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敬わない星の妖精

 僕は星の妖精。ツァディー様のおかげで妖精になれたんだ。妖精って感情から生まれるんだけど、星の妖精は違ってツァディー様に感情を与えられて妖精になるんだよね。

「ノウィル様はどんな方なのでしょうか。会ってみたいです」

「私の契約者だもの。きっと会えるわよ」

 ツァディー様はいつも暇って言ってるから、契約者がいるのが嬉しいのかも。ちなみに僕がいるのは、星を家にした場所なんだ。星って小さく見えるけど、僕の星は城が建てられるぐらい大きいんだよ。星の妖精は星の土地に家を建てるんじゃなくて、星をくり抜いて家にするんだけどね。

「そうでしたら、嬉しいですね」

「近いうちに会えるといいわね。貴方のこと、伝えておくわ」

「お願いします、ツァディー様」

「いつも気軽に話しても良いって、言ってるじゃない。いつまで敬語でいるつもり?」

 僕はツァディー様の眷属だから、敬うのは当たり前なんだけど…。ツァディー様の勢いに押されて友達がいないから、僕に友達になってほしいらしい。僕は星の妖精の中で唯一ツァディー様の勢いに押されないから。

「それは難しいご相談です。そうですね。ノウィル様に会うことができたら、考えても良いですよ」

「本当に考えてくれるのね。行ってくるわ」

 嬉しさを隠さずに出て行っちゃった。この調子だと、あと数分で僕が呼び出されるかも。ツァディー様が一度決めたら、その勢いに押されちゃうだろうからね。

「楽しみに待ってよ。ツァディー様の勢いに押されなかったら、楽しいんだけどね」

 敬ってるけど、観察対象として面白がってるところがあるんだ。それを知ってるから、僕と友達になりたいなんてツァディー様は言うのかも。数分経ってから、しょんぼりとしてツァディー様が帰ってきた。もしかして、勢いに押されなかったのかな?

「私のお願いを聞いてもらえなかった。というか、ウンディーネ様がいるなんて聞いてないわ! しかも、ウンディーネ様と契約しているなんて!」

「嘘ですよね。ウンディーネ様と契約しているのですか? ツァディー様は勝てないじゃありませんか。ただでさえ、性格が厄介だというのに」

「勝ち目なんてどうでも良いの! 本当に貴方はさらっと私を貶すわね」

 僕ってほんとに、ツァディー様を貶したかな? ツァディー様の勘違いだと思うんだけどね。不満そうな顔を見ると、ほんとに貶したみたいだね。

「そうでしたか?」

「貶している自覚もなかったの?」

「ないですね。いつ貶したのでしょうか?」

「ただでさえ、性格が厄介だというのに。って、言ったじゃないの」

 ほんとのことを言っただけじゃんっていうのが、顔に出てたみたいでツァディー様は怒ってるみたい。ほんとのことを言っただけなんだから、貶してはないよね?

「口では敬っていると言っているけれど、私を敬ってないでしょ? 敬っていないのなら、友達になってくれると嬉しいわ」

「ツァディー様のことを敬っていますので、友達は辞退させていただきます」

「隙がないわね」

 ツァディー様は僕に流れで、友達になると言わせようとしてるんだ。僕はツァディー様に隙があるだけだと思うな。勢いがあるから、隙も作りやすいんだよ。

「貴方と話すのは疲れるけれど、楽しいのよね」

「そうですか? 嬉しいですね」

「嬉しいなんて、絶対に思ってないでしょう?」

「そうですね。ツァディー様に会うことを、光栄とすら思っていません」

 愕然として固まっちゃったよ。ツァディー様は毎日来るから、慣れたっていうのが現状なんだよね。瞳の前で手を振っても、固まったままだよ。

「大丈夫ですか?」

「大丈夫ではないわよ! 私を馬鹿にするのかしら。くすぐりの刑に処しますわ」

 ツァディー様は少し抜けたところがあるんだよね。くすぐりの刑は大っ嫌いだけどね。セフィロトの番人様を軽視されたにしては、軽い罰だと思わない? しかも、ツァディー様が僕をくすぐるんだよね。

「疲れたから、これで勘弁してあげるわ」

「疲れましたね。今日はこの辺で帰っていただきたいです」

「なにかあるのかしら?」

 僕のところには流れ着いた古代の機械がたくさんあるんだよね。その中の一つに郵便ポストっていう物があって、どこからでも僕に対する手紙だったら受け取れるんだ。フェニックス様は見られるつもりのない手紙を書いてて、その手紙が僕の郵便ポストに入ってたの。その手紙の返事を書いて郵便ポストに入れてみたら、フェニックス様から返事が届いたんだよね。それから、フェニックス様とは文通する仲なんだ。

「幻獣のフェニックス様が来られる予定です」

「貴方が呼ばれるのも時間の問題ね」

「どういうことですか?」

「ノウィル様のことを聞いてみれば良いわ。きっと知ってると思うわよ」

 フェニックス様はノウィル様のことを知ってるんだ。聞いてみよう。ツァディー様が思ってるよりも、僕達は仲が良いんだから。僕達の仲を知ってるから、聞いてみれば良いって言ったんだと思うけど。

「また明日来るわね!」

「さようなら、ツァディー様。願わくば星と衝突して、思慮深い聖女に生まれ変わってほしいです」

「だから貴方……さらっと私を貶さないでくれるかしら!」

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