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VERTEX3  作者: 銀乃矢
メインストーリー
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18/22

第17話「援護」

一方…

「ヒロくんが無線で支援してくれるようになって良かった。どこにマシンがいるか想像しやすい。」

その間にも無線で伝えられた周回遅れのマシンに追いつき、追い抜く。


サイドミラーを確認すると緑色のボディが見えた。TOM'Sのものだ。


「セルモ、TOM'S。名門のドライバーたちに守ってもらってるんだ。」

無線ボタンを押し、叫ぶ。


「ぜってぇ負けねぇ!ぜってぇ勝ってやる!」

その無線はチームの全員に届いていた。


「後方、40m離れて36番。続いて39番。」的確に指示を送っていく。

『了解』


セルモ39号車に乗る根岸のミラーにはもう88号車が映っていた。

ホームストレートで2台がサイドバイサイドになり、39号車のドライバーが後ろに合図を送る。


そこから2台の防衛戦が始まった。



88号車が39号車に襲いかかる。

しかし、それを見た琢磨は早めに減速、愛が近づき、88号車が入るスペースを与えない。



その連携バトルを大型モニターで見ていた自分も驚く。

「すごいな。みんな。ギリギリまで寄せて。」


監督とドライバーの無線も聞こえるようになっているので、傍受する形になる。

『永野、今後続との差は12秒、そのまま行けば逃げ切れる。』

「了解」

ゾーンに入っているんだろう。会話は最小限に抑えている。


残り2周、88号車は疲労が出始めているようだった。

「88、コーナーでワンテンポ遅れてる。タイヤが終わったか…そりゃな、セルモとTOM'Sとあんなバトルしてればタイヤも減るよな。」

レースは追い抜きが大事だが、追い抜くにはタイヤも消費する。


つまり、勝負のとき以外はタイヤは使わないように温存し、ここぞという勝負のときに使う、この使い分けのタイミングが必要なのだ。


無線の会話ボタンを押す。

「駿、88番はタイヤが終わったと思われる。明らかにペースが乱れている。とりあえずはセーブ(抑えて)して走っても大丈夫だと思う。」

『OK、OK。』


タイヤが限界を迎えていただけでなく大塚は冷静さを失っていた。

彼の目には39号車と36号車は映っていなかった。

豆粒ほどの10号車、それだけが見えていた。


88号車が加速する。

それに反応して愛が防ごうと走行ラインを変更する。

合わせて琢磨も動く。

その時だった。


愛の右リアタイヤと大塚の左フロントタイヤが接触する。

そのまま大塚、愛のマシンは姿勢を乱し、スピン状態に。そこに琢磨も巻き込まれ、3台まとまってコースオフ。


大塚はステアリングを何度も叩き、悔しがっているように見えた。

愛、琢磨はやりきった、そう思っているようにマシンを降り、コースサイドへと向かっていた。


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