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オープニング ~依頼人はペガサスと共に~

ラクシアのどこかにある、街外れのとある邸宅が彼らのアジトだ。

魔物退治の依頼をどれでも一人につき一日一万Gで受ける。普段は冒険者ギルドから依頼を受けることが多いが、噂を聞きつけた者が直接尋ねてくる時もある。

メンバーはそれぞれ外出しがちで、全くの不在はないが、全員揃うこともない。

今、邸宅に集まって暇を持て余しているのは4人。



"雷雨"ランケ・エッケハルト。

フレイル使いのオールラウンドファイター。年齢不詳。ナイトメア。男。フェトルの神官でもあり冷静沈着。

ファイターLv13 プリーストLv6 レンジャーLv6 ほか

PLもとい今回のGM。この中ではおそらく一番ルールを熟知しておりGMをすることが多い。多分ツッコミ役。



"天剣の"ソウジ。

物腰は柔らかいがどこか危うい雰囲気のあるフェンサー。16歳。人間。男。この傭兵団では唯一、蘇生したことがある。

フェンサーLv12 スカウトLv9 レンジャーLv9 ほか

PLは積極的に遊びに誘ってくれる気のいいやつ。時折全力でネタに走る傾向がある。「穢れの酒飲んでみたい」の言い出しっぺ。



カレン・グロッグ。

マギテックシューター。18歳。人間。女。サバサバして色んなタイプの人によく好かれるお姉さん。

シューターLv12 マギテックLv10 レンジャーLv5 ほか

PLは細やかなところによく気がつく気配りさん。カタカナに弱いので魔法の名称に戸惑うことが多い。



"星夜の賢者"ルース・サスタリカ。

キルヒアを信仰する好奇心旺盛な神官。15歳。人間。女。天真爛漫ムードメーカー。

プリーストLv11 セージLv9 スカウトLv7 コンジャラーLv8 ほか

PLは本リプレイの執筆編集者。強さを追い求める脳筋マンチ。多分ネコ科。



GM兼ランケ:えーっと。今回色々設定とかは用意しましたが、多分戦闘まで判定は無いと思います。言ってしまえばとある場所に行って敵のところに行って殴るだけ、です。

一同:うっす。

ルース:きっと出張なんだな。

GM:まあ、大体合ってる。

カレン:出稼ぎだー!

ソウジ:出稼ぎするぞー!


何時もはただ単に敵を用意して戦うだけ、の流れだったため、シナリオっぽいものがあるだけでも皆のテンションが上がる。

GM:そんなわけでオープニングから行こう。買ったばかりの邸宅(このセッション直前にルールブックⅡの改訂版が発売され、早速余っていた名誉点と共有財産で購入した矢先だった)の管理人、コボルドのベルが「みなさま、お茶が入りましたよ」って皆に振る舞ってる。

ルース:「あ、ありがとー」ほんといつの間に邸宅買ったんだ(笑)(邸宅購入の話の時に不在だった)

ソウジ:衝動買いしました。

GM:名誉点とガルドを払われたら売るしかなかった。

ルース:お城お城って言いながら剥ぎ取りしてたけど、これくらいでいいのかもね~。

カレン:「この頃平和だね~。良いことだ」お茶飲みながらまったり。

GM:さて、君たちがまったりとくつろいでいますと、玄関を叩く音がします。ベルがとてて、と玄関に向かって走っていくよ。扉を開くと、そこには長身の、ペガサスを連れた男が立っています。

ソウジ:ペガサス!?(笑)

ルース:「うわっ王子様だ。みんなみんな、王子様だよ!ペガサスだもん!」

カレン:「え、ここ別にお城じゃないよね!?」

GM:どないやねん。そういえばこの集まり、名前とか決まってなかったっけ。『星屑の旅団』とかでいい?

ソウジ:いいよー。

ルース:おー。

カレン:劇的に決まった!


