百合香る死闘(前編)
『閉ざされた街』シムティエールにて、以前倒したヴァンパイアリリィと邂逅した冒険者たち。
ヴァンパイアリリィとしての生を終わらせて欲しい。
その願いを叶えるため、戦いが始まったのだが―――
◆2ラウンド表、プレイヤーターン◆
ランケが百合の香気に抵抗できず、そして他の三人はインスタント・ブランデッドを受けてしまい、2ラウンド目にして動き辛い状況に。
ソウジ:このターン私はランケに攻撃されるのか。またはランケはリリィの補助するのか。
GM:どっちもだろ。
ルース:ランケェ……。
ソウジ:マルチアクション持ってるんだった!
プリースト技能も持つランケは味方であればいかなる状況にも対処してくれる心強さがあるのだが、今回はそれが裏目に出ていた。
話し合いの結果、まずはランケの行動を見てから動くことに。
GM:ではランケから。まずはソウジにパラミスS。マルチアクションを宣言。デーモンフィンガーも。
ソウジ:きっついなぁ。(笑)「くっ……自分で食らうとしびれますねぇ」
ルース:「あー!ランケが百合の匂いにやられちゃってるー!」
カレン:「色々まずいー」
GM:んでブレスをリリィに。敏捷を上げる。
ソウジ:めちゃサポートしてる。(笑)
GM:(ころころ)おお、ピンゾロで不発。良心。
ルース:ごじってーん。
GM:よかったよかった。ではソウジ君をぶん殴る。
ルース:こっちはよくねえ!(笑)
カレン:もう一回良心こーい!
が、良心はログアウト。ソウジの出目も悪かった上に一回転し、43点の大ダメージを食らうことに。
ソウジ:「さすがですね……ランケさん……」HP残り29。
カレン:「ぎゃー!ランケぇー!」
ルース:回復するよお。まず行動できるかどうか(ころころ)よし!動ける!「ったー!負けてられるかー!」パラライズミスト(以下パラミス)Sをリリィに投げて、キュアインジャリーをソウジに。29点回復。あとちょっとで回ったのにー。(女神のヴェール装備)
カレン:ではカレンが判定いきまーす。(ころころ)うん……。(←ダイス運が割と悪い方)
ソウジ:うん。
ルース:カレンおねーさーん!
GM:ではカレンを覆う穢れがその動きを止める。
カレン:「っ……だー、動いてよぉー……」
ソウジ:どうかなぁ?(ころころ)動ける。とりあえず練技宣言、リカバリィで7点回復。スカーレットポーションを飲む。リリィさんに攻撃。
GM:ブリンクでかわすよ。
ソウジ:そうだった。二回目は当たって、(ころころころころ)三回転!45点。「回復するなら……何度でも斬る」
カレン:やたー!
GM:では防護点から引いて26点。
◆2ラウンド裏、エネミーターン◆
GM:まずは自動発動の百合の香気。
これには魔符を破ったりして全員が抵抗できた。
GM:10点魔晶石でブリンク、マルチアクションを宣言してジハドを使う。
ソウジ:また面倒なのを。
ルース:むう。
GM:「そこのカッコいいファイターさんがあなたの動きを邪魔してくれたのよね」パラミスSがかかってるソウジに攻撃。
ソウジ:そうだったー。
カレン:「かっこいくない!」ぷんすこ。
ルース:「わーソージ避けてー!」
GM:(ころころ)命中は33。
ソウジ:(ころころ)回避が24。うんむり。
ルース:ですよね。
カレン:ぎゃー!
GM:『吸血鬼』を選択。適用ダメージ分を回復……36点回復かな?HP満タン。
ソウジ:強いなぁこいつ。
インスタント・ブランデッドの効果は発動しなかったものの、今まで戦ってきた相手とは違う、とPLたちは感じ始めていた。
どんな相手でも手を抜いたりはしない、何時も全力でいくからこそあっさり倒せていたところはあるのだが、今回はそうもいかなさそうだ。
◆3ラウンド表、プレイヤーターン◆
ルース:じゃあソウジにキュアインジャリー、ティルダンカルなんとか宣言しといて行使判定を(ころころ)
カレン:ルースちゃん、(インスタントブランデッドの)判定、判定。
ルース:忘れてた。(←忘れっぽい)って動けなかったじゃないの!でもパラミスSは投げる!
ソウジ:この魔法面倒!
