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12 ~Ordinary~

 気がつくと夏休みも残すところあと1週間ほどになっていた。


 俺はそれまでにMEをだいぶ乗りこなし、拡張現実でのゲーム訓練も10段階のレベル4くらいまではできるようになっていた。

 ちなみにメイさんはレベル10だが・・・。


 あと、レポートの方も夜中に頑張っていたおかげでラストスパートに入っていた。

 ルナからメイさんからなっちゃんから魔法化学についていろんなことを教わりながら書いたそれは、自分でもだいぶ納得がいく出来になっていた。


「ルナー、課題終わったー?」

「ラストスパートってとこかな」


 どうやらルナも課題はちゃんと終わりそうだ。


 ちなみにあの事以来、ルナに特には変化は無かった。

 二重人格どうのと言う話もその影を見せる事はこの数日間全くなかったし。

 もちろん突然変異で羽根が生えてくることもなかった。


 ルナ自身も体調は良好だと言うので、今のところあれほど大きな事件は起こっていなかった。


「ルナレアー、そろそろ時間だぞ!」

「はーい!」


 ただ、毎日決められた時間に精密検査をかけられる。

 特になんの変動もないと言うが……。


「じゃ、またあとで!」


 ルナはそういうとその場からテレポートで病院に飛んで行った。


「アスカ君、君もそろそろだ」

「はいはい」


 メイさんはその反抗っぷりにはぁとため息をついていた。


 俺の方はさっきいったシュミレーションの事だ。

 アリアが用意してくれたそれは、MEの機能を使ってVR空間を作り、そこで戦闘の訓練をするというものだった。


「アリア頼むぜ」

「頼まれました! 行きますよ!」


 待機状態のアリアが強い光りを発したと思ったら、すぐに俺の周りの風景は消え去り、一瞬真っ暗になってから今度は真っ白な空間に放り出される。


 今回のステージは重力があるらしい。

 俺は放り出されてからすぐにMEを展開させて、それから床に降り立つ。


「敵は龍型の魔物を想定しています。いつも通り撃破してください」

「龍!? そんな動物みたいな魔物いるのか!?」

「来ますよ!」

「分かってる!」


 俺は龍の吐いた炎ブレスをシールドを円錐形に展開して受け流し、右側の手で刀を握る。

 ちなみにいつも使っているこの刀だが、最近説明書きを見たら一応名前が付いているらしい。


 黒光/クロビカリというらしいそれは、実はただの刀ではなく、高出力の光を纏わせたライト○イバーとかビームサー○ルの様な機能もあるらしい。

 それを使うとエネルギーがかなりのスピードでなくなるという設定だが、必殺の一撃としての威力は十分だった。


「モードビーム、瞬間加速、リフレクタ!」


 俺がそう言うと、次の瞬間に炎を消すほどの勢いで魔物に接近し、ビーム黒光で龍のあごを切り上げる。


「動物型でも討伐方法は同じ! そんなことしてもそいつは修復するだけだからね!」

「動物型だからと言って生物と同じではないってことか。めんどくさ」


 俺は龍の頭のところにリフレクタを張って、元の位置に戻ってくる。

 この魔物はどうやら空間固定型の様で、さっきから体をくねらせるくらいはしてもコアの座標はほとんど移動していない。


「こう言うタイプの魔物は大抵の場合町の中央に出現して町を一つ滅ぼしてくれます。ある意味ではすごく厄介な相手ですよ」

「確かに動きはのろいけど、こいつの攻撃力と防御力は半端じゃないな」


 さて、どうやって退治したものか。


「提案ですが、射撃武器を使ったらどうでしょう?」

「射撃系は俺全然だめだったじゃん?」

「ME装備中なら自動照準が使えます」


 ついこの間、メイさんに誘われて射撃場に行って来たのだ。

 だが、銃の握り方がおかしいとか、もっと的を見ろだとか、とにかく言われたい放題言われてしまい、自分では射撃については諦めようと思っていたのである。


「そう言うのがあるんなら先に言えよ」


 さっきからドラゴンの前に張ってあるリフレクタがキャパシティーオーバーで割れる音がする。

 俺はとっさに上に避けてブレスをかわすが、それは俺を追いかけてくる。


「じゃあ射撃系の武器で、何がある?」

「スナイパー」

「はいアウト―!!スナイパーライフルとか狙撃用の銃器じゃん!こんなアクションで使えるかよ!」

「あなたが狙う必要はありません。私が狙いますから!」


 俺は何も責任取りません!

