変態
「あの・・さ。名前何ていうの?俺は、東啓太。啓太でいいから。」
しばらく沈黙が続いて気まずくなったので、俺は口を開いた。
ピンク色の髪で澄んだ蒼い瞳の女の子は、間を開けるのが好きなのか、また5分ぐらいしてから返事を返してきた。
「レク。レク・アーモンド。レクかアーモって呼んでくれればいい・・。」
静かに答えた。さっきの箒に反対に乗ったのを突っ込んだから、まだ怒ってるのか、恥ずかしがってるのか、こちらを向こうともしなければ、喋ろうともしない。俺さっそく嫌われた?
「じゃぁ・・レク。俺達は今どこら辺にいるんだ?」
「・・えっと、街まで後15kmぐらい。時間で言うと1時間弱かな。」
こうゆうのはすぐに答えてくれるのな。まぁ、もう少しって言うのがわかった。やっと・・やっと帰れるんだ!?って言うか、俺どんだけ歩いたんだよ・・。20kmぐらい?
「あ、あぁ、ありがとう。」
~1時間後~
辺りはすっかり暗くなっていた。・・俺寝てないよな。でもさっきから眠気がしないのはなんでだろう?いつもだったら、オールした日・・次の日は1日中寝てるぐらいなのに。
「ついた。」
レクが言う。目の前には―・・。
あの魔界の街があった。なんだか懐かしい気がする。
入り口まで連れて行ってもらうと、仁王立ちで藍が立っていた。
今にも怒られそうな・・。覚悟を決めて、俺は箒を降りて藍のところに向かった。
「あ・・ ダダダダダダ!!
俺の声がかき消されるほどの素晴らしい足音が藍のもとに行った。
キョトン。として藍を見ていた。ピンクの髪。蒼い澄んだ瞳。レク・・?
「マリアお姉さまっ!お久しぶりです!レク・アーモンドです!覚えていますか!?」
「あ・・あぁ、アーモ・・。覚えてるよ。久しぶりだね。元気・・そうだね、うん。」
藍がレクの頭を撫でてる。レク・・は・・・。藍の胸に頭を摺り寄せている。藍は気にしてなさそうだ。いつもの事の様に、平然としてる。もし、あれを俺がやったら・・・
「失せろ!!このドスケベ!変態!死ね!ブーデン様にいいつけてやる!!」
なーんて。言われそうだなー・・。まぁ、あんなまな板に誰が摺りつくか。だったら、こうもっとボンッキュッボン!だろ。俺的に。
そんな事を考えていると、藍がこっちに向かってきた。何故だか、ピシッと姿勢正しくしてしまった。
「啓太、アーモと会えて良かったね。いったいどこをほっつき歩いているのかと思えば・・街から出て死去の砂漠に行ってたなんて。ほんっと、啓太は死にたいんだね。話は全部アーモから聞いたから。」
「あ、東啓太!マリアお姉さまと知り合いだったのね・・!先にそれをいいなさいよ!」
「アーモ。啓太は私のもんだから、手ださないでよ。ほら、啓太も何してるのっ!さっさとブーデン様のところに行くよー。」
・・この二人の関係が気になる。後で藍に聞いておこう。
俺達はレクを後にして、でっかいお城へと向かう事になった。
「なぁなぁ、藍、レクとどんな関係なんだ?」
「あぁ・・アーモはね、「レズ」の子なんだけど、私気に入られちゃってさー。めっちゃ摺り寄ってくる。とくに胸に。最初は、驚いたし、変態!!って叫んじゃったけど、今はもう慣れちゃった。」
「・・・・。へぇ。レクって最初のときの俺に会ったときの態度となんか違くないか?めちゃくちゃテンションあがってたんだけど・・。」
「アーモはいつも、あんなだよ。私の前だけすごくハッチャケるの。他のトコでは誰と一緒にいても、静かで大人しい可愛らしい女の子だよ。」
レクってそうゆう子だったんだ・・。だから、俺に早く言えって言ったのか。魔界にレズがあるってことは・・ホモ・・、いや考えるのはよそう。気持ち悪い。まるで、蛾と蝶々だな。
「さ、お城に行こう。啓太、準備はいい?覚悟しておいてね。」
「へ?覚悟?え、え、ちょ、まっ・・・ぎ・・ぎゃああああああ!!!」