ブータン・デ・アフランス
いきなり現れた、「小川藍」と言う少女。いや、バケモノ。だって中に浮いてるし。
そして、一週間も東啓太の家に住み着いていた。ひとつわかったこと。俺以外には見えないと言うこと。
ってなわけで、俺のところにきた、「バケモノ」・・いや、小川藍。
なぜか、一週間も俺の家に住み着いている。そして、不思議なコトに、小川藍は、俺にしか見えないらしい。なんで?幽霊なのか。
「啓太。藍と一緒に、魔界へ行ってくれないかな?ブーデン様にお伝えしなければ。」
「ブーデンって誰だよ。つかオマエさっさとカエレ。魔界とかドコだよ。知らん。」
小川藍は、顔を顰めた。俺に手を差し出して、「掴んで」と言った。もちろん、何されるかと思うと怖かったので、掴まなかったが、無理やりやられた。
「ブーデン様にあわせてやる。」
「だから、俺はあわないって・・!」
「ブーデン様を侮辱したからだ!」
侮辱?俺はしてない。誰と聞いただけだ。やっぱり子供だからわかってないのかな。
ふと、横に目をやると、俺は、中に浮いていた。・・っは?
俺の部屋は?時計は!携帯は!財布は!?
「おい!ここどこだよ!なんでこんな・・」
「さっきから言ってますよね。ブーデン様にお会いしにいくと。」
「だからって、何か言えよ!携帯とか、必需品だろ!?」
「魔界では、使えません。」
はぁ・・。もう言われるままになるしかない。俺はきっと、小川藍の手を離したら、下へ落ちて死ぬだろう。天空の城ラ●タじゃあるまいし、ゆっくり無傷で下へ落ちる。ことは無いだろうし。
と、考えつつ、ぼーっと下を眺めていた。
しゅー・・
「・・んっ!?」
「どうしたの?」
今、なんかいた。変な大きい黒いモノ。
限りなく、コイツ(小川藍)に近いもの。バケモノ。
コイツよりは、もうちょっと大人びていた気がするのだけど・・。
「なんか、いたの?答えなさいよ。」
「なんで、命令形なんだよ・・。なんか、お前に近い部類のやつが下を通り過ぎたから。」
「あぁ、藍のおねえちゃんだよ。あれで15なんだよー!」
ぁ?ってことは、コイツは・・小学生ぐらいなのか。?。
「お前いくつなんだよ?」
「12歳。人間のいるところでは、そうなるかな。魔界では120歳。だから、私は東啓太よりずーっと人生長生きしてるってわけ。」
「あのさ、それはわかったけど、フルネームね呼ぶのやめてくんない?啓太でいいよ。」
「じゃぁ、啓太、藍のコトも、お前とか言わないで藍って呼んでください。」
まったくメンドクサイ女だ。