03 ~Alchemy~
今日は余力あるっぽいのでもう一つ。
俺の通う高校はさっきも言ったように魔法と科学について学ぶ機会を極力多くしたところで、カリキュラム的にもほぼ半分が魔法学の理論、実習、科学技術の基礎知識に割り当てられている。
次にそれらの学習に最も必要とされる国語、数学、英語、独語等も多くなっているため、実際の時間割で言うと通常高校が7時間で下校なのに対し、うちの高校は毎日8時間と他校より1時間は多くなっているのだ。
それで俺たち生徒は8時間目になってくると眠気と戦うはめになるのだ。※これは俺以外も例外ではない。
その眠気と言うのがなかなかにつらい。
白昼夢と言うのを知っているだろうか?
真昼に見る夢ということだが、この場合は非現実的な空間という方が正しい。
まあ、定義なんてどうでもいいんだが・・・
とにかくその白昼夢と言うやつはウトウトしていて、起きなきゃ起きなきゃとなっていると先生に当てられる幻とかを見て、思わず「はい!」とか叫んでしまうのだ。
先生に当てられるような日常的なものならまだいいが、この前、お姉さんが自分から離れていく夢を見ていたらしく、「ねーさーーーん!!」って言いながら起きたやつがいたのは笑えたな。本人は全く笑えないが。
まあ、そんな事があるのでこの白昼夢と言うやつはこの学校で最も恐れられている現象と言ってもいいだろう。
で
なんでこんな話をするかと言うと、まあ気付いての通り。
俺が今正に白昼夢を見そうな状態にあるからだ。
5時間目にルナを押し倒してしまった事で相当に疲れてしまったのだ、と言い訳しておく。
まあ正直それの影響もだいぶ大きいわけである。
なぜって、あんな状況になったら普通、そのあとが気まずすぎて疲れるだろう!
「はぁ」とひとつため息をつくと、一回だけ黒板に向き直る力を得られた。
先端科学の結晶、パワードスーツ、E.A.19 NUSA条約、国家保有機体数の制限etc
それらのワードから俺の頭の中の一つの事柄が引っ張り出される。
ああ、AAのことか。
あ、AAって言うのは旧ドイツの開発した超万能型のパワードスーツで正確には[Angetriebener Anzug]というらしい。
まあ、アカツキ人は発音がよく分からないので「エーエー」とか、「ダブルエー」とか、ふつうにパワードスーツと言うやつもいる。
まあ、意味はそのままパワードスーツなのだが・・・。
いや、いっぺん乗ってみたいね。
なんせそれを使えば空を飛ぶことだってできるし、重たい岩も軽がる運べるって言うし。
しかもそれ本体があんまり機械じみていないらしいのだ。
聞く話によると、リクルートスーツのようなものとか、全身タイツのようなものとか、女子スクール水着の様なものまであると言う。
大抵の教科書で紹介されているのは一番最後の女子スクール水着のような形か、またはその前の全身タイツ型のどちらかである。
機械じみていないと言うか、それはもうもはやただの布切れにしか見えないものであるが、その耐久性は実に宇宙戦艦並で、E.A.初期の戦争ではこれを持っているか否かで勝敗も決したと言う。
まあ、昔はそれなりにごつかったようだが・・・。
今ではAAはセキュリティポリスとかみたいな重役くらいにしか扱われていない。
あ、でもAAの機能を使った新たなパワードスーツが、すでにだいぶ完成に近いとも聞く。
まあ、今の平和な世の中、それがどこまで必要とされるのか俺には分からんが・・・。
「そろそろ鐘が鳴るので授業はここまでですね。委員長、号令を」
「起立、礼」
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「さーて、レポートどんなの書こうかなーっと」
さあ、いきなり時は飛んで、今は夏休み。
なっちゃんとルナと、休憩時間をすぐ外のビーチで楽しんでいます。
「ヘイアスカ、ボールパス!」
「あいよ」
若干テンションの上がったなっちゃんに向けてビーチボールを投げてやると、勢い余って飛びすぎてしまう。
「あ、わるいわるい!」
「アスカは何に関してもコントロールがあいまいですね」
この前のあの炎の一件以来、何かと俺がミスるとこう言ってくるもんだから困る。
まあ、確かにあの炎の強さはミスったよ。
でもしょうがないじゃん。
まともに魔法使ったのあれが初めてなんだから・・・。
ちなみにあれ以降、少しづつだが魔法を使えるようになって来ている。
「つか、なんでずっと敬語みたいな話し方なんだよ。もう少し砕けてもいいだろうに」
「ん、じゃあ遠慮なく。とはいっても、まだ日本語に慣れていないから砕けた言い方も難しいな。」
あ、もしかしてこいつの提出物出せない原因って、日本語が読めないから、どれを出したらいいか分からないとか?
ちなみに[アカツキ]の公用語は日本語である。
「そういうこと。だから私に出された課題って言うのは日本語を覚える事」
そういうことか。
どおりで違和感があったわけだ。
勉強できそうなのに提出物出せないなんておかしいしな。
「アスカはなんでこんなことしてるの?」
「・・・あー、俺サボり魔だから」
そう言うとルナはプッっと吹き出してからアハハと笑い声を立てた。
「じゃあアスカは本当に典型的な問題児なんだね。じゃあもしかしてその髪の色も染めてたりするの?」
髪の色・・・ね。残念ながらそれは地毛だ。
ここで俺の容姿について説明しておこうか。
さっきから話題に上がった髪の色はミカンよりやや黄色みのあるオレンジ色をしていて、身長は173センチ、まあ高校男子ならこのくらいはあって普通じゃないかな?それと眼にも色が付いていて、それはほんの少し紺に近い藍色をしている。
「これは地毛。お前もあれだろ?」
「そう、[Ao]による体質変化の影響よ」
「まったく、俺は黒髪の方が好きなのになぁ・・・」
全く迷惑な話である。
[Ao]の発するマナには生命の遺伝子とかに付加を与える効果もあるらしい。
なのでE.A.生まれの人間は若い者ほど西暦以前の所謂「自然」と言うものから離れているのだ。
「アスカー、ボール投げるよー」
向こうでようやくボールを拾ったらしいなっちゃんが、大声を出してこっちにそれを寄こしてきた。
俺はそれを片手でキャッチすると昔の事を懐かしく思い、深呼吸をする。
「アスカ、あれ何?」
「・・・・え?」
ルナが指差す方角を見ると、遠くの方に閃光が走った。
「なっちゃん、あれなんだ?」
「たぶん軍の戦闘訓練じゃないですかね?近くに基地もあるし。」
「なるほど。さすが先生。」
俺はその戦闘の光とやらを見て、なんであんなことをしなくちゃいけないのかと思うタイプだ。
戦争なんてここ十数年間一度も起きていないのに、なんであんなことを・・・・。
平和ボケと言うやつなんだろうか?
あいにく俺は平和な世界と言うものしか知らないもので、彼らが何のために訓練しているかが全く分からなかった。
まあ、俺的にはあまり分かりたくもなかった。
ああ、バトルが、バトルが書きたい。
バトルに飢えている作者です。
主人公とは全く逆ですねww
さっきアクセス数を確認したんですが、順調に伸びているようでよかった・・。
見て下さった方々は本当にありがとうございます。
ここを直した方がいいんじゃないかとかあればどんどん言ってください。
僕が目指すのは大賞ですので!←
はい。調子乗りましたw
こんな僕ですがこれからもよろしくお願いします。