百家迷走
カレイのカレー
カレイは五枚におろしてフライにする。
ご飯の上にカレイのフライを乗っけてカレー(レトルトで十分)をかける。
好みでチーズとかタルタルソースとかも良い。
ワシワシと食べるのが良い。
カレーの日(1月22日)のためにメニュー提案したら駄洒落かと怒られた。そのくせ鮮魚売り場ではカレイを強化しろと指示が来る。理不尽である。
最近の若者が等と言うと年寄りになった気分になります。作者@流しの魚屋でございます。このネタは数千年も前の年寄りが連綿と語っていたので鉄板ネタなんだなと思うのでありますが私と致しましては最近の年寄りは等と言いたいのであります。それはどうでもよい話。
今回は魚についての知識を知らない面々の話を騙りたいと思います。
鮮魚売り場に行く面々というのはど素人、経験者、他部門での持て余し者、鮮魚売り場というものは吹き溜まりでございます。ちなみに時給は他部門に比べて高めでございますが集まらないものであります。それでも鮮魚と言いますと辞退する方が多くて人を集めるのが一苦労なのであります。
技術が足りないのならば教えればよいし知識が足りないのであれば教えていくのが先達としてのありかた。それはどうでもよろしいのであります、技術職というものは積み重ねがものをいうもので教えても覚えないものとか覚える気がない者は淘汰されるだけであります。教わる立場だった私も教える立場になるというのはなんか不思議なものと言いますか時の流れを感じるものであるます。
そもそも派遣でなんちゃって魚屋である私が教えてよいものでありましょうか?
「ねぇ、百の魚料理を教えられると嘯いているのが何を言っているのだ!」
料理上手な奥様目指すパートさん。百の魚料理なんて簡単でありましょう、料理法なんてものは焼く、煮る、蒸す、揚げる、生と五つに集約されますし味付けを変えれば数はこさえることができます。時にはその調理法に向かない材料もありますが10の魚介でそれが出来れば最低でも50。20の魚介を知れば100は出来るのであります。
「それってサギっぽくない?」
サギではありませんよ、それぞれの魚にはそれぞれの旨さがありますので一つとして同じ魚はありませんよ。同じ種類の魚であってもその魚によって様々な彩り方がありますので怠ってはならないのです。
私達は世界のお伺いを立ててその恵みを頂いているのです。ならばちゃんと美味しく食べて頂けるように研鑽に努めないといけないのです。まぁ、魚から見てみれば何を言っているのだと思われるでしょうが。
「やっぱ、詐欺臭い。そうでなければ宗教家?」
そこは食道楽とか職人バカで
「ああ、酒のついで・・・・・・・・・・」
そこで納得されると困るのです。
「ばろちゃん(仮名)はうちに引き抜きたいんだけど来ない?」
店長、車だと帰りに飲み歩けないから・・・・・・・・・・・・・・(注:雇用条件に車が必要)
「これって飲み歩いたついで?」
否定できません。
「で、実際の話どれだけの料理法説明できるの?」
百は軽くいけます。そもそも、当方で扱っている魚の種類を数えてみましょう。あじ、さば、いわし、いか、ぶり、さけ、かれい、まぐろ、たい・・・・・・・・・・・・・・・・貝類も入れてみれば沢山だよ。
実際に種類数を数えてみれば仕入れ状況にもよるけど20種くらいは毎日扱っている。これで五種づつ作成できれば百のメニューは簡単でありましょう。
「で、私にも簡単にできるの?」
勿論、まずはカレイの煮つけ。これは出来ますよね。カレイの塩焼きも大丈夫?カレイの揚げ物、これは大ぶりな物であれば店でおろして貰えば骨がなくて楽。骨も揚げるのもありだよね。バター焼きにホイル焼きなんかもカレイでやると美味しいものであります。
「おおっ!カレイだけで5種類だ!新鮮だったらカレイの刺身もいけるよね。」
うんうん、いいねぇ。刺身つながりでこぶ〆とヅケを忘れちゃいけませんな。特にヅケは刺身用の魚ならば何でも使える嵩増し用の調理法なのであります。
「でも、これで10種にもならないよ?」
ふふふっ!カレイが何種類あると思っているのでしょうか?マガレイ、マコガレイ、アカアレイ、クロガレイ、ナメタガレイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今週扱ったカレイだけでもこれだけあるでしょう。冷凍のアサバガレイにコガネガレイ、アブラガレイは用途が限られているにしても魚の種類があれば料理法の種類が増えるのです。
「うわぁ!サギだ!」
サギとは失礼な!ちゃんと様々な魚料理ではありませんか。もうちょっとまじめな話するとから揚げとてんぷら、フライで揚げ物だけで三種類できるのですよ。さらにあんかけとか南蛮漬けにしておけば・・・・・・・・・・・・
「そうそう、そういう風に説明すればすごいと思えるのに・・・・・・・・・・」
ここでさらに裏技です。先ほど挙げた調理法、他の魚でもできます。
「えっ!」
ちょっと考えてみましょう、これで百種類軽く超えてしまうのです!
「おおっ!これで私も料理上手な奥さんに!」
そこは実際の技術を磨いてもらわないことには・・・・・・・・・・・・・・
「そこで素に戻さないでよ!」
あとは知識面で覚えておかないと泣けるのが学生アルバイト君、昼間だったら私がいるので丸投げということは出来るのだが私が帰った後一人で説明しないといけない場面もある。商品の位置とかだったらまだしも商品知識に関しては普通の学生君にはつらい部分があります。普通お母さんに作ってもらったご飯食べているだろうしそれがどの様に出来ているかなんて分かっていても説明ができるかどうか・・・・・・・・・・・
「ばろさーん(仮名)!この魚の食べ方について・・・・・・・・・」
なぁ、俺が着替え終わって客としてきているのにいい度胸だな(笑)
「ばろさん(仮名)が帰った直後くらいがそういうお客さん多くって・・・・・・・・・・・も少し残ってくれると心強いんですけど・・・・・・・」
社員連中がいるだろうに。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
うん私が悪かった。十年魚屋やっていて魚の知識がバイト君並みとか、魚が食べられない社員さんとか・・・・・・・どうしようもないよな。
私思うんだ、魚料理100種より野菜料理100種のほうが大変なんだろうなって・・・・・・・・・・・・