GM:「煩わしい……」
ルース:「こっちのセリフだよー!」
ソウジ:とりあえずブリンク分消したいから先動けそうなら動くね。(ころころ)出目4で動ける。よかったよかった。練技を宣言、トリートポーションを飲んで回復。一回目はブリンクで外れて、二回目は命中35。
GM:回避は29で当たり。
ソウジ:31点、防護点を引いて12点通し。こいつほんとゾンビみたいになってるなぁ。
カレン:ではカレン、判定いきまーす。(ころころ)へーい。(出目3)
ソウジ:どんまい。
GM:ではランケ。練技使って魔晶石で代用、マルチアクションの宣言。魔法はキュアハート。ソウジ君を19点回復。リリィを殴る。……「はやいっ」(当たらなかった)
ルース:「ランケしっかりー!」
◆3ラウンド裏、エネミーターン◆
百合の香気には全員抵抗。ランケは+3の魔符を、ソウジは変転を消費することに。
GM:変転使ったか。
ソウジ:使わないとやばいでしょう。
カレン:こわいよぉこわいよぉ。
ルース:ソウジだったらランケが殴られるだけとか思ったけどな。
GM:いや、ポーションがある。あるいは影走りで後衛に突っ込んでくるかもしれん。
ソウジ:何それ怖い。
ルース:何それ怖い。
乱戦関係なく移動できる影走り持ちのフェンサーは防護点の低い後衛殺しである。
GM:まずは魔晶石10点を割りながらブリンク。「そうねぇ。このまま続くとめんどくさいわ」
カレン:「もうすでに十分めんどくさいよ!」(←最初しか動けてない)
ルース:「うごけないーー」ばたばた。
GM:まずは……ソウジ狙うのが常道なんだよなぁ。ランケは防護点高いから。とりあえず殴る。命中34。
ソウジ:「きますか」回避29……出目で5勝たないと無理とか。(笑)
GM:二回攻撃できる双爪を選択して、35点と36点。
ソウジ:「……今のはききました……よ……」防護点引いて合計63点!HP残り9。
ルース:いてえ。
カレン:うわあああああ。
GM:「さようなら」マルチアクション分、魔晶石15点割りながらディメンジョンソード。
ソウジ:かっこよさそうな魔法キター。
ルース:フォースとかいうレベルじゃなかった。
カレン:フォースかと思ったが甘かったぜ。
GM:当然ソウジを起点に、貫通。巻き込まれ判定どうぞ。抵抗しろよー。ヴァンパイアリリィが右手を空中にかざし、呪文を詠唱する。
ソウジ:「……あれは!みなさん、よけて!!!」
ルース:(ころころ)皆避けた。(笑)
GM:巨大な刃が空中に顕現する。……かどうかは行使判定。達成値は出目3で25。
カレン:ごじってんこいこいこい。惜しい!!!
ソウジ:(ころころ)出目8で丁度抵抗したよ。
ルース:よかったーーーー。
GM:ヴァンパイアリリィが右手を振り下ろすと、その刃はまっすぐに突き進む。ソウジただ一人を飲み込んで。
ソウジ:「ぐわぁあああ!!!」とりあえずHP0以下になった。生死判定には成功……不屈あるけど。
カレン:立ってたら狙われる?
ルース:と思うね。倒れてもいいよ。
GM:ほら、また追加行動できたらもう一発とか言い出すかも知れんぞ。
ソウジ:なら倒れてるか。「……くっ……ま……まだです……まだ……」バタン。気絶。
GM:(追加行動分の判定ころころ。出目6)「まだまだ。あなたは固そうだから嫌いよ」ランケに攻撃。命中で、双爪を選択。防護点引いて12点と8点。
カレン:かてぇ。(笑)
ソウジ:硬いのいいなぁ。
GM:「やっぱり硬いわ」マルチアクション分でスタン・クラウドをルースとカレンに。
ルース:ウワァ。しかも毒属性か……メディ先生使えない。
GM:達成値は28。
ルース:(ころころ)おらあ!(同値で抵抗)「私がしっかりしないとね!」ふんすふんす。
カレン:よっしゃよっしゃ。(ころころ)「ルースちゃんが眩しい……!」(←抵抗失敗した)
GM:ショックとかにしておけばよかった。ターン終了時の再生で8点回復。
◆4ラウンド表、プレイヤーターン◆
ルース:とりあえず動けるかどうか……(ころころ)ふう。出目5で動ける。えーとソウジどうしよう。回復したらランケ起こしてくれる?
GM:このターンで練技が切れるな。おう。アウェイクンなら普通に出来る。
ルース:メディテーション宣言、パラミスS投げておいてっと。ソウジに回復……うわー低い。ごめん。23点回復。
ソウジ:これは……まだ起こさない方がいいかも?
