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VERTEX3  作者: 銀乃矢
メインストーリー
2/22

第1話「新参者」

2025年、鈴鹿サーキットでの開幕戦。


「ついに始まりましたね、杏堂先輩。」まだ人が少ない観客席を見ていた。

「そうだな。今年は松下はどうしたい?」


「今年はとにかく上を目指します。表彰台、優勝を狙います。」

「じゃあ、勝負だな。どっちが多く表彰台上がれるか。」


「そうっすね!じゃあ、負けないっすよ?」



そんな会話から30分後。


ドガッシャァン!

鈴鹿のヘアピンにあまり聞きたくない音が響く。


砂塵が舞い上がり、何が起きたかわからなかった。


その砂塵が晴れ始めるとその原因となったものが明らかになった。

それは松下が操る31号車だった。


『おい!松下、大丈夫か?』

「大丈夫です。ただ、マシンが…」

『そんなことはどうでもいい!マシンを降りてくれ!燃えるかもしれない!』

「分かりました」


その会話を最後にマシンを降りた。


マシンからは煙が出ていたが、冷却水のものだと思われる。



ピットに戻って来る。


「松下、怪我はないか?」

「大丈夫です。ただ、すみません。クルマを壊すことが多くて…」

「あぁ。でもお前が無事なのが一番だ。マシンが戻って来次第、修理に入る。」

「分かりました。お願いします。」


結果、ダメージは多岐にわたって入っており、予選出走は断念することになった。





午後、予選が始まる。


セッションが始まってすぐ、赤旗が提示される。


その原因は10号車、杏堂のクラッシュだった。


モニターには前後のサスペンションアームが折れ曲がった10号車が映っていた。


「本当にすみません、監督。マシンを壊してしまって。」


「…仕方ないよな。2人とも今年最初の走行だったんだ。」

そう、VERTEX racingは今年の公式テストに出走できていなかったのだ。

原因は運営側の手違い。


運営がVERTEX racingに通達したエントリー期限は本来の期限の1週間後。

それに従い提出したところ、すでにエントリーは締め切られており、何度もエントリーを訴えたが叶わなかった。


そんな話をしていると、10号車がトラックに載せられて運ばれてきた。


降ろし終わるとすぐにメカニックたちは修理作業に入った。



今回の鈴鹿大会のポールポジションは今シーズンから新規参入のSPES racing。

そう、あの、ル・マン大会に出走したとき松下が所属していたチームだ。


監督はDream racing Projectの長谷部宣孝。

ドライバーは大塚裕貴、オリバー・ジョーの2名。

オリバーに至ってはル・マン大会の制覇者だ。

最高の布陣で参入してきたチームだ。

一筋縄ではいかないだろう。


結果、SPESとVERTEXは対照的な結果になった。

SPES racing

88号車 大塚 1位

99号車 オリバー 2位


VERTEX racing

10号車 杏堂 24位

31号車 松下 25位


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