✒ 雨の止まない街 10
大いに期待しちゃってもいいのか??
セロは優しい笑みを浮かべながら、オレの額に柔らかい唇を軽く付けて来た。
セロに “ デコちゅ ” されたぁ〜〜〜〜♥
セロからデコちゅされた後は、左頬にもキスをされた(////)
セロぉ〜〜〜(////)
オレは期待の眼差しをセロに向けている。
セロはオレの熱烈な視線に答えるかのように、ニコッと笑顔を向けてくれた。
これはもう、確実に期待しちゃってもイイヤツだよな?
オレは──、早くセロと重なり合いたい!!
セロの身体は人間の身体に似せて作られているだけだから、凸も無ければ凹も無いから異性のムニャムニャやら同性のムニャムニャなんていう行為は出来ないんだけども……。
それでもオレはセロとイチャイチャしたいんだ!!
セロフィート
「 マオ… 」
マオ
「 何? 」
セロフィート
「 ワタシはマオが大事です 」
マオ
「 うん、知ってる! 」
セロ、早く『 いいこと 』しよう!!
セロフィート
「 マオはワタシの2番目に大事です 」
マオ
「 うん…それも知ってる! 」
セロの──人形の1番は〈 久遠実成 〉だもんな!!
セロフィート
「 マオに薬物を食べさせて良いのはワタシだけです 」
マオ
「 ん…ぅん? 」
何で急に物騒な事を言い出すんだよ、セロさん…。
セロフィート
「 ワタシだけに許された特権です 」
マオ
「 …………オレは許した覚えは無いですけど? 」
セロフィート
「 マオはワタシの所有物です。
マオの許しは要りません 」
マオ
「 …………え、えぇ〜〜〜 」
セロフィート
「 ワタシの大事なマオに薬物を食べさせた報いを与えなければいけませんでした 」
マオ
「 ………………へ、へぇ…?
それで…? 」
セロフィート
「 報いとして、カグザークの9割りを消し去る事にしました。
失敗してしまいましたけど… 」
マオ
「 …………それが理由??
それが…カグザークの3分の1が半壊した真相?? 」
セロフィート
「 そうです。
あの時はマオから必死に止められましたから、忌まわしいカグザークを消し去る事は出来ませんでしたけど…… 」
マオ
「 けど??
…………セロ…さん、 “ けど ” に続きがあったりは…… 」
セロフィート
「 ありますよ。
ふふふ… 」
マオ
「 な…何をしたんだよ? 」
セロフィート
「 おや、気になります? 」
マオ
「 …………そんな言い方されたら気になるに決まってるだろ? 」
セロフィート
「 半壊させた部分だけを残して消し去りました♪ 」
マオ
「 …………マジかよ… 」
セロフィート
「 はい♪
本当です。
あぁ……カグザークで暮らしていた人間を全員《 創造主の館 》へ転移した後に──ですよ。
餌の補充を考えていたので、丁度良かったです♪ 」
マオ
「 ………………じゃ…じゃあ、セロが読んでた新聞に書かれている≪ カグザークの街 ≫の記事って言うのは── 」
セロフィート
「 はい♪
半壊部分を残して消えた≪ カグザークの街 ≫の謎について書かれた記事が特集で掲載されてます 」
オレはセロの胸元を強く押しての膝から下りたら、テーブルに走って折り畳まれている新聞を乱暴に広げた。
テーブルの上に新聞を置いて、1枚1枚捲っていく。
すると──、見開きになったページに≪ カグザークの街 ≫について書かれている記事を見付けた!
記事の内容を読んでみて、マジなんだって事を知った。
セロは確かに≪ カグザークの街 ≫を消し去っていた。
半壊した3分の1を残したまま……。
然も、半壊した部分は怪物が住み着いていて、つい最近…元≪ カグザークの街 ≫は危険区域に指定された事も書かれていた。
マオ
「 ……………………セロ…やり過ぎだ… 」
セロフィート
「 はい?
何処がですか。
3分の1はそのまま残しましたよ 」
マオ
「 そうじゃなくてさ……。
オレは薬物ラムネを食べさせられてなかっただろ!
オレが自分から食べたんだぞ!
それなのに……『 食べさせられた 』って何だよ…!!
こんなの……あんまり過ぎるじゃないか!! 」
セロフィート
「 マオ…。
もう過ぎた事です。
起きてしまった事を嘆いても元には戻りません 」
マオ
「 セロの馬鹿っ!!
アンポンタンっ!!
何で今更…… 」
セロのしでかした事は悲しかったけど──、オレの両目から涙は流れながった…。