ザリガニというな!
ロブスターサンド
ロブスターの身と味噌を取り出す。
マヨネーズ、さらした玉ねぎのみじん切り、パセリと合える。好みでマッシュポテトも悪くない。
バターを塗って軽くトーストしたパンにはさんで出来上がり。
出来立てをビールと共に
シングルヘル♪シングルヘル♪等とおひとり様に厳しい年末でございますがいかがお過ごしでありましょうか?居酒屋行ってもお一人様は露骨に席がないとお断りをされる作者@流しの魚屋でございます。
そんな戯れた時候の挨拶は兎も角と致しまして本日のお題はロブスター、これについて騙ると致しましょう。間違ってもザリガニと言ってはいけません、食欲は失せます。
ロブスター、エビの類でカニのような鋏が特徴的でございます。和訳ですと海ザリガニ等と称されます。淡水産のザリガニと近縁で我々の知っている海産物だとアカザエビに近縁であります。普通に淡水産のザリガニも美味でありますが、泥の中でいる故かあまり食用という意識が向かないのはそういう物なのでございましょう。あれはあれで美味ですけど。
話がそれました、ロブスター……英語で言うそれは広義においてイセエビ等の歩行性大型エビ類も指すらしいのですがイセエビ等は置いといて狭義のロブスターについて騙りましょうか、とはいえ欧州系の種類と北米系の種類が流通している。よく見かけるのは北米大陸産の種類でオマールエビとか称されている。オマールの語源はハンマー(仏語)でありまして、便器のオマルやイスラム系やスペイン語圏でよく使われる男性名ではないことを言っておきましょう。前者は兎も角冗談と致しましてイスラム圏系の男性名は関係ないのであります。オマルさんのエビってどれだけエビ好きなんですか!ムスリム(イスラム教徒)は確かエビ類やばくなかったですかと突っ込みを入れてみたり。
「ままー、ザリガニがいる!」
「坊やあれはザリガニじゃなくてロブスター。」
この辺は微笑ましいやり取り、ザリガニは非食品でロブスターは食品として認識しているのがよくわかる。
「これおうちのと一緒?」
「ちがうやつだよ。」
こいつもザリガニ扱いしているのか。
「ザリガニっておいしいの?」
「ゆでて食べるとおいしいぞ。」
ぉぃ、店長!それザリガニ違う、ロブスターだ!せめてボストンクラブと言え!オシャレじゃないだろう!
ザリガニザリガニ言うから周りまでザリガニと定着してしまってレジのパートさんからも
「ばら売りのザリガニっていくら?」
等と言われるのである。レシート表記までザリガニにしていないだろうな?バラウリエビルイとなっているなら良いか。
それはさておいて、食べ方である。活物が入荷されることはあるのだがボイルされて冷凍された状態で入荷されるのが大半である。活物だと輸送中に痩せてしまったり鮮度の劣化が激しいのでボイル冷凍の方が品質が安定している。ボイル物の方が解凍してすぐにお召し上がりになれるので楽といえば楽。
でもただ食べるだけなのというお客様もちらほら、ロブスターをおしゃれに調理したいという方が存在するのが否定しない。半分に割ってからチーズでも乗っけて焼いておけと言っておくと「まぁ、おされ」等と言って買われていくのである。身と味噌をマヨネーズやマッシュポテトと混ぜてサラダとかパンにはさむフィリングにするのも美味しいのだが殻つきでないと寂しいと言ってくるのはロブスターという記号を食べているんだろうなと納得したり。殻つきのままでブイヤベースだのパエリアだのに入れるなんて方もちらほら………
クリスマスのご馳走としての意味合いもあるのでございましょう。お前ら仏教だろとか神道だろとかと言うのは置いておきましょう。消費が活発になりますれば売り上げも上がりますから。
「そういえばばろちゃん(仮名)ザリガニって入荷するの?」
「ロブスターならば年末、クリスマスの食材として送り込まれてくるけど。」
「海ザリガニじゃなくてザリガニ!」
「知るか!」
注)通販で買えます。
さて、クリスマスも過ぎたし今度はお正月向けの蟹の売り込みだ。あと数の子も………丸の魚がなくて私の出番がないのは………
「大丈夫だ、ばろ君(仮名)には接客という仕事がある。」
それ、接客というより売り場案内………他部門の面々も表出してくださいよ!それに時間とられて仕事にならないんだから!
「それが、パートさん達年末は家族と過ごしたいからって仕事定時で上がって。」
うぬれ………
今年もあとわずか、飲もうとして入った居酒屋が満席と断られる。
さて、どこで夕飯を取ろうか悩むところである。




