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この世界のことを教えてください

 ウェスペル、カエルム、ノクスにこの世界がゲームだということを話しました。ホーラにはあとで教えましょう。今のところアカウントは削除されていませんので、少し心配は残りますが…大丈夫だと思います。

「ふーん。そういうことか。まっ、その運営とやらを神様だと思えばいいんじゃね?」

「確かにそうなのです。主様の世界の人が私達を創ったとしても、神様に創られたのと一緒なのです。納得できるのです」

「私もですっ。ご主人様の世界の人はすごいですねっ。尊敬しますっ」

 思ったよりも好意的な反応でした。ノクスとウェスペルの言うことも一理あります。確かに神様とは本来見えない存在ですから、自分を創ってくれた神様(運営)に感謝こそすれ、嫌悪感はあまりないのかもしれません。

 自分が創られた存在だと知らされると自暴自棄になる人もいるかもしれませんが、操られているわけではありませんからね。

「そうですか。あの、もしよければこの世界のことを教えてもらえませんか?」

「この世界のことか。あー、ホーラ様に聞いたほうが良いと思うぞ? 俺らよりも知ってるから。まっ、最近っつっても俺らが知ってんのは二百年前ぐらいだな。ホーラ様より最近のことを知りたいなら、俺らに尋ねればいい。ホーラ様はせいぜい千年前ぐらいしか知らないだろうし」

 生きている年数が途方もないので、混乱してきます。

 千年前はもちろんですが、二百年前とも今は変わっていると思うのですが。途方もない時を生きると、百年は一年ほどに感じるのでしょうか。

「わかりました。あとでホーラに教えてもらうとしましょう」

 今からなにをしましょうか。そうですね、アルカナを使うとしましょう。たぶんアルカナはスキルですよね?

 スキルは魔法なのでしょうか。それともスキルは魔法と別物なのでしょうか。疑問が残るので、聞きましょう。

 それにしても、ウィレンが勝手に喋っているゲームの情報が、こんなところで役に立つとは思っていませんでしたよ。次に会うときは弟様とでも呼んであげましょうか。主に揶揄い目的ですけれど。

「誰でもいいので、魔法の使い方を教えてもらえますか?」

「私が教えるのです。まずは魔力操作を覚えるのです」

 カエルムが教えてくれるのですね。魔力操作は覚えていたはずです。〝魔力操作を覚えました〟とアナウンスが流れていましたから。

「魔力操作でしたら、覚えています」

「それなら、次の段階に進むのです。魔力感知を覚えるのです。覚えているのです?」

 魔力感知は聞いたことがありませんね。教えてもらいましょう。魔力を感知すると考えるだけで、難しそうです。覚えられるでしょうか。

「魔力感知は覚えていませんね。覚え方を教えていただけますか?」

「魔力操作を覚えているなら簡単なのです。魔力を吸収される感覚は覚えているのです? その感覚の元を探るのです。今から魔力を吸収するのです。手を合わせるのです」

 手を合わせると昨日と同じようになにかが吸い出されるような感じがします。これが魔力なのですね。魔力を探るというのはどういうことでしょうか?

 とりあえず、集中してみましょう。私の手から魔力がカエルムの手に流れていきます。手を合わせている部分に意識を集中させると、微妙な差ですが普段よりも少し手が温かいような気がします。

 〈魔力感知を取得しました。取得条件は体内にある魔力に気付くことです。魔力操作と統合すると、魔法が格段に使いやすくなります〉

「スキル(?)を取得したときに流れる声はどういうものなのでしょうか」

「ああ、それは神様の声だな。新しく取得したスキルだったりの説明をしてくれるんだ。取得したそのときにしか聞けないから、戦闘しててもパーティー組んでるなら一時離脱して……一人で戦ってんなら逃げて説明を聞く。誰も知らないスキルを取得してたら、他の誰かに聞いてもわからんからな。だから、その説明はどんなときでも聞くって教育されてるらしいぞ」

 ノクスが説明してくれます。カエルムも説明しようと思っていたのか、ノクスに先を越されて膨れっ面で拗ねています。とても可愛いです。

「言い忘れていましたが、魔力感知を覚えました。統合すると魔法が使いやすくなると言っていますが、どういうことでしょう」

「統合は二つのスキルをくっつけて一つのスキルにすることなのです。魔力操作と魔力感知を統合すると魔力循環になるのです。統合をどうやってするのかは知らないのです。ウェスペルは知ってるのです?」

「スキルを同時に使うと統合できたと思うっ。曖昧だから間違ってたらごめんなさいっ」

「ちなみにスキルはどうやって使いますか?」

 そうなのです。魔法の使い方も知らないのですが、スキルの使い方も知りません。盲点です。忘れていました。

「スキルの名前を言えばいいのです。それで使えるのです。スキルを同時に使うのなら並列思考のスキルも必要なのです」

 並列思考はほしいですね。一度に二つのことを考えるのを補助してくれるスキルでしょうから。一度に二つのことを考えると疲れるのですよね。

「そういえば主ってさ、ステータス見てなくない?」

「た、確かにそうなのです」

「思い出しても、ステータス見てた記憶がないですっ」

「ステータスってなんですか?」

 私が言ったと同時にみんな揃って肩を落としています。この様子だとステータスは常識的なものなのでしょう。申し訳ないですね。

 もう少しゲームのことを勉強したほうが良かったかもしれません。せめてウィレンのゲーム知識を聞き流さずに、真剣に聞いていればこんなことにはならなかったはずです。

「落ち込まないで大丈夫なのです。勝手に知ってると思ってた私達が悪かったのです」

「そうだ。主が別の世界から来たって聞いたのにな。知ってると思ってた俺らが悪いんだ」

「そう、そうですっ。私達が悪いので、しょんぼりしないでくださいっ」

 みんな本当に良い子ですね。不甲斐ない私を慰めてくれています。可愛いので頭を撫でてもいいですかね?

 ああでも、頭を撫でようと思っても身長の差があって、撫でることができません。今ほど身長が低いことを恨んだことはありませんよ。

 私が撫でられるのであって、私が撫でるのではないという文句は絶対に受け付けません。一度親友に言われたことがありますが、一日中なにがあっても喋りませんでした。

 次の日からは喋りましたが。コンプレックスとまでは言いませんが、とても気にしていることなのです。

「ステータスはステータスと言えば見れるのです。今はスキルだけ見れればいいのです。これを使うのです」

「タブレットみたいですね。もしかして、古代魔術が付与された板なのでは?」

「正解なのです。掌を当てるだけでスキルが分かるのです」

 すごいですよね。やはり気になりますね。魔法と古代魔術の違い。ちなみに私が古代魔術だとわかったのは、今は使われなくなったものだからです。

 もしかしたら、昔のものを古代のものとして反映しているのではと思いまして。見事当たったわけですね。

いつの間にか日間ランキング12位にランクインしていました。拙い作品ですが、読んでくださってありがとうございます。まだまだ続きますので、これからもよろしくお願いします。

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