藍
"1通のメールを受信しました"
"このメールは、誰に届いてるのでしょうか?
この、ハイビスカスの画像と一緒に届いてるのかな。
私は、藍 と言います。このメールが届いたアナタ。返信してください。
どんな文章でもかまいません。 藍"
いたずらだな。絶対チェーンメールとか言うやつに近いものだな。
でも、わざわざハイビスカスの画像まで付けてくるとは・・。なかなかだな。
だが運命かもしれない。・・・いやいやバカなことを考えるな俺!
「・・返信っと・・」
考えてる事とやっている事が違う。
俺は何故、あのメールを返信したんだ?自然と手が・・。
ちゃららん
「誰からのメールだ?」
「ありがとう
メール返してくれてありがとうございます。
改めて、私の名前は 小川藍 と申します、よろしく。
このメールを返信した・・ということは、興味をお持ちでいるんですね?
なら、私に協力してください。私のパートナーになってください。
今から、そこに行きます。」
今から行く・・?
どこに?ここに?俺の家に?・・・バカな。住所などましてや住んでるところもわからないのに。
いったいどうやって・・。
コツコツ
窓からつつくような音がなった。祐二か?嫌、ここはマンションの三階にあるんだ。
そんなことできたら化け物だ。
コツコツ
再び音がなる。恐る恐る窓に近づいて、カーテンをゆっくり開けてみた。
鳥肌が立った。ゾッとした。人が、女の子が浮いている。
ツインテールでなんとも露出度の高い服を着ている。
オタク達に関したらいわゆる「萌え~」だろうが、俺にとっては、「化け物」。
「あけてください!」
窓越しなので、何を言ってるのかわからなかったが、鍵を指で指してたので、わかった。
・・が、こんな得体の知れないモノ。中に入れるはずがない。入れたくない。何されるか知ったこっちゃない。
い・や・だ・!
口パクで伝える。すると、ツインテールの子はぷくーっと頬っぺたを膨らませ怒った表情をした。
そして、後ろに下がって、姿が見えなくなった。帰ったのか。
「・なんだあの化け物。気持ち悪い。それとも俺は夢でも見てるのか?」
そのとき。
バリーン!!!
聞いたコトのあるような音が、自分の部屋で聞こえた。ガラスの割れる音。びっくりするよな、アレ。
覗きに行く。確かめに。何か飛んできたのかと。
恐る恐る覗く。ソコには誰も、何もなかった。安心しきった俺は、ガラスを拾いに行く。
「東啓太、21歳大学生で一人暮らし。出身地は東京で現在兵庫に住んでいる。」
後ろから、声が聞こえた。幼い声で落ち着いてるようだ。・・じゃなくて!
「誰だオマエ!?」
ツインテールに子供が着るには露出度の高い服。さっきの浮いていた「バケモノ」
身長は小さく、俺を見上げている。じーっと、何か言ってよ的な目で。
「・・ですよね?東啓太。」
「なんで名前知ってるんだよ?!誰だって聞いてるだろ!?」
動揺する。そりゃきっと誰だって。窓割って、宙に浮いている女の子。いきなり来られたら、誰でもびっくりする。そしてプロフィール全部目の前で言われて。ビックリ程度じゃない。
「さっきのメール見なかったの?私は、小川藍。ハイビスカスの写真送った。」
コノ子が、小川藍か。