 そう思うと左手が勝手にスナイパーライフルを握りしめ、魔物の方向に銃口を向ける。


「つか助力していいのかよ。俺の訓練なのに……」

「いいんです。メイさんはレベル5以降は二人でやれと言ったので。MEの思考機能を利用しない手は無いと」


 確かに、それは言える。

 それに俺はアリアのサポートがないと絶対に動けないと思う。

 こうやってリフレクタとかの魔法が使えるのもアリアが支えてくれるおかげだし。


「じゃあ撃ちますよ」

「OKさっさと終わらせ!」

「えい!」


 左手でカシュッと引き金が引かれる。

 それと同時に、反動が俺の左腕に伝ってくる。


 バカンと気持ちの悪い音を立てて肩が外れた、左肘が逆方向に曲がった。

 変な体勢で撃ったせいだ。


 痛みを感じる前にVR空間が閉じていき、現実世界に戻ってきた。


「ぬぎゃああああああ!!? う、腕があ!」

「なるほど、体勢とかも考慮しないといけないのですね。いい勉強になりました」

「アリアてめっ、いい勉強になりましたじゃねぇ! 今の実戦だったら確実に逝ってるぞ俺!」


 俺は変な感覚が残る左肩を摩りながらそう言う。


「反省してますって」

「ホントかよ! それにしては声が弾んでるじゃないか」

「……えい☆」


 その明らか悪意が込められた声とともに俺の現実の腕が逆方向に曲がろうとする。


「ぬあああああ! 何しやがる!」

「アスカの耐久性を調べようと思って★」

「計算で調べりゃいいじゃんかよ! って! ちょ、アリアさん? なんで怒ってるの!?」

「うるさいです!」


 ちょ、それ以上逆に曲げたら折れるってマジギブ!

 ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、何さらに力入れてんの?

 マジ折れるから!


「アリアはかまってちゃんだからね」


 メイさん、今それ関係ありますか?

 ちょ、アリア!


「アリア、アスカ君があまり喋ってくれなくてさびしいのは分かるけど、それ以上やったら本当に折れちゃうよ」


 そう言いながらメイさんは口に手を当てて笑う。

 きっと俺が一人で悶えているように見えておもしろのだろうが、これ意外と大変ですよ?

 代わります、メイさん?


 と、そしたらアリアが力を抜いてくれた。


「アスカ君も、アリアは普段アスカ君としか話せないんだからもう少しかまってあげないと……」

「分かりましたぁ!!」


 びしりと敬礼を決める。


「アリアってなんかしたい事あるの?」

「んー……、オシャレとか?」


 俺の背筋が凍った、様な気がした。

 え、それは無理っす。

 アリアは女、俺は男、その願いは叶えてあげられな……


「でもアスカ君は男だよ?」


 メイさんナイス!


「大丈夫です。アスカはぎりぎり男の娘としても通用します!」

「確かに……」


 確かにとか言ったらアリアが本気になっちゃうでしょ!

 メイさん助けて!


 だが口が開いてくれない。


 アリアおま!?

 何をする気だ?


私に逆らえると思って?


 え、アリアってそんなSキャラだったっけ?


「あ、想像すると案外似合ってるかも……」


 メイさん、それは想像ではなく妄想では?

 あとよだれよだれ!


「大丈夫、メイさんが面倒見てあげるからね!」

「助力感謝します!」


 え、俺そんな服着ないよ。

 ねえ、誰か助けて!

 

 体動かないし、こんなのありなの!?


 ねえ、俺の意思は――!!?



 その理不尽な事件はルナが精密検査から帰って来たことで終了した……。

最後は僕の欲望丸出しです←

アリアがあんまり登場していない事に気付いてこんな風にしてみました。

後悔は・・・、はは←


まあ、今回は暇つぶしだったし、こんなもんでもいいんじゃないかな。

と思ってしまう俺←


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