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異世界を神視点にて  作者: 雨蟲 乙(うちゅう きのと)
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勇者の一生

 危険な森に面したとある農村。そこで育った少年。

「何か手伝うことはありますか?」

少年は優しく、常日頃から自身の両親や村人の手伝いをして生活していた。


 やがて時が経ち、立派な青年になれば剣や弓をとり村を守る。いつしか武器を操る様は誰もが見惚れる程に上達した。

「俺がこの村を守ろう」

 時折強力な魔物や、盗賊の集団が現れることはあった。そんな時は青年自らが先陣にたち、村人を率いたことで何度も危機を免れた。

 しかし青年は、その度に数は少ないながらも出てしまった犠牲に心を痛めた。

「もっと強い武具があったなら」「もっと上手く指揮ができたなら」「もっと自分が強かったなら」

 毎日その事を考え、しかし表には出さず村人の前では普通に振る舞った。


 まず青年が手を出したのは鍛冶だった。強い武具があれば村人は命を落とさなかったかもしれない。だが青年には才能がなかった。

 次に兵法を学んだ。あの時、もっと上手く指示が出せていれば。しかし青年の村は街からは遠く、学べるものも少なかった。

 そしてやはり強くなるしかないのだと。青年は村に面した森に籠る様になった。


 そしてさらに時が経ち、殆どの魔物や盗賊を退けられる様になった時、事件は起きた。

「どうして……」

 青年は言ったハズだ、俺がこの村を守ると。青年は何のために強くなったのか、全ての災厄を退けるためだと。

 現実は儚く、訓練のための森から出てきた青年の前に広がっていたのは、一体の竜と滅ぼされた村だった。


 竜は云う「魔王の命令で一人の屈強な男を探している」と。竜は笑う「それはお前だったのか」と。

 青年は剣を取り駆けた。怒りと悲しみに支配され、ただがむしゃらに剣を振るった。

「お前がいなければ村の皆は今も笑っていたのに」


 竜との戦いは長く、夜が一つ二つと過ぎていった。

 制したのは青年だった。そこに喜びはなく、竜に感じていた憎悪は「魔王」へと向いた。青年は魔王を倒すために旅に出る。


 憎悪を持ちながら青年は優しさを失ってはいなかった。徐々に人間が魔王に侵略される中、いくつもの国、街、村を救った。次第に青年は「勇者」と呼ばれる様になる。


 魔王城での激戦は世界を揺らした。魔王城が特別な場所でなければ、世界全体に少なくない被害を与えていた事だろう。


 勇気ある者。一人の魔導師と一人の聖職者を仲間に遂には魔王を制した真の英雄。

 青年の行方は誰も知らない。様々な憶測が飛び交ったが、実際は故郷の森で最後の時を過ごした。




名:ルーク・ブレイブ

初代勇者。悲劇の英雄。初代魔王の真実を知った男。

優しき彼は村は守れなかったが世界を救った。果たしてこれは、彼にとっての救いになったのだろうか。

決戦の時の装備は1000年経っても教会に保管されている。

打ち切りした前作を見てくださっていた方はお久しぶりです。

初めて来てくださった方ははじめまして!

ちょっとずつ投稿していきますのでブックマークの方よろしくお願いします。

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