第7話「後任」
このクラッシュの原因は3位の選手がピットインするために急に進路を変えたのが原因だった。
結果的に3位を走行していた選手には今大会失格という重い裁定が下された。
そしてVERTEX racingのピットに救急隊の隊員が来る。
「俺が行きます。」
「松下、いいのか?2時間したらレース再開だぞ?」
「それまでには戻ってきます。」
「わかった。じゃあ俺も後ろから車で追う。帰りは一緒に乗って帰るぞ。」
「了解です。」
救急搬送された杏堂は脳に軽微ながらダメージを受けており、しばらくは安静が必要と言われた。
今年いっぱいは彼はレーシングカーには乗れなくなってしまった。
談話室で代表と2人で話し合っていた。
「どうしようか。杏堂の後任。」
「そうっすね。誰かいないっすかね。シート探してる人。」
その時、松下がひらめく。
「斉藤監督、提案なんすけど、うちのリザーブドライバーの永野を使うのはどうですか?」
「それはなかった。そうしよう!次戦から永野に乗ってもらえないか掛け合ってみる。」
永野駿。2024年シーズンはセルモから参戦し、ポイントも獲得し好成績を残してきた。
しかし彼は単年で契約が解除となり、乗るチームがなかった。
それを見た代表がオファーを出し、リザーブドライバーとして現在はVERTEX racingに所属している。
「今、電話で確認してみたら次の大会から乗ってくれるそうだ!早速チームから声明を出すよ。」
これにより、松下、永野の2024年デビュー組の新コンビがVERTEX racingで誕生した。
そして、松下、永野の2名にはある任務が課せられた。
それは…