むきたてほやほや
ホヤの天ぷら
ホヤを下処理してから一口大に切り水気をよく切る。
衣をつけて揚げる。
レモンはいらない。塩つけて食べるのが良い。
ビールよりも日本酒が合うかな。
タイトルについては突っ込みいれる必要はないですね。ホヤを騙ろうかと思っております。
ほや、海のパイナップルとか称している方がおりますけどパイナップルなんですかねぇ?この食材は癖が強く食べるものの好みが分かれるものであります。見た目というよりもあの匂いがすごいので・・・・・・・・・さばいた後はまな板を洗いなおさないとほかの食材に匂いがついて楽しいことに。
捌く時に飛び散る体液、これが服についたらシミになって取れません。魚関係で取れない液体というのはイカの墨とか魚の血とか色々ありまして白い白衣で作業なんて考えてみるだけでも楽しすぎるのです。良く、洗えば落ちるだろうと簡単に言う上司がいるのですけど落ちねぇんだよ!漂白剤でも落ちないんだよ!と叫びたくなるのは見逃してください。どこの業務用の洗濯機と洗剤を使えばいいんだよとか突っ込みたいのですけど・・・・・・・・・・・・クリーニングに出された私用の白衣、落ち切れていませんでした。
一応、前掛けあるんですけど前掛けで覆われていない部分とか・・・・・・・・・合羽でも着るかな?
さて、ホヤというと食べ方としては酢の物くらいしか思いつかないのでありますが、産地ではお吸い物とか天ぷら煮つけなどでも食されております。生とは違った味わいで面白いものでありますが、あまり知られておりませんのでそんな調理法もあったんだと知ったお客様の驚きの表情はなかなか面白いものであります。
もっとも、知ったからと言って如何調理するのかと聞きますとそのままとか酢の物で済ませてしまわれるのですけど・・・・・・・・・・・意外と保守的というか冒険心がなさそうなのがお客様の常。
「ばろちゃん(仮名)の引き出しは兎も角、普通に食べているところが怖いよ。逆に躊躇せずに食べられるのかが知りたい。」
失礼な、私がゲテ物食いみたいではないですか。
「ホヤってゲテ物だろ。」
それを言ったらおしまいでしょう!海産物にはこれ食べたら勇者みたいなものが多いのは否定しませんけど一応一般流通しているんだからここで扱っている商品をゲテ物扱いしないでほしいものであります。
「でも、食べるの躊躇するわ。私今まで一度も食べたことないの。」
元々東北の太平洋側でしか殆ど食べられていないから馴染みがないのも否定いたしません。日本国外だと朝鮮半島の南部くらい?それも最近では養殖ホヤが病気で日本から輸入していたりとかという話も聞きます。
このホヤは捌くのはとても簡単でご家庭の包丁でもキッチンばさみでも十分捌けます。ホヤを捌く時は切り目を入れて一気に皮をはいでしまえば大丈夫、あとは腸の内容物を取り除けばそのままお召し上がりにもなれます。酢の物でなくても刺身でも大丈夫、醤油よりも塩で食べたほうが良いのかな?
この捌く時こだわるお客様はホヤの体液を捨てるんじゃないといってくるのであります。私も一度ホヤの汁を捨てて加工したところお客様に大変おしかりを受けまして作り直しを命じられた覚えがあります。ホヤの汁を捨てる失敗はホヤを扱ったことのある者ならば一度は経験していると思います。逆にこのホヤの汁をとっておいたのは良いけどラップで封をするため汁でふやけて水浸しのいい匂いなんて喜劇もあるのでどうしたらよいのでありましょうかとか・・・・・・・・・・
「そんなのは簡単よ!タッパを持ってきてそこに入れてもらえば!」
お客さん頭いい!って、そこまで用意するお客様を見たことが一度しかないですよ!
「だって、ホヤの汁は大事よ!旨み詰まっているんだから!」
そこまで力説しなくても・・・・・・・・・・・・・おいしいのは否定いたしませんけど。ボールで汁を受けて持ち帰られたお客様もいましたけど豆腐屋の買い物かよ!思ってしまったのは内緒にしてください。そこまでこだわるホヤ汁の旨さはなんなのでありましょうか?
ホヤという食材は商品として見るならば飾りに近いものがあるのですが好まれるお客様がいまして時期に無いとしょんぼりされてしまうのです。その癖これは食べ物じゃないというお客様もいるから面白いもので市場で見かけたら季節を知らせるものとして用意しております。もちろんムキホヤなんて言う商品もありますのでそちらを並べるお店さんも見られますがこの辺は作業できる人員と要相談で・・・・・・・・・
私がいればムキホヤはいらないのですが剥いてあるほうが安かったりするのですよねぇ・・・・・・・・・カキとかもそうですけど・・・・・・・・・・
貝類の怖い夏の時期におけるバラ商材というのも貴重なので置いておりますが、色合い的にも助かります。青い魚ばかりだし貝類も色的には灰色とか茶色、赤い魚は鯛くらい?後は趣味の世界になりそうだし・・・・・・・・・目立たせるアクセントとして重宝しておりますなんて言ったら
「ばろちゃん(仮名)、ホヤって売れているのか?売れないものを置く趣味はないぞ。」
店長、それは大丈夫です。少なくとも一定以上の固定客いますんでそこそこ売れてますよ。それに近隣の店舗さんで丸のホヤ扱っている店内から差別化する意味でも良い商品です。
「ばろちゃん(仮名)の選択肢ってマニアックなの多いから・・・・・・・・・・」
そのために呼んだんでしょうに何を言っているのやら。ホヤくらいでガタガタ言わない、仕入れ値だってそれほどじゃないんだから。儲ける部分は一般大衆魚でこれは客寄せと割り切らないとすべてがすべて売れるんじゃないんだし、それを言うならば妙なお菓子とかのほうがロス高いじゃない!
「ばろちゃん(仮名)それ以上は突っ込んだら駄目だよ。俺が店長でもかばいきれないんだから・・・・・・・・」
なにそれ怖い!
そんなバカ話していてもお客様の注文が来るもので
「はい、ホヤの剥きたてほやほやだよ!」
「にーちゃん、面白くない。」
ちくせう
ホヤを捌いていたら手がホヤ臭くなったので悲しみのあまり綴ってみる。
そして私以外で誰も捌こうとしない現実が悲しい・・・・・・・・・さばき方教えたのに(笑)
そしてホヤの加熱調理の知名度の低さに苦笑いするしかない。鮮魚の責任者も知らないって私がマニアックみたいな言われ方するし・・・・・・