実はこれほどキャラクターが増えると思っていなかった(計15人程)ため、今までパーティ称号も決めていなかった。その場のノリで適当に決めつつ、特に時間は取らずに話は進む。


GM:では、男は「ここがあの『星屑の旅団』か!?」と荒い息で聞くよ。

カレン:「……合ってるのかな?」皆を見る。(笑)

GMランケ:「そういえばそんな名前が……」(笑)

ソウジ:「いつの間にか決まってたんですねぇ」(笑)

ルース:「そーだよー。ってみんな覚えてないでしょ!?」ショック受けとく(笑)たぶんルースが決めたんだろう。センス的に。

GM:そうだと思う。星夜の賢者とか名乗ってるし。男はトリステと名乗るよ。王子というよりは普通に仕事してそうな、長い間あっちこっち行ってるタイプに見える。あ、角生えてる。

ルース:「お兄さん、王子様ってよりナイトメアだ……」がっかり。

ソウジ:「温室育ちの王子様とかよりこういうナイトメアの方が僕は好感もてますけどね」

GMトリステ:好感もたれたでござる。というか真っ当な王子がアポなしで突撃してくるかっていう。彼は皆のやりとりに一度「ごほん」と咳払いしてこう言うよ。


「君たちを見込んでを見込んで頼みたいことがある。私の故郷をアンデッドから解放して欲しい!」


トリステが言うには、ペガサスであちこちを飛び回って行商のようなことをしていて、つい昨日、故郷のシムティエールから注文があって届けに行った。届け物を受け取りに来た者はフードを目深に被っていていかにも怪しかった。だが、そんな奴が受け取りに来るのは、トリステの仕事では日常茶飯事だったようだ。


ルース:「シムティエールってえっと……」(ころころ)出目6。

GM:判定ないと言いながら振ってもらうという。ルースならピンゾロ以外で知ってる。えーっとどこかは決めてないが、ここからペガサスに乗って1日で行ける所にある。"閉ざされた街"シムティエールだ。


"閉ざされた街"シムティエールとは、旅人を歓迎しない閉鎖的な風潮の街だ。余所者は淘汰され観光名所もないため訪れる人は少ない。

たまに神隠しが起こっていたらしいという噂があり、『トート家』という街の中でも歴史の長い家系がある。


ルース:「ひきこもりの街だ!」ぽむ。

GMトリステ:「お、おう。まあそうだな。もうどれだけ前になるのか覚えていないが、俺が居た時も旅人はすぐ帰されてた」

カレン:「そんなんでよく街として機能してたもんだねー、へー」

ルース:「神隠しがあるとかないとかぐらいっぽいもんね、面白味」

GMトリステ:おもしろいところなのか。いやこのレベルになれば逆に面白そうか。「それがトート家の力なんだろうなぁ。あの家に逆らうなとはよく言われたもんだ。もっとも俺はすぐに奉公に出されて、それから行ってないんだが」

ルース:トートの短剣……うっ、頭が。

GM:それ以上いけない。


メンバー全員クトゥルフ神話TRPGで遊んだことも多いため、クトゥルフ神話のネタがたまに飛び交う。


ルース:届け物ってどんなもの?

GMトリステ:中身は俺も知らないんだが、とトリステは言いながらワイン瓶が一本ぴったり入るようなサイズを表すよ。

ソウジ:あっ……。


冒頭で言っていた『穢れの酒』がここで関わっていることを察するPLたち。


GMトリステ:「だが、渡す時、その怪しい奴が掴みかかって来たんだ。フードが取れた時、アンデッドが姿を見せやがった。アレはグールだ。間違いねえ。俺のペガサスが咄嗟にそいつを蹴り飛ばしてくれなかったからどうなってたことか……。その届け物は生憎、俺が逃げた後に持って行かれたみたいだ。そして俺はすぐにペガサスに乗って空から故郷を見て心底絶望したよ。俺の故郷は荒れ果てて、地面は裂けてるし人の姿も見えねえ。アンデッドがうろついているだけだ……」

