私ははげではない
カワハギのから揚げ
カワハギは皮を取り除いてからぶつ切りにする。
味付けは塩、酒胡椒。市販のから揚げ粉でもよい。
溶いた小麦粉に醤油を垂らして衣とする。
菜種油で揚げて中まで火が通ればよし!
揚げ立てを麦酒!レモンは許可する!タルタルは美味しいけどソースに負ける。下品なくらいにかぶりつけ!
冬になると鍋に最適な魚が増えてくるのはうれしい事である。とは言え今綴っているのは暦の上では春なので季節外れと言われればそれまでなのだが・・・・・・・・
個人的にはフグよりも美味だと思われるカワハギについて騙ろうと思う。タイトルは私の頭髪状態の事ではない。私ははげではない。坊主刈りなだけである。
カワハギと言う魚を見てみるとおちょぼ口でとぼけた風情があります。他の魚は鱗を剥いだら皮ごと食べられるのだが皮をはがないとだめだとか色々と魚らしくない。そのせいか一部の外国人達にウケが宜しくないのであります。もっとも、日本人であっても食べつけていないからなのか食べる人はごくごく一定で加工された状態だとおつまみで口にした方は多いだろうけど丸の状態とかむき身だとあまり食べつけていない方が多いと思われます。
丸の状態だと肝と鮮度を重要視されます。どの魚にも言えるのだろうけど特に肝を珍重するカワハギだと肝が悪ければそれだけで見向きもされません。下手すれば市場では肝を見込んで高値で取引する事が多いのでババを引いた日にはとても泣けることになります。ババを引くのはどの魚にも有るのでバイヤー(仕入担当)のいう事を信じるのは馬鹿ばかりだというのは現場での常識だったりするのです。鰈の詰め合わせとか言ってババカレイだったらうれしいのですけど。
さて、カワハギと称される魚はカワハギとウマヅラハギの二種が一般的でありますけどカワハギの方が高級であると認識されております。ウマヅラの方がやや身が柔らかい気がしますけど食べ比べてみてわかる程度であります。私でも一発で身だけを食べて判別なんて言う器用な真似できません、そこまで流通していないから良いですけど・・・・・・・・こだわりのある方でなければ物を見てその鮮度で選べばよろしいかと・・・・・・・
大抵、むき身の状態で売られておりますから区別の仕様がないというべきでしょうか。鮮度の良い肝がついているカワハギだととても嬉しくて刺身として肝をつけていたりもするのですけど、パックの中で上下運動されるお客様が多いのでぐちゃぐちゃの共和え状態になります。ですので、肝は添えないようになんてお達しも・・・・・・・お客様商品は丁寧に扱いましょう(笑)
むき身にしても鍋やら煮付け、から揚げでお召し上がりになりますととても美味であります。味わい深い白身は個人的にはフグよりも美味かなとも思いますが値段=味わいと考えられておられる方々も多いようで受け入れられないのであります。費用対効果的にはカワハギの方が良いと思うのですけどね。
カワハギを売るときに結構「はげ」「はげ」と呼ばれるのでありますが関西の方では通称としてはげと呼ぶことがあるようでお客様の中で頭髪が(お察しください)・・・・・・・・
「おおっ!いいはげじゃねぇか!」
「うほっ!いいはげっ!」
・・・・・・・このお客様の素性は(お察しください)
私は語りたくないです。
そしてカワハギを使ったお造り。刺身担当の古株さんは
「おぅ!はげすすきはげせきといった本日の盛り込みだ!」
鈴木店長と関副店長・・・・・・・・(一応仮名と言う事にしておいてください)が
「古株君、何が言いたいの?」
「喧嘩なら買うよ。取り敢えず(不採算店舗)の売場長なんてどうかな?推薦しておくよ。」
古株さんのその後は私も知らない(これは創作です。そういう事にしておいてください。)
更に私はカワハギのもう一つの別名を
「バクチウオ、があるんか!可哀想に身ぐるみはがされてら。」
えっと、パチンコとお馬さんで身ぐるみはがされた二番手氏が・・・・・・・・色々精神的ダメージを・・・・・・・
私?カワハギを注文するたびに私の頭頂部を見る若手がいるけどちゃんと礼儀と言う物を教えておきましたけど何か?私の頭髪は刈り込んでいるのであって禿げていないのですから。あと、包丁を持った者には礼儀を持って接しないとだめという事は魚屋の基本でありましょう。
私ははげではありません。ただのスキンヘットです。
刺身包丁で頭をあたっていると言っても信じてもらえませんでしょうが気にもしません。




