エピローグ ~また巡り逢う日まで~
滅びすらも無に帰そうとするかのように、崩れ落ちる館。
慌てて灰をかき集めるルースの目の前に、一人の女の子が現れる。
『ありがとう。冒険者さん』
ふわりと足のつま先が宙に浮いていて、ヴァンパイアリリィに良く似ている。
「……あなた」
『あなたのおかげで、私はやっと逝ける』
「……うん、やっとね」
『殺しちゃってごめんなさい。でも、ああするしかなくて』
「ううん、アンデッドにならなかっただけマシだわ」
少女はにこりと微笑み、ゆっくりと歩み寄ると、握っていた手を開く。
『私の中にこれだけ残ってたから。あなたたちにあげる。これね、私が私がヴァンパイアになったとき貰ったものなの。普通の宿屋の女の子だった私が、全てを捨てたときに最初に手に入れたもの』
百合の紋章の飾り、イグニスの魔符。剣の欠片。
残ってたというにはあまりにささやか過ぎた。
「……なによう、形見にすればいいの?」
『ううん。好きに使って。きっと高く売れるわ』
「なんてね。大事にしよっかな。……あなたはこれで全部を捨てられたんだから……あなたの魂に、神の導きがあらんことを」
『ありがとう。素敵な冒険者さん。……ああ、そろそろ時間みたい』
女の子の身体から光がこぼれ始める。
「今度もふつーの女の子に生まれたら、お友達になってあげてもいいよ!……いってらっしゃい」
『きっと、そうなるわ。……ね、私の名前を覚えておいて』
「なんていうの?」
『私はエリィ。きっと生まれ変わってあなたたちと友達になるわ』
「私はルースよ。ちゃんと覚えとくんだからね!約束だよ」
『うん。約束。ルース。ルースね。覚えたわ』
ルースが指切りに差し出した手の隙間から、光がこぼれていく。
「おやすみなさい。……またね」
『じゃあ、またね。また会う日まで―――さようなら』
―――そうして、エリィは光の欠片となって、散っていった。
「ルース。館が崩れる」
「……はっ!?」
さっきの光景を見たのは、ルースだけだったのだろうか。ランケの声に我に返った。
周りは足の踏み場もあるか怪しい程崩壊しており、仲間たちが脱出するために道を切り拓いていた。
「わーわー!かえろー!」
「入り口までの通路は確保した。だがこの調子では数分ももたんぞ、急げ」
「おや、普通の喋りだな。逃げるぞ!」
「普段は普通の喋りでないといいたいのか? フン……」
やっと軽口を叩く余裕も見え始める。
その中で、ただ一人、奥へと進む者がいた。
「脱出脱出ー!ソウジ、なにしてるの、行くわよ!?」
「ソージ!はやくーっ」
「……今行きます」
館を抜けて、街の郊外へと飛び出すと、先に離れていた仲間達が待っていた。
冒険者たちが逃れたのを確認したかのように、シムティエールはその滅びを早め―――
そして、永遠の眠りについた。
ルース:脱出してから、しかるべき処置で灰を祓うよ。気分的に清水に流してあげたい。
GM:ちなみにシムティエールには川がある。
ルース:おう、じゃあそこで。「……うん。正しい手順ね。これでもう大丈夫」
GM:さて、これはあれです?トリステ(依頼人)はここに飛んでくればいいんです?
