あおりを食う話
アオリイカのげぞボイル
アオリイカをさばいたときに出てくるゲソとエンペラ(耳の部分)はきれいに掃除して塩もみする。
熱湯にに塩一つまみ、ついでに氷水を用意しておく。
塩もみしたゲソとかは一回水で洗い流して熱湯にくぐらせる。
すぐにザル等にあげて氷水で〆る。ゆですぎるとうまみが逃げる。
酢味噌やワサビ醤油、好みのたれでつまむのがよい。
これを主として炒め物にしてもよい。身のほうは刺身等で利用した残り物の料理である。
ビールかな?日本酒かな?刺身を作る間の箸休めに作ったら私が食べる前に食べつくされた。ちくせう。
タイトルには意味がないです。この作品にも意味がないと言われれば否定はできませんがどうでもよいことでありましょう。現状におきましてはサンマの不漁とか台風とかのあおりを受けて売り上げは順調に下がっております。とタイトル回収完了、というメタなことはさておきまして今回はアオリイカの話でも騙りましょう。
アオリイカ、それこそ漁場のそばでない限り普段は目にすることのないイカであります。美味なので見かけたら手に入れて食されることをお勧めいたしますがお値段のほうも………結構いい値段します。どっちかというと釣り人のほうがよく手に入れてきたり、だからって持ち込みは勘弁してくださいね、クーラーボックスいっぱいのアオリイカをさばくのは釣り人の仕事です。持ち込み厳禁な店なんですよ、断られたからって苦情も言いっこなしです。
「ばろちゃん(仮名)お客さんを煽るんじゃない!」
おっと、失敬。
食味で言うならば刺身はもちろんでございますが炒めたり揚げ物等にしても肉厚の身に含まれたうまみ成分が舌を喜ばせるものであります。タイやフィリピンあたりからの輸入物もありますのでそっちでも十分いけますね。小さいものならば丸焼きにしても美味ですし、墨を生かしてイカ墨料理なんて言うのもわるくない。
ただ、さばくときに墨袋を破かないように気をつけましょうこれは服につきますとまず落ちません。イカの墨は本当に落ちないです、誰か良い洗濯法を知っていますかね?セピアの語源がイカ墨というくらいですから。墨袋を破いてしまって制服をだめにするのはよくあることです。だから店長注文するときに嫌な顔しないでください、おろしたての白衣をだめにしたのは悪かったですから。これはイカをさばくときによくある事故で如何ともし難いものなんですよねぇ。
そしてアニサキス症であおりを食って生食が減っておりますが、イカを一回冷凍しておきますとアミノ酸が分解されてうまみ成分が出てくるのです。ついでにアニサキスも死滅しますので一石二鳥とも言えましょうか、特にソデイカの類は凍らせたほうが………まず手に入らないでしょうけど………
「ばろさん(仮名)ソデイカが送り込みで………」
うん、ソデイカ(18キロ)これ刺身にしたら死ねるぞ、さばいて冷凍保存だ………
「………市場から手伝ってくれってスルメイカが…………」
アニサキス騒動と高値で売れてないんだな、これもさばいて冷凍保存………
「漁港からアオリイカが直送されてます。」
どうしてイカばかり………ないときは全然ないのにこの時とばかり集中するのはどうしてなんだろか?以下の盛り合わせも作ってみる。見事に白一色!それを売り場に並べる………白一色で色気がない。
売り込みをかけると売り場が単色で単色で………
「それを言ったら精肉なんて赤いし青果なんか緑ばっかりだぞ。」
「イカだけの盛り合わせじゃなくて、マグロとか色々混ぜこんで………」
「そっちも出来てますよ、売り切れましたけど。」
パートさん(刺身担当)残業よろしく!
そのパートさん家族と外食の予定だったらしく私が残業でやけ酒を煽って二日酔いになりました。
最近店が暇すぎて暇すぎて出てきた魚で遊んでおります。社員の仕事取ったら怒られるし………酒でも飲もう、肝機能とか言われているけど問題ない。




