俺が魔界の王子?
「おぉ、おぉ・・王子、ご無事で何より。」
・・?この怪物は何を言ってる。王子?俺が?馬鹿げるな。俺を騙すなんて100年早いわ!
怪物は髭をさわりながら、開けているのか閉じているのかわからない目をショボショボ動かしている。
「王子!?こんなヘンテコなヤツが!?ブーデン様、冗談はよしてください!」
藍が言うとなんかむかつく、ヘンテコってなんだよ。
まぁ、俺の気持ちも少し言ってくれたからいいけど。あぁ、早く家に帰っておいしいコーヒーでも入れて飲みたいよ。あぁ、東京が恋しい。
「こりゃ!マリア!王子に向かってヘンテコなんて言うもんじゃないぞ。口を慎まないか!」
「ブーデン様!私はマリアじゃなくて、藍・・!」
「もう、いいではないか。真の名を言っても。ここは魔界。人間界じゃないんだからのぉ。」
「・・・。」
マリア?真の名?なんだか、わからん。魔界って難しいのな。疲れる。
でも、後でちょっと頼んで魔界見物でもしてみたいな。
「啓太、藍ね、本当の名前、小川藍じゃなくて、マリア・ローゼンって言うの。小川藍は仮の人間界での名前なの。だから、まぁ、どっちで呼んでもいいけど、こんな感じ。うん。」
「お、おう。でもやっぱり藍の方がいいな、呼びやすい。」
「んじゃ、それでいい。」
「マリア、王子を連れて、ちょっと魔界を案内してあげなさい。」
「は~い!」
お、頼まなくても言ってくれた、ありがとうブーデン様。(怪物)さて、魔界ってどんなものが置いてあるのかなー?ちょっと楽しみだ。
・・・・・。
「へい、らっしゃい!お。マリアちゃーん。どう、見ていかない?いいモノそろってるよ!!」
化け物いっぱいいる。そんで、おいてるのも、ヘンテコなものばっかり。これ?使えるのか?ってのがたくさんある。
でも、店の並びや、お店の人の雰囲気はとても良い。なんだか、魔界って暗いイメージしかないけど、結構明るいんだな。
藍はお店をじっくり見ている。俺もちょっとそこらへん見て行こうかな。
「へい、にいちゃん!ちょっとコッチきてみねぇか?」
「え?何ですか・・。うわっ!!」
「これ、どうだい・・?買っていかないか・・」
大きな檻の中にいるのは・・大きな・・・♀の・・・
ネズミ。
「いいいいいいいい、いいです!遠慮しておきます!」
「えー、にいちゃんつれないなあ。」
「失礼します!!」
・・・はぁ、疲れた。魔界って、へんなものもいるんだなぁ。
勉強になるわ。うん。
って、ここ・・どこだ・・・?