カレン:じゃないかな?虫の知らせとか受けたんでしょう。(笑)
ルース:「うわーんつかれたー!ソージおんぶしてー!」とか言ってる。
ソウジ:「……はいはい。わかりましたよ」
カレン:「(操られまくりとかもー……)あーーーー情けないーーーー!」
アヴロン:「百合と薔薇の剣戟……うむ……途中から記憶が途切れているが、美しさを競うかのような戦いであったな……」自賛。
カレン:「最後は見事に気絶してたけどね」
アヴロン:「気絶……か。そうともいう。だがそれも貴様らを信じてのこと……星が一つ弱く輝いても、星座は強く輝くのだ……」
GM:まあ『星屑の旅団』の邸宅に来て見たら管理人のベルしか居ないし、何が起こっているんだと飛んできました。ペガサスに乗って。「みなさん!」と、トリステがペガサスから降りて君たちのところにやってくる。
ルース:「あれー、依頼人。見ての通り終わったよ~」
GM:「ああ、よかった……。ありがとうございます。開放されて、本当に良かった」
カレン:「……うん、そうね、良かったわ」
ルース:「グールなんてもんじゃなかったんだからー!ノスフェラトゥだよノスフェラトゥ!」
ソウジ:「……えぇ。正直疲れました……けど……」
ルース:「ううっ……倒せてよかったよお……」ぐすぐす。
ソウジ:「………泣かないでくださいよ。ルースさん」
ルース:「だってーーー」
ソウジ:「よしよし」
カレン:「というわけで、依頼は達成でいいかしらね?」
GM:「ええ。もちろん。ではこれを」
金貨袋をどさっと渡され、報酬もきちんと受け取る。
GM:「ほんとうにありがとうございました」
カレン:「うん、どういたしまして。お役に立ててなによりです」
GM:「僕は少し、彼女に別れを言いに行ってきますね」君たちに背を向けて、シムティエールの中に入っていく。
ルース:あーーーーー、ナイトメアってそういうことか……?
カレン:「……? 彼女?……!(ああ、そっか……そうかぁ……)」しんみり。
ソウジ:すごいストーリーだ。これもうシナリオだろ。(笑)
ルース:「……あ、待って」
GM:「……はい?」
ルース:「もしかして、エリィ……っていう……?」
GM:「……ええ。僕の古い古い友人です。本当に、開放されて良かった」
ルース:これさあ、百合の紋章渡してもいい?
ソウジ:いいよー。
カレン:いいよー。
アヴロン:いいよー!
ルース:「……じゃあ、これあげる。彼女の縁の物だよ」百合の紋章を渡すよ。
GM:「ありがとうございます……」トリステは目に涙を浮かべながら、それを受け取る。
ルース:「大事にしたげてね!じゃーね!」
GM:「ええ、また会う日まで!さようなら。みなさん」
カレン:手を振って見送ろう。
ルース:「ばいばい。……かえろー!つかれた~」
ソウジ:「……それでは行きましょう」
カレン:「うん、帰ろう」
アヴロン:「そうだな……(あれは誰だったのだ?)」依頼とかわかってない。
一同:(爆笑)
ソウジ:そうだったな。(笑)
GM:最後でもってくなって!(笑)
アヴロン:すまぬすまぬ。(笑)
「―――エリィ。やっと開放されたんだね。最後は笑って逝けたかい?」
トリステは彼女の墓となった街の中、青空を仰いだ。
GM:という感じで終わりかな。
アヴロン:おつぁーしたー!
カレン:お疲れ様でしたああああああああ!
ルース:おつおつう。
アヴロン:倒せてよかったあああああああああ!
ルース:ほんとだよ。(笑)
ソウジ:お疲れ様でしたーーーー!
カレン:GMありがとおおおおおお!
ルース:3人百合にやられたときは死んだと。
ランケ:あぶなかったなー。
ソウジ:穢れの酒、とりあえず効果だけどうなるか振っちゃおうかなー。
ルース:ルースの目は盗んでね。(笑)
ソウジ:では雨の日の外で「……強ければ生き……弱ければ……死ぬんだ……」杯に酒を注ぎ、飲み干す!
GM:ではダイスどうぞ。
ソウジ:(ころころ。ころころ)一回目は4、二回目は1。(穢れの杯があるので、二回振って好きな効果を選べる)
GM:一回目は超回復、もう一つは何も無い。
ソウジ:超回復だな。
カレン:良いの引いたなー。
GM:うん。リリィの超回復を受け継いだな。まあ、同じ酒なんだから当然といえば当然?
きれいにオチもついたところで、これにてセッション終了。
魔物退治はこれからも『星屑の旅団』にお任せあれ。
反省会なども載せたいと思いますが、一先ずこれで完結とさせていただきます。
また追記などあったらUPしたいと思います。
PL同士で決めたルールの多い特殊な条件下での卓で、大衆向けではないと自覚のあるリプレイでしたが、リプレイ投稿の話を見て、前々から心に残っていたこのセッションを投稿しようと思い立ちました。
この卓を囲むことになったGMとPLの方々に感謝。
あとちゃんと書ききれて良かったです。(飽きっぽい)
ここまで読んでくださりありがとうございました。




