めか・・・・・・・ めか……
メカジキの干物
めかじきのの身アラを5%の塩水に日本酒を混ぜたものの中に30分ほどつけておく。(冷凍物の場合は解凍しておいてから)個人的にはひれの付け根の部分とか血合いが好きである。
付け込んだら水気を切って笊か何かで干す。天気が良ければ直射日光でガンガンに干してもよいし、陰干しでもよい。日に当てたほうが固くなるが旨味が出る。陰干しだと軟らかい食感である。干すのは一晩とか半日程度、海風が当たるところだとさらに良いのだが贅沢は言えない。
焼いて食べる、大根とかネギと一緒に炊き合わせにしても美味。
取りあえず日本酒、丼酒で豪快に飲みながらかぶりつくのが良い。
タイトルはどこぞのついったで炎上する場面ではありません。ちなみに私の眼は光に焼かれていませんのであしからず。刺身を作っていると視力が落ちる作者@魚の騙り部でございます。
タイトルからはわけわからんと思いますがメカジキについて騙ります。
カジキ類はマグロと近縁と思われておりますが別の系統の魚でございます。故に昨今ではカジキマグロという表記をなされなくなっております。それ以前にカジキを種類ごとに分けて販売しなくてはならないという面倒臭いことが、これは魚屋が言ってはいけませんね。特に細かい事に拘り過ぎる日本人相手の商売であっては・・・・・・・・・・・・実際に外国のスーパーが進出した時に日本人客の細かすぎるこだわりに対応しきれずあわてて日本人スタッフを増員したなんて言う話があったという噂。真実はわかりませんけどね。それでも進出に当たり日本の実情を知る者として結構な数引き抜きにかかっていたのは事実らしい。
それ以前に法令とか分類とか面倒臭すぎて日本に出店するメリットがあるのかどうか?日本から出店して好評を得るスーパーはあるけど逆はあまり見たことがない。数店舗出して現状維持とか・・・・・・うまくやっても業務提携とか買収してが無難?
話をメカジキに戻しましょう。現在流通しているカジキ類では一番の流通量を誇っております、時点ではマカジキかクロカジキ。マカジキは赤すぎて逆に敬遠されている節があるしクロカジキ(クロカワカジキともいう)は冷凍食品や加工用に回されておりますので見てみるのも面白いかしれません。
流通量がメカジキが多いせいか、他ののカジキはあまり見向きもされておりませんのはよくある話声が大きいとか知名度が高ければそれでそれ以外が見向きもされなくなってしません。これ以上は言いませんよ危険ですから。
そして旬は冬、俳句の季語としては夏なんで夏に求めるお客様は時折。その辺は土用の丑の鰻と一緒でありましょう。実際に冬寒くなると脂がのってくるのでその時期に三陸沖とかあの辺でとれたのは最高であります。物がよろしければ刺身で食べるととろっとした脂としっかりとした触感ではまること請け合いします。よく刺身とか寿司ネタで食べたり作ったりしたものです。もっとも寄生虫が巣食っていることがありますので柵の状態で売るのは販売側としては危険。(食べても食味以外で実害はありませんけど)塊で買って刺身で楽しもうとしたお客さん、黒く詰まった寄生虫の糞で食べる気をなくしてしまったらしくご返品とか・・・・・・・・・売り上げの少ない店でカジキだけで万札飛ぶくらいの売り上げがあったのに返品となれば泣けてきます。処理うんぬんよりも予算達成してウハウハだと思ったらがくんとした時の失望感、私はどうでもよいのですけど管理職の方々が・・・・・・・・・・・ご愁傷様です。こういう話はブリやマグロでも結構見られますので大きな魚は意外と当たり外れが大きいものだと物を見るようにしております。
生の切り身としても高級品であってそこそこ売れていたりするのですけど冷凍切り身としてもウケがよく特定の売り出し商品として親しまれております。だからってマンダイとかマカジキと一緒にばら売りしないでください!混じってレジのおねーさん(何十年か前と聞くと命にかかわります)とかパートさんとかが分からないじゃないですか!ところで若手君はわかる?
「はい、せんせーわかりません!」
正直でよろしい!って、ぐっちゃぐっちゃになったのどうするんですか!私もある程度しか区別できませんよ!
「そこでビンチョウマグロの切り身もドーン!」
てめぇ!三枚におろすぞ!
失礼いたしました。その後まぜこぜにしたのは客に売れるわけもなく従業員で食べる羽目になったのは笑えぬ話。以来この店では冷凍切り身がパック売りとなったり似た種類のは一種しか置かなくなったのでご会います。でも、最後のビンチョウマグロドーン!はいただけません。じっくりとお話をしておきましたのは明記しておきましょう。切り身ランダム一切れ幾らというのは判りますけどこれは何と聞いてくる客をさばくのが面倒臭いのです。魚ならばいくらでもさばきますけど。
カジキの類を切り身にしておくとハラミの所から売れていたりなんて言うことがよくありまして、逆に腹の部分をおくれと言われることがよくあります。でも、そういう時に限って背の部分。どこぞの焼き肉店ではありませんので一頭買いはしておりません、塊の状態で仕入れるのです。いくら売れる店でもカジキだけを100キロとか売れませんので、丸でさばいていたらいくら時間があっても足りなくなりますし。第一店のまな板に載せきれません、持ち上げきれないのもあります。私箸より重たいものを持ったことありませんので・・・・・・・・・そこっ、ダウト言わない。
もちろんその時は背の部分が入荷したことを伝えてお引き取り願いましたけど不満そうでした。腹の部分仕入れた時に来ない癖にと思ったけど言えません。それは言ってはいけないことなのでございます。連絡先を聞いて入荷したらお伝えするという方法もありますけどそこまでして欲しい物ではなくたまたま食べたくなったとか・・・・・・・・・こればかりはご縁がなかったとかとしか言えません、私共は海の恵みで商売させていただいておりますのでご機嫌を損ねると・・・・・・・・・・・・・・なに?私の日頃の行いが悪い?まさか、私は酒を飲みすぎることくらいしか悪いことしておりませんけど何か?
代わりに冷凍物の切り身で腹身の部分がございましたので押し付けたら
「冷凍じゃぁねぇ・・・・・・」
喧嘩うっとんかい!
そんなお客さんでありますけど、運よくカジキの腹に出会える時がありまして・・・・・・・・・・その時は午後の便で来たためにまだ売り場に並んでおりませんでした。というか箱からも出していない状態で
「さっさとしろよ!三分間だけ待ってやる。」
うるさい客である。客をまたしても魚を待たせないのが信条の私は取りあえず煩い客の口をふさぐべく切り身を作るのであります。そのおろしている風景を見て子供が
「めか・・・・・・・めか・・・・」
と言っているのは愛嬌。その前に言うべきものがあるだろうという突込みはなしにして欲しい。これはそういう話ではありません。
年末進行である。その最中に社員さん達に幸不幸が重なって休みがつぶれそうな勢いである。泣けてくるのである。肉と酒を食べておこう。




