第24話
モワッと、何かが漂っている臭いがする。それが何かということを考えないようにし、4人は銀行の建物から出ていく。音もなく銀行の扉が閉まると、一行はまずどこに行くべきか、を考えることにした。
「梁塵に聞いておけばよかったな」
と言いつつも、とにかく歩き始める緒方。それに合わせて、根来と放出が、そのすぐ後ろを平塚がそれぞれ歩き出す。
「ともかく何か飲みましょう。自販機はなさそうなので、どこかの店に入ることにして」
歩きつつ、平塚が緒方に提案した。少し汗ばむような気候だ、何か飲みながらということは理にかなっているように思えた。問題は、どこで買うか、だ。
「あそこ、コンビニでは」
根来が真っ先に見つけたのは、確かにコンビニだった。便利屋手野、というのが正式な名前の店で、手野グループのコンビニチェーンだ。通称は手野コンビニ。
「……まさかこんなところにもあるとはな」
言っておいて、ではあるが、これが本当にフランチャイズか何かの便利屋手野なのかどうかは疑問符が付く。そもそもどうやって商品を仕入れている、客はここの人らだろうが、外とのつながりはどうしているのか。そんな当然といえば当然の疑問が次々と湧き上がっては無視をする。
「ともかく入ろう。何はともあれあるだけましだ」
緒方が決断するとそれに反対する者はいなかった。




