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奇妙な縁に導かれ

ソウジ:「えっと?どこかでお会いしましたっけ?」PL忘れたからPCも忘れた設定にしとこう。(笑)

カレン:思い出そうとしてるムーブ。

GM:「ひどいわ。では、昔話でもしましょう。昔々。シムティエールという街に一人の少女が居ました」


少女がいつものように両親の手伝いをして夜遅くに眠ると、目が覚めたら牢屋の中。少女は神隠しにあってしまった。

それから少女は血だけを理由に生かされる。何年も何年も。

やがて少女が15歳になったとき、一人の男が現れた。

―――新しい生活を得たいか。

少女は頷き、そして『血の接吻』の儀式を受けたのだった。


GM:「そうして少女は不老不死となりました。もう百年も前のこと」

ルース:「百年前にそうなって、この街もこうなったの?」

GM:「舵取りを失えば、船はもう長く無いでしょう?」


少女の生き方を変えた男はそれからどこかへ消えてしまった―――やがて、主のいなくなったこの街は本当に『閉ざされた』街となった。

少女は自由になり、ある場所に棲み着いた。


GM:「やがて、そこに冒険者たちが現れたのです。それが、あなたたち」

ルース:「……思い出した、っていうか思い出してよ。前に会って倒したじゃない。あのヴァンパイアリリィだよ!」

ソウジ:ソウジはいたか。忘れてたけど。「あぁ…すいません。斬って倒した人や蛮族のことはあまり覚えてないんですよね」

カレン:「(こうやって聞くと私たちがすごく悪人に聞こえるー!?)」

GM:「仕方ないわ。私もふがいない姿を見せてしまったもの」

ルース:「あれってやり損ねたんだったっけ……ヴァンパイアを倒すのは大変だけど」


以前、GMが気合を入れて出したヴァンパイアリリィがあっさり倒されてしまい、それ以来GMはリベンジマッチを狙っていた。

その時はストーリーもへったくれもなかった為、こういうシナリオで来るとはPLも思ってもみなかったのである。


冒険者たちに少女は負けたが、アンホーリーソイルで蘇る。

ただ、心の底まで神に捧げていなかったためか。その身には穢れが加わっていた。

身体が穢れに蝕まれ、気が狂うような痛みの中、少女は自分の生まれた街に戻る。

もう何も無い閉ざされた街。そこで少女はおのれの穢れを撒くことで痛みを和らげていた。

その穢れが新たな穢れを呼び、シムティエールは、アンデッドの闊歩する街となってしまった。

そこかしこでは街が積み上げてきた歴史の逆流が起こり、過去のこの街を垣間見る事が出来る。

少女の居る部屋は、穢れで満たされ闇となり……まだ昼なのに、まったく光が差し込まない。

少女は待ち続けた。冒険者たちがこの街を正すために動くのを。


「やっと、あなたたちが来てくれた」


そう言って、少女は微笑んだようだった。


カレン:「……奇妙な縁に導かれたみたいに、ね」

GM:「ふふ。確かに。……冒険者にお願いが。もうこの命を終わらせて欲しい。私の心を無視し、強さを追い求め、あなたたちを殺そうとする私を殺して欲しい」

ルース:「う、うえっ?」びっくり。

GM:「この体はなおも穢れを求める。こんなものを飲んだりして……ね」彼女は闇の中から穢れの酒を取り出して示すよ。

ルース:穢れの酒きたー!(笑)

ソウジ:きたー!

GM:「私はヴァンパイアリリィ。何百人も殺した。もう一人だって殺したくない」その言葉と裏腹に戦闘体制をとる。

ルース:「わかったよ。ここに来たからにはこっちはやることだって一つだからね!」

カレン:「こんなこと言うとおかしいかもしれないけど、さ?……あなたに光を届けたいと思うよ」銃構えー。

ソウジ:「あなたがそれを望むのなら。せめてもの慈悲です。その命……終わらせましょう」刀を抜く。

GM:「嗚呼。有難う。さぁ、はじめましょう……」


「私を永遠の苦痛から開放して。冒険者」


その言葉を皮切りに、戦いが始まる―――



GM:彼我の距離は10mほど、標準戦闘です。魔物知識判定をどうぞ。

ルース:(ころころ)達成値22。弱点までは足りなさそう……弱点抜いたほうがいいかなあ?

GM:弱点抜かないと封印に失敗して灰から蘇るよ。

ルース:弱点いくつなんですかーッ!?

GM:弱点値は26です。

ソウジ:むっ、ならリリィさんの願いをかなえるために抜かないとだめか。

ルース:種族特徴強化でいけるな。運命変転!

GM:ではデータはヴァンパイアリリィ(以下リリィ)の全ステータスを+1して、穢れの酒の効果で超回復(一度だけ主動作でHPを完全回復する)を得たデータになるよ。イグニスの魔符や魔晶石もある。

ソウジ:かなりきつい戦いになりそう。

ルース:先手とってファストアクションで補助かけないとつらいな。

ソウジ:運命変転や指輪で計算したら、出目8以外で先手とれるよ。(笑)

ルース:とか言ったら8が出るんだろ?

