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05 ~Enhancing~

なかなか納得いく文が書けなかったので更新遅くなっちゃいました。

すいません><

「跳ね返せえええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


 叫ぶと目の前に、俺の声に応えるかのように魔術陣が円形に大きく広がっていく。

 それは巨大な力を持って熱線とぶつかった。


「大丈夫だ!いける!」


 熱線は魔術陣にぶつかるとその中心に囚われていき、巨大な火球に成り果てた。


「お返しだ!!放て!」


 魔術陣と言うリフレクターは、火球を中心に抑えたまま魔物へと飛び出していく。

 それは傍から見ると俺が火球を生み出して反撃しているように見えるが、そうではない。

 この魔術は対象を一度取り込み、そのエネルギーを好きなように転換する魔術だ。


 だが、俺はその魔術で電気エネルギーを発生させるわけではない。

 その魔術の戦闘での使い方はリフレクト、つまり反射だ。

 

 火球は惜しくも魔物の背中をかすって空にて散った。


「けど、初心者にしてはなかなかですよ」


 俺の中でアリアがぱちぱちと手を叩く。

 だが、俺はそれをほとんど無視して、そこから飛び立ち、追撃を開始する。


 俺が基地から離れると、案の定魔物の攻撃は俺の方に集中してきていた。

 そいつの熱線をひょいひょいとかわし、接近していく。


「エネルギー残量に注意して!」


 アリアからの注意を受け、視線を声のした方に落とすと、視界の隅に円形のゲージがあるのが見えた。

 真ん中には数字、それは俺が見た瞬間03:13:45を示していて、俺が見ている間にも一番右の部分がカウントしている。

 

「それはエネルギー残量からの予測稼働可能時間を示しています。今赤色をしている円形のゲージがエネルギー残量です」


 アリアの説明を受けて、とりあえずあと3分しか動けない事を理解する。


「アリア、武器あるか?」

「なんなりと」

「じゃあなるべく威力の高い剣を出せ!」


 「It consented.」=了解の意を示すと、俺の右手に光が集まり、ひと振りの刀が握らされた。


 武器があるからと言ってうまく扱えるわけではない。

 だが、素手で戦うのよりはずいぶんましだ。


「5秒後に最大加速、いけるか?」


 魔物の口が開き、光が放たれるのをよけながらゲージを確認する。

 残り02:45:15


「信用して下さい」

「信用する! ……………っ!!?」


 最大加速の予想以上の速さに一瞬押されながら、刀を腹の横に構える。

 そしてみるみる近づく魔物の体表に若干怖じ気づきながらもそれを前に突き出す。


「うっりゃあああああ!!!」


 刀はいともたやすく魔物の表面を突き刺し、俺は表面にめり込んだ。

 そう思うと体は闇に沈んでいき、数秒してまた光にあふれた世界を見た。


 貫通したのだ。

 最大加速で突きを繰り出した俺は弾丸のようにこの魔物の体を貫いたのだ。


「やったか!?」

「いえ、魔物はそれを構成するコアを壊さない限り消えません」


 アリアのその言葉に振り返ると、そこにはすでに今開けられた大穴を修復し終えてこちらに向き直ったヤツがいた。


「コアって魔法結晶の事か」

「位置を表示しています。赤く点滅しているのがコアです」


 それは意外にも鼻の先、つまりさっきから熱線を繰り出しているところだった。


「敵攻撃態勢に入りました」

「まずい、この角度で撃たれたら施設が……」


 言いながら残量を見る。

 

 残り54:03:22


 絶望的な数字に俺は歯を食いしばり、決断した。


「アリア、もう一回最大加速。同時に最大出力でリフレクタ展開」

「一か八かですね」


 そうだ。

 最大加速をしただけで残り2分はあったはずのエネルギー残量が1分になってしまったのだ。

 しかもさらにリフレクタを最大で張ろうとしているのだ。

 途中でエネルギーが切れてもおかしくない。


「よしいけ!」


 その声と同時に魔物の熱線は放射され、俺は最大出力でそれを受け止めながら、最大出力で加速する。

 エネルギー残量が目まぐるしく下がっていく。

 だが、状況は五分と五分、どちらも一歩も譲っていない。


「こ、このままじゃ!」


 アリアの悲痛な声に顔をゆがめる。

 だが、引くわけにはいかない。

 俺は皆を守ると決めてこれを着たのだから!


「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 この右腕に一世一代の力を込めて、俺はもう一歩を踏み出す。

 

ピーーーーーーーーーーーーーーーーーー!


 無機質なアラームが鳴り、エネルギー切れを告げる表示が目の前に現れた。

 それとほぼ同時に、魔物は熱線を途切れさせた。


 ここぞとばかりに、俺は反射魔術に解除の魔法を撃ちこんだ。

 なんてことはない。

 つい最近やったばかりの発火魔法だ。


 導線に火をつけ終わると俺は力尽きたように海上に落ちていく。

 

 発火魔法はリフレクタの中心に成形された火球にふと触れると大爆発を起こし、その爆発に魔物のコアも至近距離で巻き込まれた。

 俺は鼻先が完全に破壊されたのだけ確認すると、目を閉じて静かに落ちて行った。


____________________________________



守るために俺は戦った。

そして、死んだのか?


まあ、人の役に立って死ねるならそれは本望なのかもしれない。

いや、違うな。

俺はそんなこと微塵も望んじゃいない。


死ぬのなんてごめんだ。

蘇生魔法なんてのもあるけど、俺にはそれをかけられるほどの財力を持った親はいないし、それはまんま死だ。

死んだらどこに行くのかは結局分かっていないが、楽になれるなんて事はまず無い、と俺は思っていたはずだ。


だったら俺は自分がやりたい事をやって、それから死にたい。

他人のために死ぬなんてごめんだ。


でも俺がやりたい事をやって、結果的に他人の役に立つのならば、それはすごく素敵な事だと思う。

だから俺はこれからも皆を守りたい。


お、目標が一つできたじゃん。

他人を守る。

ぷぷ、こうして見るとすごく子供っぽいし、すごくおおざっぱだな。


だけど俺は


それがいいことだと信じる。

少なくとも悪い事ではないと思う。

立派な目標だ。


ならまずは


死んではダメだ。

すぐにでも起きて、みんなを安心させなきゃ。


それが今現在の俺の使命だ。

バトル・・・?

まあ、戦闘シーンを書けてよかったと思います。

上手くできたでしょうか?


前回無理やり戦闘に持っていこうとしちゃったから、うまくまとまらなくて更新遅れました。

送れてまとまったかと言うと疑問ですが・・。


その辺についても感想お願いします!

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