ルース:えっ、滅亡してるじゃない。

GMトリステ:うん。滅亡してるよ。「頼むよ。あんたら強いんだろ?俺の故郷を乗っ取ったアンデッドどもを倒してくれよ」

カレン:「んー……一掃しちゃっていいのかな?」

ルース:「アンデッドはそりゃ一掃でしょー!ジョーシキだよ!」

カレン:「ジョーシキならやるしかないかー!」

ソウジ:「グール程度なら僕達の出る幕じゃないと思いますけど。もしかしたらもっと強いのがいるかもしれませんしねぇ」

GMトリステ:トリステがライダー技能で見た感じだとそれなりに強そうなものもいたし、空気も濁っていたらしい。「ああいう場所は穢れが集まってるんだ。その原因があるに違いない」

ソウジ:「おっと。なら暇つぶし程度にはなるんじゃないですか?」

GM:そんなわけで、シムティエールに行って蔓延っているアンデッドを何とかしてくれればお金を払うそうです。あと、地図も描いてくれる。

カレン:お、それは助かる。


地図を画面上に出して、説明していく。(行く場所が二箇所ぐらいしかなく単純なため、地図は割愛する)


GMトリステ:「ここがトート家の邸宅で……ここが役に立つかはわからんが、宿屋だ」西側の建物を指さすよ。東の端のこっちが正門だけど。宿屋が正門から随分遠い辺り旅人を歓迎する気のなさが伺えるね。

ソウジ:緊急時はそこで寝ろと。

ルース:宿屋遠くない?っていうか宿屋必要あったのこの街。

GM:一応建ててたみたいだが、宿屋っていうよりもっぱら飲み会の会場かな。

カレン:街からアンデッドを一掃した証拠とかはどうしたらいいですかー?

GMトリステ:じゃあバーサタイルでも渡しておこうか。「これでも幼い頃を過ごした故郷なんだ。頼むよ。あんたらに頼めばどうあれ解決はしてくれるらしいから」

ルース:「どうあれってなによう!?」

カレン:「どうあれ……(あれとかそれとかこれとかかなぁ……)」

GMトリステ:「すまない」年若い人の集まりと聞いてるから嘘か真か若干不安だったりもするだろう。熟年の冒険者イメージあるのがあんまり居ないという見た目の問題。皆若いしな。

ソウジ:「まぁまぁ、さくっと片付けて帰ってきましょう」


依頼を受けることに決め、早速わくわくしながら準備をし始めるPLたち。その時よく上がった声が……


ルース:スカウト用ツールすらない。

ソウジ:あっ、自分もない。ちょっと買ってくる!

GMランケ:冒険者セットはひっそりとあったが、アルケミーキット持ってなかった。今までどうやって使ってたんだこいつ。

ソウジ:どうやって使ってたんだ。あ、自分もねぇ!


などとキャラシート確認でてんやわんやしつつ、折角のシナリオなので各々冒険者らしい買い物をしていた。普段買わない(使う機会のない)魔香草なども。そして、役立ちそうな魔法などもひと通り見ておいたりも。


ルース:アンデッド相手か……セイクリッドフィールドはレベル12からだったー!

ソウジ:地味にレベル11か。

ルース:スカウトレベル7にしてファストアクション取ろうとしなかったらレベル12になってたんだけど。


このプリーストレベルイチタリナイが、後々響くことになるとはこの時は夢にも思わなかったのである。

初めまして、リプレイ執筆者の仙茶と申します。

当卓は手前の説明の通り、少々特殊な条件でプレイしている戦闘特化卓です。

通常のシナリオにある探索などはおおいにはしょられております。

そこから偶然やノリで生まれた産物を描きたくて投稿することにしました。

セッションとしては一段落ついているため、細々と不定期に投稿することになると思います。

終わりまでお付き合いくだされば幸いです。

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