:……カレンが動けるとは限らないのよね。ソウジって自分でヒールポーション飲める?

ソウジ:起きれば飲めるよ。(インスタントブランデッドで)動けないと二回は飲めないけどねぇ。

GMランケ:ランケは一人にハートする魔晶石はあるんだ。10点魔晶石を持っとけばよかったな。このターンを凌ぐということでOK?

ルース:うん、ということで。ティルダンカルなんとか宣言、数拡大で二人にアウェイクン。(ころころ)成功。「二人共おっきろー!!」

ソウジ:「っ……どれくらい倒れてたんでしょう……」

ランケ:「30秒ぐらいか。今日はふがいないところを見せるな」

カレン:「ここから挽回挽回!」

ソウジ:「……30秒倒れていたら死かと思っていましたが」

ルース:「今でも十分死にかけなんだから!気合入れてよね!」

ソウジ:「後ろにはいかせませんよ……死んでもね……」先に動く。ダイスローーール!(ころころ。出目1)うん。

カレン:にゃあああああああ!

ソウジ:せめてトリートポーション飲むよ。(ごくごく)17点回復。

カレン:行きまーす!(ころころ。出目4)へえええええええい!

ルース:おおおおおおおおおお!

ソウジ:おおおおお!

ルース:誰か回復したげてー。最悪私は倒れてもいい。……前衛どっちも百合にやられそうな可能性を考えると、私を回復かもしれんが。

カレン:あー百合もあるんだったな。

ソウジ:その場合斬り合いか。

GMランケ:おう。倒されてるかも知れんぞ。

ソウジ:あぁ。

カレン:ルースちゃん回復しとこう。

ソウジ:ルースでいいんじゃないかなぁ……?ルース死んだら詰みでしょ。

GMランケ:ヒーラーが止まると終わるのはここまでの戦闘で(以下略)

カレン:ってわけで、ルースちゃんにヒーリングバレット。活性弾で19点回復。

ルース:わかった。死ぬなよ二人共!「ふわー!ありがとうカレンおねーさん……!」

カレン:回復手段少ないのが泣けるわー。

GMランケ:では練技とリカバリィで回復。マルチアクション、キュアハートを自分に。(ころころ)ピンゾロ。

ソウジ:あっ。

カレン:えええええええええ。

GMランケ:なんだろう。今日のランケは呪われているんじゃなかろうか。

カレン:これは予想してなかったわ……。

ソウジ:これはひどい。

GMランケ:攻撃分でブリンク外して終わり。



◆7ラウンド裏、エネミーターン◆


GM:「起き上がったことは褒めてあげるわ」


このターンの香気は出目が高く、カレンは変転を消費し、ソウジとランケが操られることに。


ソウジ:しかもこれメディテーション切れてるじゃん自分……。無理ー。

GM:そういえば使ってなかったな。「……でも。もうそろそろおしまい」


「そうね。最後にチャンスをあげましょう。祈りなさい。私に穢れが背く事を」


GM:マルチアクション。インスタントブランデッド、リリィを対象に。(ころころ)行使判定は成功。

カレン:めっちゃ祈るわー!

ルース:「最後まで諦めないんだからね!……キルヒア様、お守りください」

GM:ランケに攻撃、……6ゾロで回避された。

カレン:おおおおおおおおお!

ソウジ:おぉ!?

ルース:回避したー!(笑)

GM:で、追加行動は……(ころころ。出目6)

ソウジ:あああああああああああああああ。

ルース:ぐう。

カレン:ぎゃあああああああああ!

GM:「ラッキーは続くかしら」ランケを殴って、(ころころ)命中。打点が出る『吸血鬼』を選択。防護点から引いて22点ダメージでマイナス14。生死判定は(ころころ)成功。

ルース:「ランケ……!」

ソウジ:待て……これランケ攻撃が一番かと思ってたけど……倒れたらソウジ後ろ行けるぞ。

GM:倒れてなくても後ろ行けるぞ。

ソウジ:せやな。影走り……。

GM:「あなたは私の味方だものね」とソウジに。

ソウジ:「…………」

GM:「あら、冷たい」

ルース:そいつ殴っていいですよリリィさん。

ソウジ:どうせなら殺せよぉ。(笑)

GM:で、ブリザードをルースとカレンに。


この辺りになるとヴァンパイアリリィのピンゾロを祈る言葉がちらほら。

だが祈りも虚しく、二人の出目は悪く魔法に抵抗できない。


ソウジ:あぁ……これは……。

ルース:あ、だめだ……。

カレン:うん。

GM:ピンゾロ以外で二人共落ちるな。ルースに30点。カレンに……二回転して51点。

ルース:あっ。

ソウジ:!!!???

ルース:「そんな……」倒れる。(ころころ)生死判定は成功だけど……。

カレン:えーとマイナス23かな。生死判定いきまーす。(ころころ)……21。死んだ。

ルース:うっわあ。

ソウジ:カレーーーーーーン!

GM:うわぁ。

ルース:(カレンのキャラシ見て)あ、奇跡の首飾りあるじゃん!振り直せるよ!

カレン:はっ!(ころころ)丁度成功。生きた!

ルース:でも全滅だな!これはアカン。

ソウジ:ソウジはこのターン何もすることないしな……。動けたらみんな背負って影走りで逃げれますか?(笑)とか聞くところだったんだが。



ランケ、ルース、カレンは倒れ、ソウジは操られたまま。戦いは終わりを迎える。

そして―――



「ふふ。いい子ね」


百合の香りに耐えられず、自我を失い虚ろな目で立っているソウジに、ヴァンパイアリリィは微笑みかけた。

そして無数のコウモリとなって、ゆっくりとソウジを取り囲む。


「よくがんばったわ。冒険者。ゆっくりとお眠りなさい」


コウモリたちが離れる頃には―――切り刻まれた無残な死体が転がっていた。


「ああ。あなたたちもだめなの。……当たり前よ。人族に私を殺せないわ」


だが、ソウジの体に、ヴァンパイアリリィの手がそっと触れる。続けて紡ぐ呪文は、『ブリザーベイション』だった。死体を守る魔法。


「勝手なことをするな」


低い声と共に、すぐさま鋭い爪がまだ息のあった者の胸を貫いた。


「ここで葬り去る。それが正しいだろう」


残った者の喉を切り裂く。間違いなく死を与える。まだ生暖かい血がしぶき、可憐な細い手が赤に塗れる。


「私はヴァンパイアリリィ―――『いえ、私はあなたとは違う』」


すぐに、同じ口が否定した。複数の意識がせめぎ合う中、少女は呪文を唱えていった。


『あなたに飲み込まれる前に、私はあなたを止める手を打たせてもらう』



―――後日、『星屑の旅団』の邸宅の前に、四人の死体があった。

ここまで読んでくださりありがとうございます。


編集していてダイス目が当時思うより悪すぎて笑えていました。

どうして最後までまだいけると思ったのか。(笑)


全滅となりましたが、続きます。ぶっちゃけ2部構成です。


最後までお付き合いくださると幸いです。

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