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02 ~Progress~

 えーと・・・

 何?

 何が起こった?


「あの、よろしくお願いします」


 ルナレアと名乗った少女が礼儀正しくお辞儀をしてくる。

 そしたらこっちもお辞儀をし返すしかなくなって、

 「よ、よろしく」と少しだけ頭を下げておく。


「ルナレアさんはなんで私と一緒に夏休みを過ごすことになったのかな?」


 なっちゃんが恐る恐るといった感じで話しかけてみる。


「あ、私の事はルナって呼んで下さい。質問に答えますと、それは私が問題児だからです。としか答えられません」

「はぁ、そうですか」


 はぁ、問題児ですか。

 いやあんた、問題児じゃなかったらこんな風にされないっての。

 なっちゃんが聞いてるのはどんな問題児かってことだよ。


「高校に入ってから提出物を一枚も出していません」

「簡単に答えられるじゃないかよ!」


 おっと、思わず突っ込みを入れてしまった。

 

 それはともかく・・・

 いいのか?

 

 彼女も聞くところ15,6歳のようだ。

 そんな男女がひと夏を一緒に過ごして問題なんか起きないのか?

 俺は問題を起こす気は全くないわけだが、ま、万が一の事があるかもしれないじゃないか←


 そんな事を思っているとふと視線を感じる。

 紅い視線はルナの物だとすぐに気がついたのだが、なぜそんな目で見る。


「あなたが卑猥な事を考えているように感じたからです」

「おま、読心魔法を!?」

 

 俺は思わず椅子から立ち上がり、ルナから少し距離を取る。


「あなたの考えている事は読心魔法を使わなくても分かります」


 ちょっと待てぃ!

 さっきなっちゃんも同じような事言ってなかったか?どんだけ分かりやすいんだよ俺の感情!


「・・・はぁ、まあいっか。あれだよ、きっと俺も思春期と言うやつなんだよ。だから多少の事は気にしないでいてくれ」

「了解しました」


 さっきからなんだか他人行儀すぎる言葉遣いに違和感を感じていたが、俺が手を差し出すとルナはちゃんとその手を握ってくれた。

 

「じゃあ二人ともそろそろお昼休みも終わるのでそれぞれの教室に戻りましょう」

「おう」

「了解」


 って俺まだ弁当食い終わってないし、ああでも次の授業魔法実習だったような気がす・・

 まあいい、さっさと食っていけばいいだけだ。


 思いながら俺は弁当箱の中身を丸のみして、さっさと魔法実習服に着替えた。


____________________________________



「魔法とは「レイトアルマゲドン」の時の小惑星が運んできた新元素、[Ao]アンノウンオクチニウムの性質によって人間の組織の一部が変化した結果得られた力です。[Ao]の発する電波のような物の事を力のマナと言い、人間がそのマナを受信して、現象化する事を「魔法」と呼びます」


 だがマナに対する感受性には個人差がある。

 せっかく大量のマナを浴びていても、そのマナを感じられなければ魔法は全く使えない。

 そして俺は全く感じられない口である。


「・・・ぷはぁ。やっぱ無理だわ」


 なっちゃんには力むからいけないんだとも言われたが、これが力まずにはいられないのだ。

 力まずにマナを感じようとすると、単に寒気がしたり、貧血っぽくなって倒れたりする。


「全くどうすればいいのやら・・・」


 故に、俺はよく読心魔法をかけられてしまう。

 魔法が使えないからそれを防ぐ術もないのだ。


 ・・・ふう。

 まいっか。


「よくは無いと思うのですが」

「・・・ほんとに読心魔法じゃないんだよな」


 いつの間にかルナが隣に立っていた。


「魔法が使えないのですか?」

「そうだよ。まあ、正確にはマナが感じられないってとこなんだけどな。」


 そう、俺はたぶん魔法が使えないわけじゃない。

 いやまあ、実質魔法は使えていないわけだが、たぶんマナの供給さえあれば魔法は使えるんだ。


 ところがそれは魔法のできない奴の言い訳として最も一般的なものでもあるのだがな・・。

 結局マナを感じられないと魔法は使えないわけだしな。


「マナを感じられればいいわけですね?」

「ん?ああ、たぶんな」


 俺がいい終わるか否かと言うタイミングで、ルナがいきなり俺の手を取る。


「何をする気だ」

「こうするんです」


 ルナがそう言うと、俺の中に冷たい何かが流れ込んでくる。

 そう、それはとても冷たかった。


 一瞬手を引こうと思ったが、彼女は案外強く俺の手を握っていて放してくれなかった。


「分かりますか?これがマナです。」

「・・・え?」


 もしかして今俺の中を流れているこの冷たい感覚がマナ?

 じゃああの背筋の凍るような感覚やアイスを食べた時みたいにキーンとくる頭痛の様な奴が全部マナを受信している瞬間だったってのか?

 

「そうです。それがマナです。あなたは勘違いをしていただけなのですね」

「そ、そうか」


 そういうとルナは手を放し、俺の中には青く冷たい炎のような感覚が残った。


「こうか?」


 そういって手を前に出し、俺のイメージしていた魔法を顕現させようとする。

 が、それは意外と難しかった。


「違います。えっと、魔法を発動させるときはマナを外側に向けて放つんです」


 「こういう風に」と、ルナは手のひらを上に向けてその上に紅い炎を顕現させた。

 相変わらずマナの動きが感じられない俺にとっては、何が何だか分からなかったのだが、とりあえず真似をしてみた。

 ・・・やはり出ない。


 するとルナはくすくすと笑い始めて俺の背後に回った。

 って俺にかぶさる。


「今度は何をする気なんだよ」

「こうです」


 ルナは俺の右手に自分の手を添えて、俺の体からマナを絞り出すようにする。

 

 すると俺の手のひらに力が集まって行くのが分かる。

 その一連の動作になるほどと思いつつ、俺は炎を思い浮かべる。


「うわっ!!」

「きゃぁ!!」


 すると手のひらで爆発的に青い炎が起こったのだ。

 おもわずそれから逃げ出そうと後ろを向いて逃げようとする。


「あっ」

 

 気付いた時にはもう遅い。

 俺はルナを押し倒し、俺は倒れたルナの足に引っ掛かって倒れてしまった。


「やべっ。今どくから」

「・・・むきゅぅ」


 あ、こいつ目を回してる。

 こりゃ本格的にヤバいかもしれん。

 

 どかなければと思ったがしかし、無防備なルナに目を奪われた。

 それはもう、綺麗な銀髪が倒れたせいで乱れたところにものすごくエロスを感じたりして、大変だった。

 だが・・・


 自制心を保たなければっ!


 その自制心で俺はルナから体を無理やり剥がすと、さっきのマナのイメージを練習し始める。


「あなた、そういえば名前を聞いてないわ。それと、見たところ[Ao]の影響を最大限に受けているように見えるのに、そうも魔法を使い慣れていないのはなぜ?」


 上半身だけ起こして髪を直しながら俺に話しかけてくる。

 髪と言えば、俺の髪もだいぶ色が変なのだ。

 マナはそういう変化も体に与えるのだ。


「そうだなぁ。いままで魔法を使う機会が少なかったんじゃないの?」

「今重要なのは名前の方。」


 あ、そっちが聞きたいのね。


「別に隠してるわけでもないんだがな。俺の名前はアスカ・ヒメサキだ。まあ、よろしく。」


 そう言って俺はルナに手を差し伸べた。


なかなかバトルが書けない・・・。

いいし、この次は無理やりバトルにしてやるし!


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