カレン:かもね。
GM:まだ寝かしておくか。巻き込まれても落ちないようにだな。
ソウジ:スヤァ。(寝)
カレン:ではカレン、判定いきまーす。
GM:あー、ファナティシズムとかいる?
ルース:いいね。
GM:じゃあ先に動くか。マルチアクションと拡大数を宣言。練技をかけ直し、ファナティシズムを自分とカレンに。ブリンク外しにリリィを攻撃。で終わり。うん。すこしずつ追いつけそうになってきた。カレンどうぞ。
カレン:行くぜー……動きたい。(ころころ。出目6)やたああああああああ!
ソウジ:おぉ。おめでとう!
カレン:ありがとうありがとう!練技かけ直して、ターゲットサイト、レーザーバレット、ホーミングレーザー。命中は36!
GM:回避は32。当たるよ。「人間風情が……!」
カレン:出目3で……18点。弱点で20点。
ソウジ:出目ぇ……。
ルース:変転。(小声)まあ今無理にダメージ稼がなくてもいいかも。回復されるし。
◆4ラウンド裏、エネミーターン◆
百合の香気にはまたしてもランケがやられてしまっていた。
ルース:ランケェーッ!(笑)
カレン:ランケぇー!
ソウジ:倒れてると(精神抵抗を)やらなくていいからいいな。(笑)
GM:メディテーション取っておけばよかった。
そしてここで大変なことに気付く。
ソウジ:あっ、これ後衛行くか……?ランケ。ソウジが倒れてるから。
ルース:乱戦解除されるの……?
GM:どーなんだろ。確かにそのターンは敵対勢力じゃないよなぁ。
ルース:後衛きたら大惨事だな。
GM:うーん、サイコロだな。
カレン:神よー!
ダイスの女神に聞いた結果、ランケは前衛に留まることに。
ソウジ:怖い怖い。
GM:ではでは、マルチアクションから、ソニックウェポンを自分に。
ルース:どんどんバフがかかるよ……。
GM:(ころころ)お、ピンゾロ。
カレン:神よー!(歓喜の声)
GM:「この……邪魔をするな……!」ヴァンパイアリリィの動きが何かに阻害されたようだった。ランケを殴るけど……双爪で11点と7点。
ルース:「ランケも結構やば……くないねぜんぜん」
GM:(ころころ)追加行動、する。
カレン:強すぎ。(笑)
ソウジ:これくらい敵強かったら一回一回のダイスに緊張感あるなぁ。
ルース:せやなあ。おもしろい。(笑)
GM:うーん。物理で殴り倒すのめんどくさいから魔法か。仕方ないな。ディメンジョンソード。起点はランケ。ソウジが死ぬかもしれんが。達成値は26。
ソウジ:もう全力でいいんじゃないかなぁ?勝手に体が動くから仕方ないね。
ルース:(ころころ)ひらり。(避けた)
カレン:(ころころ)当たった。「うわ、ちょ、やば……」と巻き込まれる。抵抗は成功。
ソウジ:(ころころ)当たった当たった。抵抗も失敗。イチタリナイ。
GM:(ころころ)抵抗できた。さすがに気絶してたら魔符は破れないか。
カレン:ソウジぃー!
ルース:「あーっ!ソージ、気合で……避けれないかーー」
カレン:気合(笑)
GM:ランケには19点、ソウジには27点、カレンには18点ダメージ。
ソウジ:ソウジの分の出目低くてよかった!
GM:ランケとソウジの分の出目が逆だったらソウジお達者だった。ランケは抵抗できてるけど回ってる出目だったからなぁ。
ソウジ:(ころころ)生死判定は成功。大丈夫だった。
ルース:「ううっ……次動けないとやばーい!」
続けてリリィはランケに打点を重ね、防護点が高いとはいえ、蓄積したダメージでランケのHPも危なくなっていく。
GM:さっきの魔法に抵抗できなかったら落ちてたかもしれん。
ルース:次のラウンドが耐えられるかどうかかな……。
ソウジが倒れたままでランケは操られ、ルースとカレンが行動できるかは出目次第。
ままならない状況に、全滅の二文字が見え隠れするのだった。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
長いので前後編に分けました。戦闘の表現は難しいですね。
ルールの齟齬などあるかもしれませんが、その時のGMの裁定はこうだったんだということで。
未だに乱戦ルールが把握できてない執筆者です。
最後までお付き合いくださると幸いです。