まぁ…セロを責めたって、セロは自分のした事に対して絶対と言えるぐらいに反省なんかしない。
だって、セロは自分が “ 悪い事をした ” って微塵も思っていないからだ。
人形にとって人間げん類るいは保ほ護ごする対たい象しょうじゃなくて、駆く除じょするべき害がい虫ちゅうなんだから……。
鯔とどのつまりだ、人にんセロ形ぎょうフィートのセロからすれば、地ち球にゅうに害がいをもたらす害がい虫ちゅうを駆く除じょしたに過すぎないんだ。
人にんセロ形ぎょうフィートからすれば、人にん間げんとしている事ことと同おなじなんだ。
人にん間げんだって、自じ分ぶん達たちにとって都つ合ごうの悪わるい虫むしは害がい虫ちゅう扱あつかいして容よう赦しゃなく殺ころすし、都つ合ごうの悪わるい動どう物ぶつは害がい獣じゅう扱あつかいして駆く除じょして殺ころす。
それと同おなじ事ことを人にんセロ形ぎょうフィートのセロはしているだけだから、反はん省せいなんかしやしないし、後こう悔かいもしなければ、後こう悔かいの念ねんに苛さいなまれる事こともない。
心こころが無ないから罪ざい悪あく感かんすら起おきない。
セロが「 予よ定てい通どおり≪ カグザークの街まち ≫の9割わりを消けし去さります 」なんて言いい出だした時ときは、必ひっ死しに止とめた。
だから、≪ カグザークの街まち ≫は今いまでも3分ぶんの2は無ぶ事じなままだ。
だけど……、抑そもそも何なんでセロは≪ カグザークの街まち ≫の9割わりを消けし去さろうとしたんだろうな?
当とう時じはセロを止とめるのに必ひっ死しだったから、それどころじゃなかったけど……今いまなら聞きいても答こたえてくれるかな?
折せっ角かくの機き会かいだし、思おもい切きって聞きいてみようかな。
此こ処こで聞きかなかったら、2度どと聞きく機き会かいは来こないような気きがする。
マオ
「 ──なぁ、セロ。
20年ねんも前まえの事ことだけど、セロに聞ききたい事ことがあるんだ。
いいかな? 」
セロフィート
「 ワタシが『 嫌いやだ 』と言いったら諦あきらめます? 」
マオ
「 えっ……。
嫌いや…なのか? 」
セロフィート
「 いいえ。
ワタシは構かまいませんよ。
“ どうしても聞ききたい事ことがある ” と言いうなら、もっと強つよ気きに出でた方ほうが良よいです。
弱よわ腰ごしで遠えん慮りょがちに尋たずねるのは、あまりお薦すすめしません。
特とくにワタシに対たいしてなら、止よしてください 」
マオ
「 セロ… 」
セロフィート
「 マオとワタシは友ともであり、恋こい人びとであり、伴はん侶りょであり、家か族ぞくです。
遠えん慮りょは無む用ようです。
弟おとうとは兄あにに対たいして理り不ふ尽じんな我わが儘ままを言いうものでしょう?
マオの可か愛わいい我わが儘ままを聞きかせてください 」
マオ
「 セロ…(////)
我わが儘ままを言いうつもりはないよ…。
オレは唯ただ……真しん相そうを知しりたいだけなんだ 」
セロフィート
「 真しん相そう…です?
はて……何なにに対たいする真しん相そうをマオは聞ききたいです? 」
マオ
「 20年ねん前まえに≪ カグザークの街まち ≫の9割わりを消けし去さろうとした理りわ由ゆうけを知しりたいんだ 」
セロフィート
「 ははぁ…そんな事ことですか。
マオに教おしえませんでした? 」
マオ
「 聞きいてない。
知しらないから教おしえてほしいんだ。
…………嫌いやかな? 」
セロフィート
「 マオ…君きみはま・た・…。
先さき程ほど、言いったでしょう?
君きみマオは本ほん当とうにワタシに遠えん慮りょしてばかりですね… 」
マオ
「 ………………… 」
セロフィート
「 良よいですよ。
知しりたいなら教おしえましょう 」
マオ
「 ──セロ!
有あり難がとな(////)」
セロフィート
「 君きみは本ほん当とうに…… 」
そう言いったセロは最さい後ご迄まで言いわずに少すこしだけ困こまったように微ほ笑ほえみながら読よんでいた新しん聞ぶんを折おり畳たたんだ。
セロが丁てい寧ねいに折おり畳たたんだ新しん聞ぶんはテーブルの上うえに静しずかに置おかれた。
腰こ掛しけていた椅イ子スから腰こしを浮うかせて立たち上あがったセロは、はだけ掛かけているバスローブを整ととのえる事こともしないでベッドの前まえ迄まで歩あるいて来くると、ベッドの上うえに腰こしを下おろして座すわった。
セロが膝ひざの上に手てを置おいて、ポンポンしている。
「 膝ひざに座すわれ 」って合あい図ずだ。
オレは素す直なおにセロの膝ひざの上うえに座すわった。
オレは小ちいさな子こ供どもみたいにセロと向むかい合あうように座すわったから、オレの目めの前まえにはバスローブがは・だ・け・掛かけているセロの胸むねがある。
セロはオレの背せ中なかに左ひだり手てを回まわして、背せ凭もたれのない後うしろに落おちないように支ささえてくれている。
右みぎ手てでオレの頭あたまを優やさしく撫なでてくれる。
こ…これは……もしかして、オレと『 いいこと 』をする気きになってくれたのか?!
もしも、そうなら嬉うれしいんだけど(////)
マオ
「 セロ…(////)」