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第22話
「……さて、みんな選んだみたいだね」
梁塵が、4人がそれぞれ小物を持ち、カバンやらポケットやらにしまっていくのを確認してからつぶやく。
「ここから出ると、街中は混沌と暴力も辞さないという野郎らばかりだ。女性もいるがね。そこで、これをそれぞれつけていて欲しい。場所はそうだな、左胸でいいか」
梁塵はバッジをそれぞれに1つずつ渡していく。それは手野武装警備の社紋が描かれていた。
「少なくとも、それをつけていると舐められることはない。はずだ」
「はず、ね」
平塚が何か心に秘めつつ、それでもバッジを言われたところに取り付けた。
「お守りぐらいに思ってくれたらいい。この相手で一旗あげたいという奴らもいるからな」
「まさに無法地帯といったところか」
緒方バッジの位置を調整しつつ梁塵に言う。
「そうだな。ま、頑張ってくれ。出口はあっちだ」
案内された扉の先には、漢字の円をぐるっと囲むように丸が描かれたマークがあった。