GM:そう言うタイミングすごいこわいんだけど。

ソウジ:8出たら……うん。(笑)

ルース:私の予言はたまに当たる。ファンブルしそうだなからのファンブル。

GM:わりとよくある。

カレン:あるある。

ソウジ:(ころころ)出目9!あぶねぇ!指輪割るよ。


先手をなんとか取り、まずは補助魔法をかけるためにルースが動く。



◆1ラウンド表、プレイヤーターン◆


ルース:練技はメディテーション。パラライズミストSをリリィさんに投げて、ティルダンカル光魔再起の宣言。数拡大でまずカウンターマジックを全員に。(ころころ)成功。ファストアクションで自分以外にセイクリッドウェポン。(ころころ)かかったよ。


ティルダンカル光魔再起はザルツ博物誌の流派で、ピンゾロしても不発にならないというプリーストの胃にとても優しい秘伝だ。

MP消費は増えるものの、補助魔法は1回分も無駄にできないと判断したためである。


カレン:次いくね。練技でキャッツアイ、ストロングブラッド、メディテーション、デーモンフィンガーをかけて、ターゲットサイト、レーザーバレット、ホーミングレーザー。魔晶石割って代用。で、射抜く!命中32!

GM:回避は26。当たるよ。

カレン:23点!ひっく!弱点込みで25点。

GMランケ:前衛組か。じゃあ先に。練技でマッスルベアー、キャッツアイ、ビートルスキン、デーモンフィンガーを宣言。魔晶石割って、ヴォーパルウェポンSを自分に投げて移動。タイタンフレイルで殴る。命中30、ヴァンパイアリリィは29……いや飛行でプラス1、同値か。

ルース:ぱりん。(小声)

GMランケ:んー。すると器用下がるんだよね。この後ずっとマイナス1されてるのは痛い。多分確率下がる。ここは素直に避けられておこう。


あらすじで軽く言った通り、この卓ではGMもPCで参加している。なのでPCランケと敵のヴァンパイアリリィを両方操作している。

一人のPLが二人のPCを同時に操作することもままあるのだが、今回は一人一PC、それも一番慣れたPCで、というGMたっての希望だった。


ソウジ:ではこっちかな?まずは練技でキャッツアイ、ガゼルフット、マッスルベアー、メディテーション、デーモンフィンガー、ケンタウルスレッグを宣言、全部魔晶石で代用。ポーションマスター効果でデクスタリティポーションを飲む。自分にヴォーパルウェポンS。通常移動でリリィさんまで。そして斬る!命中は30!

GM:む、イチタリナイ。

ソウジ:危ない!36点。

GM:では防護点から引いて17点。


ソウジが二回目に5回転させて61点、そしてファストアクション分は合計75点 (防護点含まず)を叩き出し、順調に追い詰めていくが……


ルース:次で崩れなければいける。(フラグ)


しかしこのフラグ回収は、この後できっちりされてしまうのである。



◆1ラウンド裏、エネミーターン◆


GM:さて、ではリリィのターン。まずは自動発動で百合の香気。


百合の香気は精神抵抗に失敗すると、1ラウンドの間ヴァンパイアリリィのために行動してしまうという効果がある。

ここで初っ端からランケが精神抵抗失敗してしまったのだ。


ルース:ランケーッ!?

カレン:ランケぇー!

GM:精神低いからね。まずはブリンク。うーん。では、魔法拡大数を宣言して自分、ソウジ、ルース、カレンにインスタント・ブランデッド。達成値は30。

ルース:ぎゃー!ああ、アカン……魔符破いても足らん。これとおったら辛いぜ。


ソウジ、カレンも精神抵抗に失敗してしまい、6ラウンドの間、人族だと手番の開始時に1d6を振り1~3の出目が出ると移動と主動作ができなくなってしまう。

蛮族であるヴァンパイアリリィはその逆で、1d6を振り4~6の出目が出ると、主動作が追加されてしまうのだ。


ソウジ:きっついなぁ。

GM:(ころころ)追加主動作ゲット。リリィに紫色のオーラがまとわれ、その意識は完全にヴァンパイアリリィのものとなる。

ソウジ:「これはっ……」

ルース:「くっ、第二の剣の神はこれだから……!」

GM:何しようかな。手堅く超回復。HPがMAXまで回復する。


ヴァンパイアリリィの体がオーラに包まれ、切り裂かれた傷が見る間に癒えていく。


GM:さて、どうぞ。プレイヤーターン。


地獄の6ラウンドの幕開けであった。

ここまで読んで下さりありがとうございます。

探索はちゃらんぽらんでしたが、戦闘はガチでやってます。多分。

次話は戦闘オンリーとなります。


最後までお付き合いくだされば幸いです。

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