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魚屋がふざけて言ってみる  作者: valota666
適当に綴る日々
93/117

しゃけーべんきょう

塩鮭の蒸し物


キャベツ、白菜、キノコ玉ねぎ等野菜を適当に切り分けてさらに並べて置く。

その上から塩鮭を置いて蒸しあげる。

蒸しあがったら酒をほぐして野菜と混ぜて出来上がり。別にほぐさなくてもよい。


好みでポン酢やドレッシング等を


鮭の旨味と塩気が野菜に移って悪くない。ごはんのおかずかな?

 新米の時期が参りました。新米といっても新入社員のことではありません、お米のことであります。今日はそんなお米に合わせて塩鮭の話でも騙りたいと思います。


 塩鮭、サケマス類の塩蔵品でもともとは塩を揉みこんで干していたのが売られていたそうですけど最近ではサケのフィーレ(三枚おろし)を塩水に漬けこんだのが主流となっております。最近では干物の類も塩水に漬け込んでいて………そのまま継ぎ足し継ぎ足しなんている製造業者さんも………焼き鳥のタレかいと思ったのは秘密。どっちかといえばクサヤに近いだろと魚屋的な突込みが入りそうですが。

 主に使われるサケというのがチリ産の養殖銀鮭やロシアやアラスカ産の天然紅鮭、北海道産の時鮭や秋鮭(種類的には白鮭となるらしい)………稀にトラウトサーモンや養殖キングサーモンとかカラフトマスなんかも見受けられます。ところでトラウトサーモンてサケなのでしょうかマスなのでしょうか?


 さて、塩鮭でございますがその利用法は焼いたり煮たり甘塩仕立ての物はそのままフライに利用されるという方もございます。まぁ、実際のところ、焼いて食べる方が大半なのでございますが………

 焼きたての塩鮭に大根おろしと醤油で………定番の一品というものでございます。この切り身を厚くしてくれとか逆に小さくしてくれなんて言う注文も時たま受けたりも致します。厚くするのはご自宅用で薄くするのは弁当用といっていますね。さらには筒切りになんて言われたりも致しますがこれはほとんどの塩鮭がフィーレ(三枚おろし)の状態で入荷されるためにできないのでございます。丸ごとのも荒引き鮭の時期なんかに入ることありますけど年に数回も取り扱いがあればいいほうで一本丸々は最近のご家庭ではもてあますこと間違いなしであります。サケの頭とか骨の食べ方を知らない方も多いですし………

「しもつかれは?」

 そっちあげるならば三平汁をあげなさい。

「石狩鍋は?」

 あれは生鮭を使うものです。まぁ、こだわる人とか北海道民ではないと関係なしなのでありましょうが………(乱暴)

 塩鮭の頭も細かくして大根やジャガイモと一緒に煮付けるとおいしいですし、皮のプルプルとか軟骨のコリコリとか下品でもしゃぶりつくのが宜しいかと…………


 塩鮭で一番人気なのは甘塩の銀鮭でありますけど他の鮭の固定客というものがついていまして下手に切らすとお客さんのほうが切れてしまうこと暫し…………それこそお客様の声でどうしてという疑問が堂々と張られたり………売れてないのでというと、私が買っているから売れているでしょなんて返答が一日数千人来ている中でお客様一人だけ買われても店としての利益に………げふんげふん………言えるわけないでしょう。

 前居た店では切れている状態でパックされたのを仕入れて並べるなんてことがありました。これなんかも、拘るお客様には不評で「もっと厚いのがないの?」とか散々言われたりも………そのまま息が切れているのは少し冷静になったほうがよいのではと思ったり思わなかったり。鮭を自分ところで切っている店だとフィーレ(三枚おろし)状態で見てこのくらいの厚さなんて注文つけてくるお客様もおられました。それはそれでよろしいのですけどグラム売りなところが多いので切った後で値段を見て………苦笑いされる事も笑い話。ここでごめんなさいされたら今度は私が切れてしまうかも。


 そして定番ともいえる甘塩銀鮭(店によっては振り塩)なんですが売れるときは馬鹿みたいに売れたりいたします。チラシのメイン商品だったりそうでなくても日々の定番商品でございますので切らしたり質の悪いのを置いていたりするとすぐにそっぽ向かれたりいたします。特にバラ売りはメンテナンスが大事でございます。

 メンテナンスついでに切りたての鮭をぶちまけておきまして「切りたてだよー」と騒ぎますと時間帯によりますがお客様が群がってきたり並べる前の箱から取ろうとしたりと中々楽しいものであります。鯉に餌をあげてる気分?そんなかわいいものではありませんが………げふんげふん

 この鮭なんかも切れているのも仕入れることができますが仕入れ値の問題と切ってからある程度時間が経っているため冷凍焼けしているのが多くて個人的には好みではありません。時間と人手があるのでありましたら自分の所で切っていたほうが………って、私が切るのですね。私がいる強みというのはそういう手間暇をかけられる部分があるとか………わかっておりますよ。10ケース?(1ケース8キロ入り)仕事の合間に片付けますから………切ったそばから持っていくのは止めてほしいものであります。なになに?冷凍庫の奥にあるから取るのが面倒臭い?それは在庫管理の問題かと………ためてる不良在庫とりあえず現金化しないと………北海道フェアとか色々している時に地方の塩鮭とか仕入れて売りきらないから………仕方ないですねぇ………

「で、ばろぴー(仮名)何対面でざる盛りとかしてくれているの?」

 単純に売れる魚がないから場所ふさぎに………タイもヒラメも売ってしまったし………

「それ、明日の刺身用の白身!」

 知りませんねぇ……その日はよく売れました。しらばっくれての余った塩鮭も………売りましたが何か?


 そして定番商品こそ利益率とか管理が必要なのであります。そこさえ押さえておけば後は飾なんです飾り、エロい人にはそこがわからないのです。そんなこんなで新人君に鮭を切らせてみることに…………

「ばろさん(仮名)!これどれくらいで切ればいいの?」

「箱で一万円になればいいから一切れ………として何切れ取ればいい?」

「えっと…………100くらい?」

「…………大雑把だなぁ………ほぼ正解だけど。実際ためしに切ってみるか。」

 結果、箱で80チョイ………厚めに切りすぎたみたいである。

 やばいと、顔を青ざめさせている新人君…………これもしゃけーべんきょうだな。

塩鮭は切り身として食べるならば尼に近い部分を、おむすびの具やお弁当用ならば脂の少ない尾の部分を使うといいといいましても養殖だったらあまり違いはないねと言われてしまった。確かに………


ちなみにこの話で厚めに切ってしまった塩鮭、店長にばれないよう夕方のピーク時に切りたてだよと言って売り逃げてしまいました。嘘は言っていないしお客さんも損はしていない、お客さんの胃袋は最大の隠蔽場所である……げふんげふん

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